ここ2年、雇用主から最も多く聞かれる問いは、おおむねこういうものだ。「どのAIスキルを持つ人材を採用すべきか」
私の答えはこうだ。特定のツールやプロセスについてその人が何を知っているかよりも、状況の変化にどう適応するかに注目すべきである。テクノロジーの変化のペースは急速に加速しているからだ。リンクトイン(LinkedIn)の予測によると、ほとんどの職種で使用されるスキルの70%が2030年までに変化するという。リンクトインのメンバーがプロフィールに新しいスキルを追加する割合は、2022年以降ですでに140%上昇した。世界経済フォーラム(WEF)は、主要な職業スキルの39%が2030年までに変化すると見積もっている。
言い換えれば、あなたのチームが必死に導入し習得しようとしているツールは、次の採用者がオンボーディングを終える前に、別のものに置き換わるか、吸収されている可能性がある。特定のツールを軸に人材戦略を組み立てることは、採用するより速いペースで侵食される土台の上に構築することを意味する。
適応力は新たな競争優位である。WEFは、2030年にかけて重要性が最も速く高まる能力として、柔軟性、好奇心、レジリエンス(回復力)などを挙げている。
これらは技術的コンピテンシーではない。変化にどう向き合うかを示すものだ。しかし、適応力は固定された性格特性ではない。より根本的なもの、すなわち学ぶマインドセットが目に見える形で表れたものである。
AIが次に何をもたらしても対応できるチームとは、最初から最も多くを知っていた人々ではない。周囲の仕事が変化するより速く学び続けるよう方向付けられ、従業員にこのマインドセットを育むことを優先する社内文化に支えられた人々である。したがって本当の問いは「どのスキルか」ではない。「誰がスキルを獲得し続けるのか。そして、そうした人材をどう見つけ、どう増やすのか」である。
準備不足の正体は、学ぶマインドセットの不足である
組織が「AIへの準備ができていない」と私に話すとき、多くの場合それはスキル不足として説明される。しかし本当の問題は、学ぶマインドセットの欠如であることが多い。継続的なスキル向上を中心に据えない採用やマネジメントの習慣の集合体だ。
学ぶマインドセットは、テクノロジーへの熱意と同じではない。ましてや資格で証明できるものではない。私はこれを実務的にこう定義する。知らないことを脅威ではなく通常の出発点として扱う姿勢。フィードバックから身を守るのではなく、自ら求める姿勢。そして、証拠が「従来のやり方は機能しなくなった」と示したとき、新しいアプローチを組み立てる姿勢である。
機敏な人々は、単に情報を吸収するだけではない。それに応じて自分の働き方を再編する。AIが評価するのはこの能力だ。AIは常にゴールポストを動かし続けるからである。
朗報は、新規採用者について学ぶマインドセットを見極めることができ、既存のチームの中でもそれを育てられるという点だ。先行する組織は、その両方を意図的に行っている。
学ぶマインドセットをどう見極めるか
多くの面接プロセスは、その人がすでに何を知っているかを浮かび上がらせるよう設計されている。学ぶマインドセットを見極めるとは、知らないことにその人がどう反応するかを評価することだ。
私の組織では、集中的でペースの速い研修を修了する学習者と、遅れを取る学習者を分けるものを調べた。これはAI時代の仕事のスピードを考えるうえで有用な縮図である。その結果、最も早く、最も信頼できるシグナルは行動に表れることがわかった。どれだけ一貫して取り組むか、行き詰まったときに助けを求めるか、遅れを取ったときにどう反応するかは、その人が持ってきたどんな資格よりも多くを物語る。
こうした特性は、採用面接で次のように見極めることができる。
• 正しかったことだけでなく、間違っていたことについて尋ねる。「これまでの最大の成果を教えてください」と尋ねる代わりに、自信を持っていたことが実は誤りだった経験と、その後に何をしたかを順に説明してもらう。優れた学習者は、こうした質問に容易かつ具体的に答える傾向がある。自分の考えを頻繁に見直しているからだ。
• 経歴ではなく、学習速度に注目する。実際のプレッシャーの下で、数カ月のうちに新しい領域を独学した候補者は、まさに必要な能力を示している。そのシグナルは、学位や肩書でふるいにかけられた履歴書では見えなくなりがちだ。
• その場で何かを学ぶ必要があるワークサンプルを使う。候補者に小さく未知の課題と資料へのアクセスを与え、そのプロセスを観察する。どこから始めるか、何を試すか、行き詰まりからどう立て直すかを見るのだ。答えを採点しているのではない。未知の領域を、進めるものとして扱うのか、身動きが取れなくなるものとして扱うのかを見ているのである。
• どのように最新情報を追っているかを尋ねる。最新モデルのリリースを暗記しているかを確認することが目的ではない。足元が変化したことに気づくための仕組みを持っているかを知ることが重要なのだ。具体的な方法よりも、その習慣そのものが重要である。
学習文化を育てる方法
現実には、採用だけで学習文化をつくることはできない。そうした素質を持つ人を採用することはできる。しかし、知らないことを罰し、確信しているように見えることを評価し、成長する時間を与えない環境に彼らを置けば、その素質は休眠状態になる。マインドセットは、個人の問題であると同時に、文脈の問題でもある。
「これはまだ理解できていない」と認めることがキャリア上の不利益になる文化では、学ぶマインドセットは生き残れない。その場で最も上位の人々が先に素朴な質問をすれば、他の全員も人前で成長し続けてよいのだと受け止める。同様に、適応力はトップから生まれる。リーダーが自分たちの学びは終わったものとして扱うなら、どんな方針を掲げても、組織の他の人々に「自分たちの学びは終わっていない」と信じさせることはできない。
学びは社会的なものでもあることを忘れてはならない。私たちのプログラムでは、ピア・スタディグループや共同作業が、変化の速いカリキュラムの強度に対する最も強力な緩衝材の一つであり続けている。
持続する優位性
AIが次にどの具体的な能力を求めるようになるかを予測しようと、世界中の専門家が取り組んでいる。しかし、誰かがそれを完全に正しく言い当てる保証はない。その不確実性に対する備えは、より優れた予測ではない。予測が変わるより速く学ぶよう設計された人材と文化である。
スキルは今後も陳腐化し続ける。学ぶマインドセットは、陳腐化しない資産である。それを見極め、そのために採用し、それが育つ条件をつくれる企業は、AIのペースについていくだけではない。そのペースをつくる側になるだろう。



