マイクロソフトの株価は、この3カ月で約30%上昇した。7月の決算発表後の2営業日で19%急騰したことが大きく寄与している。ここまで上がったあとでは、現時点での新規購入は高値掴みのように思われる。とはいえ株価は1年前の水準をわずかに下回っており、この間にS&P500は約17%上昇している。1株500ドル前後という現在の株価には、マイクロソフトがまた自社の見通しを上回るという市場の期待が、すでに織り込まれている。
上昇後のマイクロソフト株は割高か、割安か
利益で測れば、株価は妥当な水準に見える。マイクロソフト株は過去1年の利益の約27倍で取引されており、過去3年の平均である約32倍を下回る。ただし、その分母となる利益は、少なくとも過去5年で最も高い約40%という純利益率で稼ぎ出されたものだ。利益率がこれだけ高い時期の27倍なら、割安とは言えない。妥当な評価水準にとどまると言える。
現金で測れば割高に見える。マイクロソフトは過去1年で設備投資に約1160億ドル(約18兆2000億円)を投じており、前年のほぼ2倍にあたる。本業で稼いだ現金から設備投資を差し引いて手元に残る「フリーキャッシュフロー」は、716億ドル(約11兆2000億円)から670億ドル(約10兆5000億円)へと減った。大まかな目安として言えば、時価総額およそ3兆6700億ドル(約576兆円)の会社が、この現金のおよそ55倍で値付けされていることになる。
この投資の目的は、マイクロソフトにまだ足りていないデータセンターの容量だ。Azureでは需要が供給能力を上回っており、2026年6月期第4四半期(2026年4〜6月)のAzureなどクラウドサービスの売上高は43%伸びた。経営陣は、2027年6月期第1四半期(2026年7〜9月)の設備投資が500億ドル(約7兆8500億円)を超えるとの見通しを示している。この数字には、データセンターのリースの一部が設備投資の計上から外れる影響が、すでに織り込まれている。
ウォール街は、マイクロソフトがまた自社予想を上回ると見ているのか
ウォール街は、マイクロソフトが自社の見通しを上回ると見込んでいる。マイクロソフトが2027年6月期第1四半期について示した売上高の見通しは、下限が898億5000万ドル(約14兆1000億円)、上限が909億5000万ドル(約14兆2800億円)である。市場予想はそのあいだの906億6000万ドル(約14兆2300億円)にあり、見通しを大きく上回る決算がすぐに出ることまでは織り込んでいない。そのかわりにいまの株価が前提にしているのは、マイクロソフトが目標レンジの一番上に届くところまで実行してみせることだ。



