かつて私は、一生懸命働けば自然とチャンスが巡ってくるものだと信じていた。懸命に働き、質の高い仕事をして結果を出せば、周囲が気づいてくれると思っていたのだ。しかし時が経つにつれ、それだけでは不十分な場合もあると学んだ。自分自身をアピールする方法も学ばなければならなかったのだ。
これは私にとって、自然にできることではなかった。昇進を願い出るときに言いたいことを練習しても、いざ伝えるとなると、直前でためらってしまうのだった。欲が深いと思われるのではないか。自分はそれに値する人間なのだろうか。波風を立てたいのだろうか。ただ黙っている方が安全だと感じることもしばしばあった。
今では、そう感じていたのが私一人ではないと分かっている。多くの社会人、特に女性や、過小評価されがちな属性(アンダーリプレゼンテッド・グループ)の人々は、この感覚をよく知っている。自分の実力を証明しようと努める一方で、いつ発言すべきか、どれほど強く主張すべきか、あるいはそうすることが自分に不利に働くのではないかと悩むのである。
歴史的に見過ごされてきたプロフェッショナルにとって、自己アピールを学ぶことは特に重要である。そして、それは習得可能なスキルだ。これまでのキャリアを通じて私が学んだ、いくつかのヒントを紹介する。
自身の価値を認識する
自己アピールにおける最大の障害の一つが、ネガティブな「セルフトーク(心のつぶやき)」である。声を上げるべきか、何かを要求すべきか、あるいは自分が誇りに思う仕事の成果を自分の手柄として主張すべきかをためらわせる、頭の中の声だ。他者に対して自信を持って自分の価値を伝えるためには、まず自分自身が、自分の貢献度を信じる必要がある。
役立つ簡単な方法の一つは、仕事でもたらした影響や成果を、1つの文書に継続的に記録しておくことだ。受け取った好意的なフィードバック、提案したアイデア、成功体験、そして自分が状況を変えたと実感できた瞬間を書き留めておく。自分に疑念を抱いたときは、その文書を読み返すのだ。
人は失敗を記憶しやすい傾向がある。だからこそ、自分の成功も意識して記憶にとどめるように努めよう。
「仕事の成果が勝手に証明してくれる」と思い込まない
優れた仕事を成し遂げるだけでは不十分なこともある。周囲に、自分がどのような貢献をしたかを理解してもらう必要があるのだ。
つまり、周囲の人々、特にチャンスや昇進に関する決定を下す立場の人々が、自分の貢献を確実に把握している状態を作るということである。
これは、過度に自己宣伝をすべきだという意味ではない。自分らしさを保ちながら、以下のような方法で自己アピールを行うことができる。
会議での発言に挑戦する。キャリアの初期段階にいる場合、これは特に難しく感じられるかもしれない。まずは、意義のある貢献ができると感じたときに、1つのアイデアや質問を共有することから小さく始めよう。的を射た質問は、アイデアを出すことと同じくらい価値がある。
会議の後にフォローアップする。役立つと思われる場合は、自分のアイデアや次のステップを簡潔にまとめたメールなどを送る。
メンターや上司と会話の機会を持つ。自身の目標や、今後身につけたいスキルを、彼らにしっかりと把握してもらう。
自分の貢献を明確に説明する練習をする。プロジェクトなどの成功において、自分が果たした具体的な役割について、淀みなく説明できるようにしておく。
職場での人間関係を築く
自己アピールは、すべてを自分一人で行う必要はない。真の信頼関係を築くことができれば、アピールは自然と発生するものだ。
あなた自身やあなたの仕事ぶりをよく知る人々は、新たなチャンスにあなたを推薦してくれたり、あなたが同席していない会議であなたの貢献に言及してくれたり、あなたの強みを理解した上でそれを認めてくれたりする。
さらに、信頼できる同僚と1対1で意見を交わすことは、より大きな場でのびのびと意見を発表するための自信を培うことにもつながる。
何か助けが必要になる前に、そうした関係性を築いておこう。同僚に彼らの仕事について尋ねてみる。尊敬する人にアドバイスを求める。目標達成を後押ししてくれる人に、自分の目標を共有する。そして今度は、自分が他者をサポートできる方法を探すのだ。
リーダー層への働きかけ
従業員だけがこの負担を背負うべきではない。誰もが自分の声を聞いてもらうために戦わなければならないような職場は、真にインクルーシブ(包摂的)とは言えない。自己アピールは従業員だけの責任にされるべきではない。組織のリーダーにも、多様な声を尊重する環境を構築する責任がある。
リーダーは、従業員がアイデアを共有し、成長の機会を追求することを奨励する文化を意図的に作り出さなければならない。時には、従業員の貢献が公平に評価され報われるよう、不必要な障壁を取り除くことも求められる。
それは、私たちが日常的に以下のような問いを自らに投げかけることを意味する。
・アイデアを出しながらも、評価されていない人は誰か。
・目立たない場所で、あるいは昇進の機会もないまま、追加の責任を引き受けている人は誰か。
・重要な議論において、欠けている視点は誰のものか。
・チャンスを広く分配できているか、それともいつも特定の人ばかりに頼っていないか。
恩恵を次につなぐ
自己アピールを身につけることは、他の人々のためにより多くの余地を生み出すことにもつながる。
自らの実績を声に出して伝えることは、どのような人物がリーダー役にふさわしいかという固定観念を覆すことにつながる。自らチャンスを追い求めることで、「リーダーシップのあり方」の定義を広げることができる。そして、あなたが自らの視点を共有すれば、他の人々も自分の考えを共有しやすくなるのだ。
たとえ現在の職場で、あなたの声がすぐに届かなかったとしても、あなたの声には間違いなく価値がある。時に、あなたの価値を誰よりも早く認めるべきなのは、あなた自身なのだ。



