新たなデータによると、アブダビのテーマパーク集積地ヤス島の来場者数は、2025年までの10年間で63%増加し、過去最高の4400万人に達した。シーワールドやワーナー・ブラザース・ワールドをはじめとする新施設の相次ぐ開業がこれを牽引した。
人工島に初めてオープンしたテーマパークであるフェラーリ・ワールドは2010年に開業し、世界最速の発進加速を誇るローラーコースター「フォーミュラ・ロッサ」によって、世界中のスリル愛好家の注目を一気に集めた。その3年後には、伝統的なスライダーとテーマパークのアトラクションを融合させた画期的なウォーターパーク「ヤス・ウォーターワールド」が続いた。ヤス島の世界水準のパーク群は同島を業界の巨人へと押し上げたが、その歩みは止まらず、ディズニーや『ハリー・ポッター』をテーマとしたアトラクションも今後開業予定である。
ただし、テーマパークは同島のアトラクションの一部にすぎない。島内には、マリーナ、アリーナ、370以上の店舗を擁する巨大ショッピングモール、豪華ホテル群、ビーチ、レースサーキット、世界最高を誇る屋内クライミングウォール「CLYMB」、さらにPGA欧州ツアーの一戦が開催されるゴルフコースまで揃っている。この多彩なアトラクションの組み合わせが、強力な魅力を放っている。
2016年、ヤス島の総来場者数は2700万人だったが、その2年後にワーナー・ブラザース・ワールドがオープンすると、その数は急増し始めた。
ヤス島が本格的に軌道に乗り始めた矢先にパンデミックが襲ったが、それでもこの目的地の成長は鈍らなかった。筆者の同僚が『デイリー・テレグラフ』紙で予測していた通り、2021年には世界初のワーナー・ブラザース・テーマホテル「ザ・WBアブダビ」が開業した。その2年後、ヤス島はシーワールド・アブダビの開業で過去最大の話題を呼んだ。同施設には、筆者が報じたように、世界最大のLEDスクリーンと、最先端のテーマパーク・アトラクションが設けられた。
2023年の来場者数は驚異の36.5%増となる3400万人に膨らみ、翌年もこの上昇傾向は続き、総数は3800万人に達した。それだけでは終わらなかった。
2025年、ヤス島は前年比15%増の来場者数を記録し、ホテルの平均客室稼働率は85%に達するという記録的な夏を迎えた。観光客は国内外から集まり、中国からは31%増、ロシアからは86%増、英国からは47%増となった。これは、『シティA.M.』紙で筆者が報じたように、ロンドンで実施されたヤス島初の広告キャンペーンが功を奏した一面もある。
これにより、2025年の総来場者数は4400万人に達した。ヤス島の訴求力はそれほど強く、中東が戦争のさなかにある今年も、来場者はゲートを通り続けている。
本誌のレポートで説明したように、紛争開始後すぐに、ヤス島を運営する政府系レジャー開発企業のミラル(Miral)は機を捉え、年間パスの販売を再開した。これは、地域を訪れる国際便の運休による損失を補い、国内の観光需要を喚起するためだった。
この見事な一手により、紛争のピーク時でもヤス島の各パークは多くの客で賑わうこととなった。実際、ヤス・ウォーターワールドが4月に新しいスライドタワーを開設した初日には、昼過ぎには定員に達するほど混雑した。翌月末の連休期間中には、各パークおよびCLYMBの来場者数は前年を32%上回り、敷地内のホテルは稼働率92%に達し、平均客室単価は347.99ドル(約5万円)(1278ディルハム)を記録した。
気温が華氏110度(摂氏約43度)を超える真夏であっても、ヤス島のホテルは依然として満室状態が続いた。実際、ミラルの先駆的な最高経営責任者(CEO)であるモハメド・アル・ザアビ氏は最近、CNNに対し、8月の管轄施設の平均客室稼働率は85%で、ザ・WBアブダビにいたっては92%に達したと語った。
筆者が報じたように、ミラルの成功の秘訣は、いっさいの妥協を排し、次なるアトラクションが既存のものを確実に上回るようにすることだ。この戦略により、ワーナー・ブラザース・ワールドは2023年に140万人の来場者を記録し、テーマエンターテインメント協会(TEA)の「グローバル・アトラクション来場者数レポート」に中東のテーマパークとして初めてランクインした。TEAの最新データによると、同パークの来場者数は2024年に160万人に増加し、180万人を記録したシーワールドに次ぐ第2位となった。
これらのテーマパークは同島にとって世界的な誘客装置として機能しており、住宅エリアに住民を、ひいてはショッピングモールに買い物客を、そしてビジネスパークに企業を呼び込んでいる。これらすべてがアブダビに新たな収入源をもたらし、富の基盤でありながらも枯渇しつつある化石燃料への依存から経済を多様化させることにつながっている。テーマパークが、2030年末までに3930万人の観光客誘致と17万8000人の雇用創出を目指すアブダビの「経済多様化戦略」の至宝と位置づけられている理由はここにある。完璧を絶え間なく追求するミラルは、この目標を達成するための魔法の方程式を見つけ出したようだ。



