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2015.12.13

インドの新興企業:活気あふれるUnder 25 Clubへようこそ

wong yu liang / Shutterstock

新しいアイディアが浮かび、ベンチャー事業としてそれをまとめられることになった時、行動を起こすのがインドの若さなのだとしたら、さらなる一歩を踏み出したいと真剣に考える25歳以下の若者が、ネットワークを構築するのは当然の流れだ。進取的な2人の若者が大学時代に設立したUnder 25 Clubからビジネスを立ち上げた時に取った行動が、まさにそれだ。

「我々は常に何かを始めたいと考えていたが、いつも年齢が足かせになっていた」と、インドのバンガロールを拠点とするUnder 25 Club設立者の1人、Shreyans Jain氏は語る。「これは、『彼は真剣に考えているわけではない』、もしくは『こんなことは長続きしない』と発言する人の問題なのだが、我々はこの認識を変えたかった」と、Jain氏は述べている。

2013年、Jain氏と、その共同設立者のAnto Philip氏は、在バンガロールのChrist大学の1年生だった頃思い付いたアイディアを実行するため立ち上がった。Jain氏は経営学を、Philip氏は商業学を学んでいた。

「年齢はまだ若いけれど、自分の手で何かを成し遂げたいと考える若者からは、気忙しく、活気があり、形式的なところが全くない、という言葉が連想される。我々はそんな人に、異なる2つの世界にはそれぞれの長所があると、またそれは悪いことではないということを示したかった」とJain氏は言う。

インドは、スタートアップ生態系(スタートアップ企業を成長に導くための産学官連携システム)の中でも世界一スピード感のあるシステムを備えており、その本拠地であると考えられている。インドの人口の5割は25歳未満だ。

同じ志を持ち、起業家精神旺盛な人材を結びつける方法を模索する若者のためのプラットフォームを構築するに当たり、Jain、Philip両氏はバンガロールだけではなく、インド全域から活気ある反応を得ることが出来たと感じた。

その立ち上げに成功し、両氏は2014年に初のUnder 25 サミットを開催することを決意した。

初年度のUnder 25 サミットは数百人の参加者を迎え、翌2015年には、このイベントを直接見て肌で感じたいと、1,200 名以上がバンガロールのワールドトレードセンターに詰め掛けた。2016年1月9日-10日に開催予定の次回Under 25 サミットも、来場者の大幅な伸びを見込んでいる。

またイベントにやって来るのは、強い影響力を持つ若者だ。前回は、テクノロジーを駆使し、学生の試験勉強に役立つ画期的な学習アプリ「Examify」を開発し、「印フォーブス2013最も競争力のある30歳以下の30人」に挙げられたAngad Nadkarni氏(20歳)も参加した。

昨年は、インドの最年少プログラマーで、GoDimensions のCEO、 Sanjay Kumaran君(14歳)も、10歳の若さで同社のCEOに就任した弟のShravan君 と共に、Google PlayとApple App Storeから入手出来る11種の超人気アプリの開発について、自身の経験談を参加者に披露した。

「現在このサミットは食品、音楽、テクノロジー、デザイン、年少企業家の5つの分野で展開しており、全ての会合は若者の祭典のような、活気ある雰囲気で行われている。情報満載で、色彩豊かなイベントだ」とJain氏は話す。起業家精神旺盛な若者の話を期待すること出来る。

ハイテク分野で名高いバンガロールの中心地で開催される次回のサミットの呼び物の一つは、「tech-hackathon(テック・ハッカソン)」と呼ばれる、若手プログラマーたちによる新製品制作や既成概念を打ち破る画期的なソリューション開発で、24時間ぶっ通しで行われる。インド全土の参加希望者から既に数百のアプリが寄せられているという。

Jain氏は、女性起業家向けの特別な内容を提案されたことは全くないと話す。若年層の労働環境において、男女のバランスは自然的秩序の機能的役割だと考えている。女性の存在は男女平等の象徴だと、氏は語る。

若い年齢層が高い割合を占めるインドの人口動態を世界中が羨ましく思っているが、その若年層に対し、どうやってアピールするかという議論がマーケティング戦略の企画書に多く書かれている。JainとPhilipは、そのような理由で専業事業主としてUnder 25 clubやサミットに加わることを愚の骨頂としている。

そして自分の子どもがスニーカーで未知の領域に侵入し、新規事業に飛び乗ろうとしていると悩む、インド全土の親たちに心配無用と記しておく。現在活躍している若年起業家の母親が、25歳未満の起業家などという「不良」になりたいと我が子が決意してからの心理プロセスを披露する、支援討論会のようなものも予定していると、Jain氏は話している。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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