気候・環境

2026.09.21 21:14

極寒の地に挑むMITリンカーン研究所の研究者たち

stock.adobe.com

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ここ数年、MITリンカーン研究所の関係者たちは毎年夏になると北へ向かっている。

直近では、今春に旅から戻ったチームが、さまざまな研究の継続に向けた取り組みについて報告した。その中には北極海氷棚地域の状態を対象としたもの、そして低コストのセンサーを用いてアクセスが困難なこの地域で何が起きているのかを把握するプロジェクトなどが含まれる。

ほんの数週間前にリンカーン研究所のウェブサイトに掲載されたアリアナ・ゲインズによる記事は印象的だった。

「北極海の下には、自然界と人間の作曲家が奏でるオーケストラがある。海氷の割れる音や、シロイルカの鳴き声、そして輸送船のエンジンのうなり音まで」とゲインズは書いている。「MITリンカーン研究所の研究者たちは、2024年に米海軍のオペレーション・アイス・キャンプ(OIC)中に統合・展開した市販のセンサーからのデータを分析し、この不協和音の一部を目にした。今年3月のOIC 2026では、研究者たちは、海氷の振動を検知するセンサーの1つであるジオフォンの高精度版を携え、再び北極を訪れた」

氷に耳を澄ます

ゲインズは、氷が割れる際の「音響シグネチャー」が監視にどのように役立つかを記録している。そこには、米国が「敵対国」と分類する国々による国際的な活動を把握することも含まれる。

念のため付言すると、米国政府もまた現地に展開している。フォート・ウェインライトには米陸軍第311軍事情報大隊が通年で対情報活動の拠点を維持している。しかしMITのプログラムは、生態系への影響の可能性をより明確に示すことなど、さまざまな面で有益だ。

プロジェクトの中心人物の1人であるデービッド・ウィーリハンは、2025年のインタビューで次のように説明している。

「北極圏は約550万平方マイルにおよぶ広大な地域で、その顕著な特徴の1つは、北極海の大部分を覆う氷の体積が年々減少していることだ」とウィーリハンは述べた。「氷が融けることで、これまで通行不可能だった地域が開かれ、軍事作戦、商業海運、天然資源採掘といった活動に対する潜在的な敵対国および同盟国双方からの関心が高まっている。米国はアラスカを通じて約1060マイルの北極沿岸を有しており、氷の減少により、その地域へのアクセス性が大幅に高まっている。したがって、北極における米国の活動は国家安全保障上の課題だ」

極寒の地における課題

ウィーリハンは、北極への旅で探検家たちが対処しなければならない事柄についても率直に語った。

「北極圏は極めて過酷な環境だ。寒さがバッテリー寿命を著しく縮めるため、長期間にわたって高頻度でセンサーデータを収集することは非常に難しい。氷は動的で、センサーを容易に飲み込んだり押し潰したりする」

さらに、北極の気候は概して人間に適しておらず、探検家たちは体温を保つだけで多くのカロリーを消費するため、より多く食事をとる必要があり、「氷上に立つこと」自体が課題だとウィーリハンは述べた。

「技術的な制約の1つは、人間の生命を維持しながらセンサーを展開する方法だ」と彼は指摘した。

冬の猛威

今年の遠征は特に困難だったと、ゲインズは最新の報告記事で明かしている。

「気温は絶えず華氏マイナス25度(摂氏マイナス32度)まで急降下し、風速は時速25〜30マイル(時速40〜48キロメートル)、突風は時速40マイル(時速64キロメートル)に達した」とゲインズは書いている。また、「立て続けの」ブリザードやホワイトアウトが複数回発生したことにも言及している。「チームは……氷上での作業を2回行う予定だった。1回目はセンサーの展開、2回目は数週間後の回収だったが、天候はそれを許さなかった。最初のキャンプ入りは、吹雪により発着便がすべて停止したため、1週間遅れた」

報告にはさらに詳しい記録がある。勇敢なメンバーの一部が、磁場を用いる新たな手法を支援するため、磁気誘導送信機を設置すべく氷に穴を開けた経緯などである。

ただし、すべてが厳しい作業だったわけではない。どうやら、楽しみや遊びの時間もあったようだ。

「4月中旬に1週間、ウトキアグヴィクに滞在した際、彼らは週末に開催された毎年恒例の春祭り『ピウラアギアクタ』に参加し、銛投げコンテストを観戦したり、子どもたちのスノーモービルレースの監督を務めたりした」とゲインズは書いている。「また、地元の中学校の8年生たちと北極圏での研究開発について語り合い、ソナー(音波探知機)の概念を教えるゲームを行った」

「北極コミュニティとつながることは、私たちの仕事の重要な側面だ」と、チームメンバーの1人であるベン・エバンスは語っている。「ここに来るたびに、思いがけない人と出会い、その仕事について学び、どうすれば協働できるかを考える」

MITの卒業生として、私は彼らを誇りに思う。氷点下の気温やその他あらゆる困難の中へと繰り返し足を踏み入れ、生物圏の先行指標として機能する氷の地域で実際に何が起きているかを我々に伝え続けてくれる彼らの姿を読みながら、そう感じるのだ。続報に注目したい。

forbes.com 原文

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