宇宙

2026.09.27 15:00

超巨大な太陽嵐の発生に対して「地球は無防備」、NASAが警告

活動的な太陽から流れ込む太陽風により、極域から遠く離れた低緯度地域からでも見えるほど明るいオーロラが発生する様子を描いたイラスト。極端な地磁気嵐の鮮烈な兆候だ(Nithin Sivadas, NASA Goddard Space Flight Centre)

活動的な太陽から流れ込む太陽風により、極域から遠く離れた低緯度地域からでも見えるほど明るいオーロラが発生する様子を描いたイラスト。極端な地磁気嵐の鮮烈な兆候だ(Nithin Sivadas, NASA Goddard Space Flight Centre)

超大規模な太陽嵐は、これまで考えられていたよりもはるかに大きな影響を地球の科学技術に及ぼす恐れがあるとする、NASA主導の研究論文が発表された。厳しい宇宙天気現象に対して、地球がどのように応答するかに関する数十年来の仮説に疑問を投げかける研究結果だ。

科学者の間では長年、太陽風が強まるのに伴う地球の応答の大きさには上限があると考えられてきた。だが、こうした限界があるように見えるのは、測定の不確かさと統計処理上の偏りによって生じる錯覚の可能性があると、今回の研究チームは示唆している。太陽風が強くなるほど、地球への影響もますます大きくなる可能性があり、現時点で判明している上限は存在しないことを、科学誌Natureに掲載された今回の研究論文は示唆している。

太陽嵐の影響に既知の上限がない可能性

太陽風が地球に衝突すると、オーロラ(北極光や南極光)を発生させるだけでなく、高層大気中に強力な電流が流れることで、人工衛星や通信、航法信号に影響が及ぶ可能性がある。

太陽風の地球到達に応答して流れるこの電流は、太陽風が強まるにつれて増大した後、最終的に頭打ち(横ばい状態)になることが、過去の観測データで示唆されていた。NASAのゴダード宇宙飛行センター(GSFC)の宇宙物理学者ニティン・シヴァダス率いる研究チームは、この見かけ上の上限が太陽風の測定方法の不確かさから生じるものだと主張している。

NASAは、今回の研究に関するプレスリリースで「問題なのは、太陽風の測定データの大半が、太陽と地球を結ぶ直線上の地球から約160万km離れた位置にある衛星で収集されている点だ」と説明している。

太陽と地球の重力が均衡するラグランジュ点を描いたイラスト。その1つで、太陽と地球を結ぶ直線上の地球から約160万kmの位置にあるラグランジュ点は「L1」と表示されている(NASA)
太陽と地球の重力が均衡するラグランジュ点を描いたイラスト。その1つで、太陽と地球を結ぶ直線上の地球から約160万kmの位置にあるラグランジュ点は「L1」と表示されている(NASA)

偽の限界の原因は測定誤差か

太陽風は、測定される場所から地球に到達する時点までの間に大幅に変化する可能性がある。太陽風の速度や構造、磁場が変化するため、地球から遠く離れた場所で収集された観測データが、実際に地球に到達して相互作用する太陽風を完全に表しているわけではない。

すなわち、地球から遠く離れた場所で収集される極めて強力な太陽風の測定値は、実際に地球に到達する太陽風の強さを過大評価する可能性がある。その結果、ますます強力になる太陽風に対して地球の応答が頭打ちになってしまうかのように見える可能性がある。だが実は、地球に届く太陽風は最初の測定値が示したよりも弱くなっているのだ。

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翻訳=河原稔

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