ドナルド・トランプ大統領の支持率低下が続く中、世論調査で民主党が優位に立った。また、予測市場では民主党が上下両院の過半数を奪還するとの見方が強まっている。
複数の予測市場のデータを集計するサイト「Election Betting Odds」によると、民主党が上院を制するとの予測確率が63.8%に達した。両党の勝率が完全に五分五分だった先週初めから状況は一変した形だ。また、世論からの反発を招いたイラン紛争が始まる前は共和党の上院維持確率が60%と予想されていたことを踏まえると、形勢は完全に逆転したことになる。
一方、下院についても民主党の奪還が圧倒的に有利とみられており、その確率は89%に達している。
個別の予測市場を見ても傾向は同じだ。カルシでは民主党の上院奪還確率が63%、ポリマーケットでは66%との予想だ。ミシガン州、メイン州、ニューハンプシャー州、さらにはアラスカ州など、大半の激戦区で民主党の勝利が有力視されている。1994年以来、民主党が州全域の選挙で勝利していないテキサス州の上院選においてすら、ジェームズ・タラリコ(民主党)が現職のケン・パクストン州司法長官(共和党)をリードしていると予想されている。
米国時間9月22日に発表されたエコノミスト/ユーガブの最新世論調査では、中間選挙で投票に行くと答えた有権者の間で民主党が14ポイントの大きなリードを奪った。投票意向は民主党候補が52%、共和党候補が38%となっている。
また、データ分析で知られるネイト・シルバーは今週初め、自身のニュースレターで「上院選を接戦と呼ぶのはもはや正確ではない」と指摘した。接戦という表現はどちらの党も勝率が60%を超えていない場合にのみ成立するとし、世論調査に基づく自身の3つの予測モデルはいずれも民主党の上院奪還確率を63%から69%と予測したと述べている。
予測市場が民主党有利に傾いた背景には、生活費の高騰、そしてトランプ自身がエスカレートをほのめかすイラン紛争への懸念などによって彼の支持率低下が止まらないという事情がある。ニューヨーク・タイムズが集計したデータによると、トランプの支持率は37%に落ち込み、不支持率は60%に達している。直近の個別調査はさらに厳しく、ロイター/イプソスの調査では支持率がわずか32%(不支持率66%)、今週発表されたアメリカン・リサーチ・グループの調査では支持率が29%となっている。経済政策に対する支持率に至っては26%という低水準だ。
共和党は今月初めにダラスで中間選挙に向けた党大会を開き、トランプは中間選挙で共和党が上下両院を制した場合、米国のすべての成人に5000ドル(約80万円)の「配当金」を支給すると公約した。この計画には1兆2000億ドル(約192兆円)以上の費用がかかる可能性があり、経済学者や議員からはその実現可能性を疑問視されているものの、トランプは一歩も引いていない。しかし、この巨額の公約をもってしても、予測市場や世論調査の数字を共和党有利に引き戻すには至らなかった。



