超大型ユニコーン企業ウーバーが21億ドルの再増資へ

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既に70億ドルを調達しているウーバーではあるが、ここで勢いを落とす理由はない。

元祖配車サービスプラットフォームUBER(ウーバー)が更に21億ドル(約2,585億円)の資金調達を行うべく、地元デラウェア州で申請書類を届け出た。これが成立すれば、同社のバリュエーション(評価額)は年初の520億ドル(約6.4兆円)から680億ドル(約7.2兆円)にまで上昇、他の大型ユニコーン企業(評価額10億ドル以上のベンチャー企業)の中でも別格の規模となる。今回の2.1億ドル単独でも、3社の例外を除いて(個人宅宿泊仲介サービスのAirbnb、中国のタクシー配車最大手嘀嘀快的 (ディディ・クアイディ)、インド最大級のECサイトFlipkart)、株式非公開スタートアップの起業からの総資金調達額を超える金額である。

フォーブスが金融情報サービス会社VC Expertsから入手した申請書類によると、ウーバーの資金調達のシリーズG(第7回)は約4,300万株を1株あたり48.77ドル(約6,000円)で新規発行するとしている。全数が発行された場合、ウーバーの資金調達後の評価額は約680億ドルに達する見込みだ。申請の事実は、当初ブルームバーグが報道した。

VCExpertsのビジネス・インテリジェンス・ディレクターであるジャスティン・バイヤーズは「ここ数ラウンドの調達がそれぞれの回でユニコーン級(20億ドル以上)だったことを考えると、すごいことです」と言う。「ただ今回の資金調達の動機はよくわかりません」

確かにウーバーは急成長しているが、新しい市場への進出や新サービス(ウーバーのタクシーへの乗り合いを仲介するウーバープールや地元の食品のデリバリーを仲介するウーバーイーツ)の立ち上げ、新規ドライバーや乗客の集客等ネットワークを広げることに邁進、貪欲に資金を欲してきた。アメリカでは競合するLyft(リフト)を突き放しているものの、中国やインドを筆頭に海外では熾烈な競争にさらされている。特に中国とインドは今後の展開の足掛かりを作るために数十万ドル投資すると宣言している市場だ。巨大な人口を誇る両国は、自国以上に配車アプリの潜在顧客を抱えているのだ。

また、関係者への取材によると、今回の資金調達にはTiger Global Managementのベンチャー・キャピタル部門も参加するという。Tiger Globalというのは意外な選択肢である。なぜなら同社はこれまでウーバーの最大の競合であるインドのOLA(オラ)、シンガポールのGrabTaxi(グラブタクシー)、中国の嘀嘀快的 (ディディ・クアイディ)へも投資しているのだ。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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