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2026.09.20 11:49

iPhoneの「誤った持ち方」、アップルに1億7500万ドル(約276億円)の代償

stock.adobe.com

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iPhoneには、今も人々の記憶に残り、ミームとなっているフレーズがいくつかある。14年前、スティーブ・ジョブズは後世に残る名言を私たちに提示した。それが「君たちの持ち方が悪い(You’re holding it wrong)」だ。

これは「30 Days of iPhone(iPhoneの30日)」の9日目。スマートフォン時代を形作った決定的な瞬間を振り返る

なぜiPhone 4は圏外になり、通話が切れたのか

iPhone 4の発売後、本体を左手で持つと電波状況が悪化し、通話が切断されるという報告がユーザーから相次いだ。iPhone 4の新しいアンテナ設計(スマートフォンの外周にステンレススチールを巻き付ける方式)は、ユーザーの手によってアンテナの隙間(スリット)が塞がれると受信効率が低下するもので、特に左手で持った場合に最も問題が発生しやすかった。

ジョブズが公の場でこの問題をにべもなく否定したことは、消費者の怒りを静める役には立たなかった。競合他社のスマートフォンでも同様の問題が発生していることを示すデータをアップルが公開しても、状況は変わらなかった。

「彼らは何かしらの手を打つ必要があった」と、当時Gartner(ガートナー)のリサーチバイスプレジデントを務めていたヴァン・ベイカーは当時、BBCニュースに語っている。「騒ぎは大きくなる一方で、証拠も次々と積み上がっていた。無視し続けることは到底不可能だった」

不本意ながらも、高額なiPhone 4の謝罪対応に追い込まれたアップル

急遽開催された記者会見で、ジョブズは説明を行った上で、解決策を提示した。「私たちは完璧ではない。携帯電話も完璧ではない。だが、私たちはすべてのユーザーに満足してもらいたいと思っている」

そして彼は、すべてのiPhone 4購入者に対し、フレームを覆ってスチールバンドを絶縁するシリコン製の保護ケース「Bumper(バンパー)」を無料で提供すると発表した。また、アップルはiOSにおける電波強度の表示方法を修正し、それでも満足しない顧客に対しては全額返金に応じた。アップルが支払った代償は、無料配布したバンパーの費用として繰り延べられた1億7500万ドル(約276億円)に上る。

「アンテナゲート」は、ソーシャルメディアの素早い反応がいかに瞬時に襲いかかり、たった一言の何気ない発言から長期にわたるミームを作り上げてしまうかを示す、高くついた教訓となった。この騒動がリアルタイムで拡散していく様子は、アップルが持つカリスマ的なオーラをもってしても、同社が決して無敵ではないことを証明した。

forbes.com 原文

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