製品

2026.09.21 22:52

スティーブ・ジョブズの遺産とiPhoneが切り拓いた未来

Adobe Stock

Adobe Stock

iPhone 4Sの発表から1日後、アップルのカリスマ的な共同創業者であり、長年CEOを務めたスティーブ・ジョブズが、膵臓がんとの闘病の末、56歳でこの世を去った。その死はアップルにとって転換点となり、世界で最も価値のある企業が成長を続けられるのか、多くの人が問いかけることになった。

スマートフォン時代を築いた瞬間を振り返る「iPhoneの30日(30 Days of iPhone)」。本稿はその13日目である。

スティーブ・ジョブズとiPhoneの第1幕

コンシューマーエレクトロニクス業界やビジネス界から寄せられた追悼の言葉は、世界各地のアップルストア周辺に設けられた仮設の追悼場所と並び、ジョブズが世界に与えた影響を物語っていた。スマートフォンは汎用品だったが、多くの人にとってiPhoneはライフスタイルであり、そのライフスタイルにおいてジョブズは父親のような存在だった。彼の導きなしに、アップルはここまで到達させたイノベーションをどのように持続させるのか。

アップルは喪に服す期間に入り、一時的に店舗を閉鎖し、従業員向けの非公開追悼式を開いた。従業員とジョブズの結びつきは極めて強かった。この深い悲しみを乗り越えて前に進むことは、2カ月前にアップルのCEOに就任したばかりのティム・クックにとって、大きな試練となるはずだった。

ティム・クックによるiPhone時代とアップルの戦略的転換

最高執行責任者(COO)として、クックはエンドツーエンドのサプライチェーン管理を含む、世界規模の販売とオペレーションを統括していた。戦略的なサプライヤーや販売代理店との関係は、すべてクックを経由していた。カリスマ的な天才CEO個人を模倣しようとするのではなく、クックはオペレーションの効率化に注力した

クックは、ジョブズがiPhoneで確立したハードウェアとソフトウェアの融合を維持しつつ、Apple WatchやAirPodsといったウェアラブル端末を製品ラインアップに加えた。これらの強力なアクセサリー群の存在により、ユーザーが他社製品に乗り換える理由はほとんどなくなった。さらに、ソフトウェアサービスの導入がアップルの収益を加速させ、iPhoneの成長と並ぶ新たな収益源となった。

スティーブ・ジョブズは、しかるべき時に現れた、アイデアを生み出すブレーンストーミングの人だった。ティム・クックはそのビジョンの上に徹底した効率性を積み上げ、アップルの企業としての軌道を21世紀の第2の10年へと向けていった。

これは「iPhoneの30日」第13回である。昨日は、Siriが実現できなかったAIの影響力と可能性について取り上げた。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事