経済

2026.09.19 22:06

経済の不確実性がもたらす「辞められない不満社員」の増加。それは全員にとって深刻なコストに

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多くの従業員は、日々の生活費を賄うのに十分な収入を得られていないのではないかと懸念している。その結果として生じる不満は、現時点では生産性の低下という形で、また労働市場が緩和した際には高い離職率という形で、企業に損失をもたらす可能性がある。

1000人以上の労働者を対象とした「2026年モンスター生活費レポート」によると、労働者の93%が、自身の給与が物価上昇に追いついていないと回答している。さらに、インフレに伴う昇給を受けたと答えた人はわずか7%で、2025年の9%、2024年の11%から減少した。一方、プルデンシャルが760の雇用主と3096人のフルタイム従業員を対象に実施した2026年の「Benefits & Beyond(福利厚生とその先)」調査では、従業員の66%が生活費の上昇を報告し、68%が過去1年間に経済的ストレスを経験したと回答している。

労働市場の停滞が、不満を抱く従業員の引き留め要因に

プルデンシャルの調査では、従業員の82%が今後2年間は現在の雇用主のもとにとどまる見込みだと回答したが、これは従業員エンゲージメントの強さを示す指標とは限らない。同調査が指摘するように、従業員の47%が経済的不確実性の高まりを経験しているなか、従業員の定着は「エンゲージメントではなく、労働市場の不確実性によって生じている可能性がある」からだ。

ギャラップの新たなデータも、この仮説を裏づけている。フルタイムおよびパートタイムの労働者2万2368人を対象にしたギャラップの最近の職場調査では、求職者の44%が、現在の仕事への不満を理由に仕事を探していると回答した。別の設問では、労働者の43%が、離職するのは困難またはコストがかかりすぎることを主な理由として現在の職にとどまっていると答えている。さらに、ギャラップがこの指標の追跡を開始して以来初めて、自分の生活を「順調」ではなく「苦しい」と評価する労働者の割合が上回った(それぞれ49%と46%)。

従業員はまた、転職がより難しくなっているとも感じている。モンスターのレポートによれば、企業がコスト削減を進めるなか、労働者の58%が仕事を見つけることが以前より難しくなったと回答しており、プルデンシャルの調査対象となった従業員の約50%も、今新しい仕事を得るのは難しいと感じている。加えて、雇用主の採用は減っており、転職したい労働者にとって機会は少なくなっている。米労働統計局のデータによると、2026年7月の採用数は約505万人で、6月の533万人から減少した。実際、モンスターは、労働者の74%がより高い給与の仕事を探している一方で、新たな職を確保して受諾した人はわずか3%にとどまると指摘している。

ギャラップが指摘するように、不満を抱える従業員は通常、離職することでその不満を解消する。しかし、その離職が滞ると、不満を抱えた従業員がとどまり続けることで、社内に不満が蓄積しかねない。ギャラップはこれを「生産性、士気、文化に対する、より静かだがより持続的な足かせ」と呼ぶ。雇用主にとって、これは急速に大きく、コストのかかる問題となり得る。

エンゲージメント低下と離職が組織にもたらす損失

従業員の不満に続いて生じがちなエンゲージメントの低下は、組織に多大なコストをもたらす可能性がある。予防医学の学術誌『American Journal of Preventive Medicine』に掲載された研究論文「従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)が雇用主にもたらす健康面および経済的負担」によると、従業員のエンゲージメント低下、過度な負担、非効率性、そしてバーンアウトによる1年間の損失は、非管理職の時給労働者1人あたり約3999ドル(約63万円)、非管理職の月給労働者1人あたり4257ドル(約67万円)、管理者1人あたり1万824ドル(約171万円)、そして役員1人あたり2万683ドル(約327万円)にのぼるという。

また、実際に離職が発生した場合にもコストがかかる。フルタイムおよびパートタイムの労働者1万9836人を対象とした、ギャラップの別の2024年の調査によると、従業員を補充するためのコストは役職が高くなるほど上昇し、現場の労働者では給与の約40%、技術専門職では80%、リーダーや管理者では約200%に達する。つまり、従業員が留まろうが去ろうが、不満は大きなコスト要因になり得るのだ。

コストが膨らむ前に従業員の不満に対処する方法

逼迫した労働市場は、従業員が実際に離職するまでの猶予を雇用主に与えるかもしれないが、それが従業員の不満や離職からの免罪符となるわけではない。不満が社内で膨らみ蔓延する前に早期に対処するほうが、問題を放置して後に代替要員を採用するよりもコストがかからない。研究データは、まず着手すべきいくつかのポイントを示している。

何よりもまず、資金力のある雇用主は、従業員が転職活動を始める前に給与体系を見直すべきである。モンスターのレポートによると、労働者の約67%が、雇用主が取るべき最も重要な施策として「昇給」を挙げており、これはボーナスや柔軟な働き方、福利厚生の拡充を上回っている。他の施策にも価値はあるが、モンスターが示唆するように、日々のコスト圧力に直面している労働者は、直接的な報酬を最も即効性のある救済策と捉える傾向がある。

また、提供している福利厚生について、従業員への伝え方を再考することも必要だ。プルデンシャルの調査結果によると、従業員の29%が医療費の支払いに苦労していると報告し、71%が過去1年間で医療費が5%以上増加したと回答している。それにもかかわらず、雇用主の75%は従業員のために上昇する医療費をうまく管理できていると考えているが、従業員側でそれが事実だと同意しているのはわずか46%にとどまる。さらに、雇用主の82%は、コストを最小限に抑えるための医療福利厚生の利用方法を効果的に伝えていると回答しているが、同意する従業員はわずか49%だった。

この認識の乖離は、医療保障に限ったことではない。プルデンシャルは、測定したウェルビーイングのあらゆる側面において同様のパターンを確認している。例えば、雇用主の72%が従業員の肉体的健康を効果的にサポートしていると回答しているのに対し、同意した従業員はわずか33%だった。そして、過去1年間の経済的ストレスの中で「福利厚生パッケージによって安定性が向上した」と答えた従業員は、わずか17%にすぎなかった。

プルデンシャルが「福利厚生への投資と実際の効果の差は、コミュニケーションのギャップを埋めることにある」と指摘するように、雇用主にとってこれは、既存の福利厚生制度をより見つけやすく、理解しやすくすることを意味する。特に、まだそれらを調べていない従業員に向けてだ。実質的に、すでにこれらのプログラムに費用を支払っている雇用主は、それらをより有効に活用する余地があり、自身の福利厚生を理解している従業員は満足度が高く、市場が再び活発化した際にも留まる可能性が高くなる。

雇用主は、従業員が何を必要としているのかに耳を傾けることによっても、プルデンシャルが指摘するコミュニケーションギャップを埋めることができる。定期的な1対1の面談やパルスチェック調査といったアクティブリスニング戦略により、従業員は不満が離職へと変わる前に、必要としていることをリーダーに伝えられる。

給与が生活費や日々の支出をカバーできていないと感じている従業員は、現在の職場に留まり続けているかもしれないが、それは満足していることを意味しない。彼らの不満は、すでにエンゲージメントや生産性の低下という形で現れている可能性があり、それは急速に広がり、士気や企業文化を損なう恐れがある。さらに、労働市場の緊張が和らいだときには、離職という形で一気に表面化するかもしれない。調査が示すように、従業員の離職は多くの場合、未然に防ぐことができる。この時間を利用して、企業が提供するものと従業員が実際に体験することとの距離を縮める雇用主は、市場環境が解決してくれるのをただ待つだけの雇用主よりも、より強い立場に立てるはずだ。

forbes.com 原文

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