米国の戦略核戦力の「三本柱」(核トライアド)の重要な一角を成す大陸間弾道ミサイル(ICBM)「LGM-30G ミニットマン3」は老朽化により退役の時期を迎えており、米空軍は後継システムへの置き換えを急いでいる。全米5州にまたがる既存施設600カ所を解体し、総延長8000kmを超える光ファイバーケーブルを敷設して次世代インフラを整備する計画だ。
米空軍は2026年9月中旬までにミニットマンの後継システムである「LGM-35A センチネル」の垂直状態での最終組み立てを完了した。現行ミサイルの旧式化が進む中、核弾頭を搭載可能な新たなICBMの配備に向けた取り組みが加速しそうだ。
核トライアド最速の「脚」

米国の核トライアドは「脚(Leg)」と呼ばれる3つの異なる要素から構成され、米軍の核攻撃力と抑止力を支えている。これには海上発射型、空中発射型、地上発射型の核兵器が含まれ、それぞれ弾道ミサイル原子力潜水艦(SSBN)、戦略爆撃機、ICBMに搭載される。
ICBMにより米国は陸上から大陸を隔てた敵国に対して核ミサイルを発射する能力を有し、これが核先制攻撃への抑止力になっている。三本柱の中で「最も隠密性の高い脚」は潜水艦だが、迅速な一斉発射が少なくとも理論上可能なICBMは、おそらく「最も速い脚」と言えるだろう。
米国の地上配備型の核抑止力は400基のミニットマン3に依存している。米空軍はICBMの有効性を確認するため定期的に試験発射を行っており、直近では今年3月に実施された。しかし、ミニットマン・システムはすでに耐用年数を大幅に超過している。
時代遅れの設計
ミニットマン3は、1950年代後半に開発が始まったミサイルシリーズの第3世代として1970年に初めて配備された。当初、耐用年数は10年を想定していたが、現在まで運用が継続され、米国の地上配備型核抑止力を担っている。
配備中のミサイルは、堅牢なサイロ(地下格納庫)に格納されて敵の攻撃から守られ、同じく地下にある発射管制センターと接続されている。冷戦時代には即応態勢が常に維持されていた。発射の際は、米大統領による単独の承認に基づき、空軍の要員が2つの発射キーを使用して起動する仕組みとなっている。



