9銘柄の事業内容と割安とみる理由を個別に確認
以下では、9銘柄について、株価、PBR、PER、過去3年の平均PER、EPSが増加した連続四半期数を確認した上で、それぞれの事業内容と、割安株として有力な選択肢とみる理由を順に見ていく。株価が低く評価されている背景だけでなく、利益成長、財務、配当、自社株買い、事業再編など、各社の株価回復や成長を支える材料も確認する。
(1)フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)
事業概要
・株価:37.76ドル
・PBR:1.2倍
・PER:5.9倍
・過去3年の平均PER:97.8倍
・EPSが増加した連続四半期数:4
フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズは、銀行や信用組合、資本市場関連企業に金融テクノロジーを提供する。融資の組成、規制順守、決済、組み込み型金融などのプラットフォームを手掛ける。
FISが有力な選択肢である理由
FIS株は過去1年で約43%下落した。業務執行上の問題や業績見通しの下方修正、銀行向けテクノロジー需要の弱さが投資家に嫌気された。
需要環境が回復し、同社のAIツールが顧客に受け入れられれば、9月15日時点の株価は魅力的な投資機会になり得る。年間営業キャッシュフローは約30億ドル(約4740億円)に達する。
コミュニティーバンクや地方銀行との契約獲得も発表しており、需要の勢いを示している。加盟店向け事業を売却し、金融テクノロジーに集中する形で事業も簡素化した。
FISの配当利回りは4.7%と高く、配当性向は27%に抑えられている。
(2)UMBフィナンシャル(UMBF)
事業概要
・株価:138.56ドル
・PBR:1.4倍
・PER:11.7倍
・過去3年の平均PER:12.5倍
・EPSが増加した連続四半期数:5
UMBフィナンシャルは米中西部とカリフォルニア州に支店を展開する地方銀行だ。個人や企業に従来型の銀行サービスを提供する他、機関投資家向けの資産管理サービスも手掛ける。
UMBFが有力な選択肢である理由
UMBF株は過去1年で約16%上昇し、上げ幅の大半は直近6カ月に集中した。アナリストによる目標株価の引き上げが、先行きへの楽観を支えた。それでもPERは過去3年平均を下回っている。
UMBフィナンシャルの評価を支えるのは、保守的な融資規律、潤沢な流動性、カストディー・信託事業から得る手数料収入を含む収益構成だ。
配当利回りは1.4%となっている。
(3)アクシス・キャピタル・ホールディングス(AXS)
事業概要
・株価:99.82ドル
・PBR:1.2倍
・PER:7.1倍
・過去3年の平均PER:9.1倍
・EPSが増加した連続四半期数:5
アクシス・キャピタルは、バミューダや米国を含む世界各地で特殊保険と再保険を提供する。取扱商品には、過失・不作為、経営者賠償責任、専門職業人賠償責任、海上貨物などの保険がある。
AXSが有力な選択肢である理由
AXS株は過去1年で1%未満の上昇にとどまった。第2四半期決算が市場予想を下回ったことが重荷になった。正味収入保険料への圧力、損失費用の増加、投資収益の減少が影響した。
経営陣は新規契約を選別し、価格設定とリスク環境がより有利な分野に注力する方針を示している。アクシス・キャピタルを含む特殊保険会社には相応の損失リスクがあるものの、部門ごとの逆風に応じて経営陣が方針を調整できる点は好材料だ。
AMベストの「A」とS&Pの「A+」という格付けも、バリュー投資家に評価されている。
配当利回りは1.8%で、自社株買いも積極的に実施している。


