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2026.09.23 11:00

グーグルGeminiが「3企業に侵入」、AI時代の安全管理と投資機会を検証する

gguy - stock.adobe.com

AIエージェント普及で企業支出が向かうID管理・行動監視の新市場

Geminiの事例からまず考えられるのは、AIを使ったハッキングの拡大によってサイバーセキュリティー需要が増えるという投資テーマだ。だが、すべてのサイバーセキュリティー企業が同じように恩恵を受けるわけではなく、すべての関連株が魅力的な水準で取引されているわけでもない。重要なのは、AIエージェントが企業業務へ組み込まれたとき、企業がどこへの支出を迫られるかである。

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AIエージェントを安全に使うには、エージェントごとにIDを割り当て、アクセス権限を明確にする必要がある。企業は、どのシステムへ接続できるか、どの情報を読めるか、何を変更できるか、どの段階で人の承認が必要かを定めなければならない。実行履歴を記録し、異常な行動を検知し、ミスが広がる前にアクセス権を取り消す仕組みも必要だ。

Oktaなどセキュリティー各社がAIエージェント需要を収益化する条件

IDセキュリティー、つまり利用者やAIエージェントごとにIDとアクセス権を管理する分野は、特に注目すべき位置にある。Oktaは、従業員や消費者のIDを認証・管理する従来事業から対象を広げ、AIエージェントなど人間以外の主体に割り当てるIDを管理する機能を開発している。四半期売上高は前年同期比11%増の8億500万ドル(約1272億円)となり、Oktaは通期見通しを引き上げた。

四半期売上高11%増という数字だけでは、投資判断の根拠として十分ではない。AIエージェント向けセキュリティー製品の売上高の伸びが強まれば、企業の懸念が実際の支出へ変わっていることを示す材料になる。

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クラウドストライクとパロアルトネットワークスも、AIエージェント向け安全管理の需要を取り込める位置にいる。パロアルトネットワークスはネットワーク、クラウド環境、ID、セキュリティー運用を対象にし、クラウドストライクは端末、クラウド上で動く処理、IDを横断して活動を把握する。

パロアルトネットワークスの次世代セキュリティー年間経常収益(NGS ARR)は約91億ドル(約1兆4378億円)に達したが、買収した事業も成長に大きく寄与した。クラウドストライクの四半期売上高は約26%増の14億7000万ドル(約2323億円)、年間経常収益は58億4000万ドル(約9227億円)だった。

投資家は各社をひとまとめに「AIの勝者」とみなすのではなく、顧客のIT基盤のどこまでAIエージェントの活動を把握し、実用性を損なわずに停止できるかを見るべきだ。買収に頼らない既存事業の需要と、買収で加わった売上高を分け、将来の成長が株価にどこまで織り込まれているかも検討する必要がある。優れた事業でも、何年もの成功を前提にした株価であれば、自動的に優れた投資対象になるわけではない。

AI開発と安全管理の両市場を押さえるアルファベットの事業構造

アルファベットは、AIエージェントを開発し、それが動くクラウド基盤を提供する事業と、AIエージェントを安全に管理するセキュリティー事業を同時に手がけている。傘下のグーグルはAIエージェントとクラウド基盤を提供し、セキュリティー製品も拡充している。クラウドセキュリティー企業Wizを320億ドル(約5兆560億円)で買収したことは、大企業がAIエージェントを受け入れるために必要な安全管理基盤を整える動きとの結び付きが強まって見える。

Geminiの事例は、アルファベット傘下のグーグルが、最小限の人間の関与で実在システムを対象にサイバー作業を進められるモデルを持つことの証拠でもある。この能力には商業的価値がある。顧客が機密性の高いシステムでAIエージェントを使う条件として、より厳しい試験、監視、保険加入、人による監督を求めれば、導入の障害にもなり得る。アルファベットは、生産性向上と安全管理を一体で販売しつつ、導入費用や制限を増やしすぎて顧客が採用を見送る事態を避ける必要がある。

次ページ > AIセキュリティーを投資テーマから実際の収益成長へ変える条件

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