女性10人を対象にした小規模試験で、患者自身の骨髄細胞の表面に糖を加え、1回だけ静脈投与したところ、参加者全体の骨折件数が94%減った。
国際骨粗鬆症財団によると、50歳を超える女性の3人に1人は骨粗しょう症による骨折を経験する。世界では年間約1000万件、約3秒に1件に相当する。
現在の骨粗しょう症治療薬には、骨の分解を抑える薬と、骨の形成を促す薬がある。薬によって作用や投与期間は異なる。今回の研究は、患者自身の骨髄細胞を骨へ届きやすくして1回だけ静脈投与し、骨組織の再生を促す方法を試した。
生命科学分野の学術誌『Cell』に掲載された研究では、重度の骨粗しょう症がある女性10人に、患者自身の骨髄から採取した細胞を1回だけ静脈投与した。投与後2年間で、参加者全体の骨折件数は年8件から2年に1件へ減った。
閉経後は骨を壊す働きが強まり、骨折しやすくなる
骨は完成後も同じ状態を保つわけではない。破骨細胞が古い骨を分解し、骨芽細胞が新しい骨を作る作業を、生涯にわたって毎日繰り返している。健康な成人では、骨を壊す働きと作る働きが釣り合っている。
閉経後はエストロゲンの減少によって均衡が崩れ、骨を壊す速度が骨を作る速度を上回る。まず骨内部の海綿状部分が失われ、残った骨は蜂の巣の壁を薄くしたような状態になる。通常の動作でかかる力が骨の耐えられる限界を少し超えただけでも、骨折につながる。
現在の骨粗しょう症治療薬は、骨の分解を抑えるか骨形成を促す。効果はあるが、薬によっては長期使用に伴う副作用もある。治療が必要なのに薬を使っていない女性は3分の1近くにのぼり、この未治療の割合は数十年にわたって拡大している。



