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2026.09.20 21:02

IPOの活況期が残した最大の教訓:それでも「忍耐」は報われる

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大型IPOの誕生に沸いた時期を経て、注目企業の新規上場の波はまだ始まったばかりだ。その波に伴い、関心は高まり、多くのヘッドラインがメディアを賑わせている。読者の中には「自分も参入すべきだろうか」と自問している人もいるかもしれない。

アンソロピック(Anthropic)やOpenAI、Canva(キャンバ)といった企業、そしてそれらがもたらすイノベーションが刺激的であることは間違いない。しかしだからといって、ポートフォリオを劇的に変更したり、これらを中心にポートフォリオを構築したりすることが合理的だとは限らない。IPOブームの際、投資家が最も陥りやすい過ちの一つは、取り残されることへの恐怖(FOMO)に屈し、より広範なポートフォリオの一部として検討するのではなく、話題の個別銘柄を追いかけてしまうことだ。

独自の顔ぶれで復活したIPO市場

IPOのサイクルには、それぞれを象徴する企業が存在する。ドットコム時代、投資家はインターネットのスタートアップ企業に殺到した。2010年代には、ウーバー(Uber)やリフト(Lyft)、スナップ(Snap)といった企業が世間の関心を集めた。

そして現在、注目されているのはAIのリーディングカンパニーや、長年にわたりスポットライトを浴びてきた未公開企業だ。これらは、投資家がニュース報道や日常的な製品の使用を通じて、以前から注目してきた企業である。株式が購入可能になる頃には、多くの人がその事業をすでに熟知しているような感覚に陥っているかもしれない。

これらの企業は成熟し、広く浸透しており、AIによる経済変革の中心に位置している。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)による最新の個人投資家調査の一つでは、過去6カ月間で、未公開企業が上場する前に投資機会を得ることへの関心が高まったと75%が回答した

このような「親しみやすさ」は、興味深いダイナミクスを生み出す。企業が株式公開にいたるまでに、投資家はすでにその将来について強い意見を持っている。バリュエーション(企業価値評価)やポートフォリオへの適合性、あるいは保有している既存の投資資産との兼ね合いで果たすべき役割を検討する前に、楽観論が投資判断の根拠になってしまうことがあるのだ。

スペースX(SpaceX)は、世界で最も期待されている企業であっても、上場後に株価が一本調子で上昇するわけではないことを教えてくれた。同社の株価は、記録的なIPOの直後に急騰したものの、数週間のうちに135ドル(約2万円)の公開価格付近まで下落し、最終的にはそれを下回った(有料記事)。これは、どれほど期待された新規上場であっても、激しい変動を経験し得るという教訓だ。上場後の最初の数週間で、同社の事業のファンダメンタルズ(基礎的条件)が変わったわけではない。変わったのは、投資家の期待だったのだ。

自分がすでに何を保有しているかを理解する

多くの投資家は、この新世代の上場企業を突き動かしている原動力に対して、すでに分散された形でエクスポージャーを持っている。時間の経過とともに、イノベーションはさまざまな形でポートフォリオに組み込まれていく。しばしば投資家が気づく前にそうなっているのだ。

新規上場企業が魅力的に映るのは、まさに強力な投資テーマを象徴しているからかもしれない。しかし、そのテーマの恩恵を享受するために、必ずしもその個別企業を保有する必要はない。幅広く分散されたポートフォリオは、市場を形成する多くの業界、テクノロジー、経済トレンドへのエクスポージャーをすでに提供している。また、新たなIPO銘柄を追加することは、すでに保有しているエクスポージャーを過剰に増やすことにもなりかねない。

あなたはすでに、401(k)(確定拠出年金)や職場での退職年金制度、市場全体に連動するインデックスファンド、ターゲット・デート・ファンド(目標設定日管理型ファンド)、あるいはすでに保有している関連企業を通じて、直接的または間接的に投資している可能性がある。これには、公益事業(AIは膨大な電力を消費する)や、AIインフラの構築に注力している既存の上場企業(メタ、オラクル、グーグルなど)といったカテゴリーが含まれる。

また、上場前の未公開企業について、適切に分散された投資先へ安全にアクセスすることは困難であることも覚えておく必要がある。企業がひとたび上場すれば、取引所やインデックス、ファンドに組み込まれるため、かなり早い段階でその株式を保有することになる可能性が高い。

より重要な問いは、単に「これは素晴らしい会社か」ということではない。その投資がポートフォリオの中でどのような役割を果たすのか、どの程度の規模で保有するのか、その原資を確保するために何を売却するのか、それによってテクノロジーやグロース株、あるいは特定の業界へのエクスポージャーがどう変化するのか、そして、その株価が急落した場合に全体的なリスクがどうなるのかを考慮すべきだ。

魅力的な企業であっても、自身の全体的な投資アプローチに合致していなかったり、個人の目標達成に資する投資になっていなかったりすれば、不適切な投資になり得る。

最善の投資判断に焦りは禁物

興奮の渦中にいると、「忍耐」が機会損失のように感じられることがある。誰もが特定の企業について話しているとき、それを保有しないこと自体が重大な決断のように思えてくる。投資家は、次の変革をもたらす企業を他人に先駆けて手に入れる機会を逃してしまうのではないかと不安になるのだ。

しかし、「何もしないこと」が完全に合理的な投資判断であるケースは多い。長期的な経済成長の恩恵を受けるために、すべての成功企業を保有する必要はない。また、資産を築くために、未来の勝者をあらかじめ特定しておく必要もないのだ。

自問してみるとよい。「もしこのIPOがヘッドラインを独占していなくても、自分は同じ決断を下すだろうか」と。

もし答えが「イエス」であれば、その決断はモメンタム(勢い)ではなく、ファンダメンタルズに基づいている可能性が高い。もし上場を巡る熱狂が判断を後押ししているのであれば、ポートフォリオを変更する前に一度立ち止まってみる価値がある。

そして、ある企業の株式がファンダメンタルズの観点から非常に魅力的であったとしても、特定のタイミングで1社に賭けるよりも、他の投資資産や長期的な目標とのバランスを考慮して適切な規模で保有する方が、はるかに効果的だと我々は考えている。

イノベーションを客観的に捉える

イノベーションは常に、市場における最大の長期的原動力の一つであり続けてきた。AIは新規企業や最大手企業だけでなく、非常に多くの企業を変革しつつある。新世代の上場企業が、今後経済を大きく方向づけることはほぼ間違いない。

その一部は、長期的に卓越した投資先となるかもしれない。しかし、別の一部は、上場前に形成された高い期待に応えられない可能性もある。こうした側面は、ヘッドラインの影に隠れて見失われがちだ。

どの上場企業が次の10年を牽引するかを、上場初日に見極められる個人はまずいない。規律ある忍耐強い投資プロセスを実践することで、FOMOに判断を支配されることなく、イノベーションの恩恵を受ける余地が生まれるのだ。

本記事で提供される情報は、投資、税務、または財務に関する助言ではない。個別の状況に関する助言については、資格を有する専門家に相談すべきである。

forbes.com 原文

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