2011年6月6日、アップルの世界開発者会議(WWDC)で発表されたiMessageは、iPhoneをSMSテキストメッセージへの依存から解き放ち、アップルにメッセージング領域での革新の道を開いた。同時に、それらのメッセージを通じて、自社コミュニティ内での緩やかな囲い込みを設計する手段ともなった。
本稿は、スマートフォン時代を形作った瞬間を振り返る連載「iPhoneの30日(30 Days of iPhone)」の第14日目である。
セキュリティ、暗号化、そしてiPhoneの「青い吹き出し」の起源
iPhoneの中核をなす柱の一つがiMessageであり、とりわけ暗号化されたメッセージだった。ユーザーデータの保護はiPhoneとiOSの各世代を追うごとに重要性を増しており、iOS 5のiMessageも例外ではなかった。アップルはこれによって、配信確認や相手が入力中であることを知らせるインジケーターなど、電子メールでよく見られる機能をメッセージングに拡張できるようになった。
先行するFaceTimeと同様に、iMessageはアップル製ハードウェア専用として登場した。とはいえ完全な囲い込みではなく、iPhoneはiMessage内でSMSの送受信も可能だった。アップルはメッセージの出所を視覚的に示す手がかりを用意した。青は安全なiPhone間のメッセージを、緑は平文で送られる140文字のSMSメッセージを意味した。この明確な色分けは、モバイルユーザーの間で瞬く間に強力な文化的シンボルとなった。
iPhoneエコシステムの構築とアップルの現代における市場支配
コミュニケーションを独自ソフトウェアに転化することで、アップルはユーザーが世代を超えてアップル製ハードウェアを使い続けたくなるエコシステムを作り上げ、周囲からの同調圧力を利用してコミュニティ全体をアップルの領域に引き込んだ。2011年に単なるメッセージング機能の刷新として始まったものは、今なおアップルの現代帝国を守る目に見えない壁であり続けている。



