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2026.09.19 23:27

AIの導入が進むなかで低下する「信頼」 カスタマーサービスへの影響とは

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AIの導入が進む一方で、顧客の信頼は低下している。当社の「2026年 AIカスタマーサービス意識レポート」では、調査対象となった消費者の57%が、カスタマーサービスにおけるやり取りで企業が主にAIを使用している場合、その企業への信頼度が下がると回答した。これは、わずか1年前の53%から上昇している。企業への警鐘は明確だ。顧客体験(CX)を自動化する競争のなかで、多くの企業が、長期的な成長の原動力である「人と人とのつながりに支えられた顧客ロイヤルティ」そのものを損なっている可能性がある。

顧客が発している明確なシグナル

人生の大きな節目を思い浮かべてほしい。家を買うとき、子どもが生まれたとき、大切な人のために介護施設を選ぶとき。こうした場面で違いを生むのは、周りにいる人たちだ。弁護士、医師、介護施設のスタッフ。あなたの名前を覚え、その場の空気を読み、安心感を与えてくれる人たちである。重大な局面において、信頼は人による安心感、責任、判断を通じて築かれる。

人が人生に関わる大きな決断を下すとき、人と人とのつながりは「あなたは大切な存在です」というメッセージを伝える。別の言い方をすれば、大切な人が重要な瞬間にAIシステムへ回されることを望まないなら、なぜ自分の顧客にそのような体験をさせたいと思うだろうか。

これを裏付けるデータもある。顧客ロイヤルティについて尋ねたところ、当社が調査した消費者の73%が、サービス対応に実際の人間を雇用している企業に対してより高いロイヤルティを感じると回答した。昨年の69%から上昇している。信頼とロイヤルティは足並みをそろえて動いており、どちらも同じことを示している。いま人と人とのつながりに投資する企業は、長期的に成功し、際立つ存在になるということだ。

人は「聞いてもらえた」と感じたい

AIが応答すると、顧客は「耳を傾けてもらえた」ではなく「処理された」と感じる。そのため、信頼とロイヤルティを育むことは難しくなる。ブランドにお金を払い、投資し、関わろうとしている意欲ある顧客は、大切にされていると感じるに値する。しかし、AIを前面に出したサービスモデルは、そうした顧客を処理すべき取引として扱ってしまう。

注文状況の確認やパスワードの再設定といった定型的な作業では、多くの顧客がスピードと利便性を評価し、自動化された体験を気にしないこともある。しかし、やり取りに判断、安心感、問題解決が求められる場合、人々は依然として人間を求めている。

そして、人間に近い声、人間のように入力するチャットボット、名前を持つAIエージェントなど、AIを人間らしく装おうとする企業は、さらに多くの顧客を遠ざけている。実際、当社の調査では、回答者の85%が、顧客が人間ではなくAIとやり取りしている場合、企業はそれを明確に示すべきだと考えていることがわかった。顧客が求めているのは人間だけではない。自分が何と話しているのかについての誠実さである。ほとんどの顧客にとって、透明性は基本的な期待値だ。

効率化の罠

企業はカスタマーサービスを最適化すべきコストセンターとして扱いがちだが、顧客はそれを信頼の拠点として経験している。だからといって、企業が悪意を持ってAIを導入していると言いたいわけではない。AIは実際に業務を変革しており、そのビジネス上の合理性も本物だ。間接費の削減、病欠のない対応、定型的な問い合わせの迅速な解決。より少ないリソースでより多くを実現するよう迫られているリーダーにとって、AIを最前線に置くことは明らかな勝利に見えるかもしれない。しかし、コスト削減がAI導入の主な動機であるなら、顧客の信頼を損なうことによる長期的な代償に注意すべきだ。信頼とロイヤルティは曖昧な指標ではない。収益に直結するものだ。効率と体験は、相反するものではなく、別個のものとして扱うべきである。

リーダーが次にすべきこと

顧客の信頼を強化することは、AIを避けることを意味しない。どこにAIを導入するかを慎重に選ぶべきだということだ。いくつかのポイントを挙げる。

チャットボットを使うなら、透明性を確保する。

ボットを人間のように感じさせようとするのはやめるべきだ。それが何であるか、そして実際の人間にどうすれば正確につながれるのかを、率直に示すことだ。尊重されていると感じる顧客は、だまされたと感じる顧客よりもはるかに寛容である。

AIは表舞台ではなく、舞台裏で使う。

AIは定型業務、プロセスの円滑な運用、データ分析に優れている。しかし顧客とのやり取り、とりわけ重大な局面でのやり取りは、ブランドを定義する瞬間だ。そこには、人間にしか提供できない共感と判断が求められる。

信頼を重要指標として扱う。

解決時間だけでは、顧客が大切にされていると感じているかどうかはわからない。感情、サービスチャネル別のロイヤルティ、カスタマーエフォートスコアを追跡すべきだ。これにより、顧客がブランドをどう感じているのか、どのコミュニケーション手段を好むのか、顧客体験がどれほど円滑かが見えてくる。信頼は測定されて初めて管理され、改善される。

信頼は、事業がその上に成り立つインフラである。顧客の信頼は多くの場合、徐々に、静かに損なわれ、すでに取り戻すのが難しくなってから初めて気づかれる。AI時代に勝つ企業は、最も多くを自動化する企業ではない。自動化がどこで終わり、人と人とのつながりがどこから始まるかを理解している企業である。

forbes.com 原文

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