ビジネスは意味や充実感をもたらし得る一方で、激しい心理的・感情的な消耗戦を強いることもあり、多くのCスイート幹部を燃え尽き症候群の瀬戸際に追い込んでいる。CEOの労働時間は週平均62.5時間に上り、時間外の依頼はこれに含まれない。多くのCEOは休暇を、充電の機会と捉えている。
取締役会、投資家との電話会議、出張、遅い時間の夕食、家族行事の欠席、そして終業後も頭から離れない意思決定を、数週間、数カ月、時には数年続けたあとの休暇には、当然ながら安らぎが期待される。
ノートPCを閉じ、カレンダーにはようやく空白が生まれ、久しぶりにどこへも行く必要がなくなる。しかし、多くのリーダーは予想外の課題に直面する。休暇中に異常な疲労を感じ、十分に充電できないまま帰宅する人もいるのだ。
高いパフォーマンスを発揮している時期に燃え尽き症候群が見えにくい理由
200人規模の会社を率い、取締役会との関係を管理し、困難な時期にもチームの士気を保ち、頻繁に出張しながら、それでも平静さを保って見せる。これは多くのリーダーにとって日常的な光景だ。
この構図は、こうした層において燃え尽き症候群を見つけにくい理由の1つだ。不快感や絶え間ない要求を押し切って前に進む能力こそが、そもそも彼らをトップへと押し上げた要因であることが多い。
その役割はまた、緊急性、刺激、責任を絶えず生み出し、エグゼクティブの注意を長時間にわたって外へ向け続ける。
Frontiers in Psychologyに掲載された研究は、仕事から距離を置くことの価値を裏づけている。3万8000人超の従業員を対象にしたメタ分析では、心理的な切り離しの度合いが高いほど、消耗感や疲労が少なく、睡眠の質が高く、ウェルビーイングが高まり、回復感も強いことが示された。
ワーカホリズムや過剰なコミットメントを含む仕事への過度な投資は、仕事から切り離されることの難しさと関連していた。
CEOにとって、完全に切り離されることはとりわけ難しく、時にはほぼ不可能である。責任は勤務時間の終了とともに終わることがほとんどないからだ。リーダーが常に火消しに追われ、問題を解決し続けていると、疲労は徐々に通常の稼働環境の一部になっていく。
休暇は、燃え尽き症候群が生む「回復負債」を露呈させる
蓄積した疲労が明らかになる場面の1つが、睡眠、あるいはその不足である。出張、ストレス、その他多くの要因によって睡眠時間の短い夜が何年も続くと、不十分で短い睡眠が次第に普通に感じられるようになる。
Journal of Sleep Researchに掲載された研究では、1週間にわたり毎晩5時間または7時間の就床時間を割り当てられた参加者のパフォーマンスが低下したことが示された。数晩の回復睡眠では、完全にベースラインへ戻すには不十分だった。
リーダーは休暇中に長く眠ってもなお疲れを感じることがある。数晩の十分な休息では、数カ月、あるいは数年にわたる不十分な回復を埋め合わせることはできないからだ。
それでも、休暇や休日にはなお大きな価値がある。2025年にJournal of Applied Psychologyに掲載された32件の研究のメタ分析では、従業員のウェルビーイングに対して全体として大きな効果が確認され、心理的な切り離しは、より良い結果に関連する経験の1つだった。平均すると、ウェルビーイングは休暇後も平均21日間にわたり、休暇前の水準を上回り続けた。
1回の休暇では、エグゼクティブの燃え尽き症候群は解決しない
CEO、創業者、その他重要な意思決定を担うリーダーにとって、燃え尽き症候群は極めて過酷な稼働環境の中で進行し得る。アイデンティティはビジネスと密接に結びついていることが多く、疲労や不安、あるいは単に調子が悪いことを率直に打ち明ける余地は限られている。
休暇は消耗を和らげることはできるが、それだけで根本原因が解消されるわけではない。環境を変えることは短期的な安堵をもたらし、リーダーに自分の本当の稼働状態を見直す機会を与えるかもしれない。休んだと感じ始めるまでに数日かかるなら、それは年間を通じた回復戦略に注意を向ける必要があるというサインである。
アスリートがトレーニングを期分けするのは、常に最大限の出力を出し続けることが最終的に逆効果になるからだ。リーダーも同様の原則を、通常の週の中に小さな回復サイクルを組み込むことで応用できる。
たとえば、運動の時間を守ること、コミュニケーションに境界線を設けること、仕事以外のアイデンティティを保つこと、負荷の高い出張後に追加の回復時間を予定すること、そして睡眠を他のパフォーマンス要因と同じくらい真剣に扱うことなどである。
ビジネスの高いレベルでは、プレッシャーはつきものであり、リーダーに託される責任は特権でもある。それでも、回復にはリーダーシップの他のあらゆる側面と同じだけの規律が求められる。
売上、資本、人材、オペレーションに向けるのと同じ真剣さで自らの健康に向き合うリーダーは、燃え尽き症候群を通常の稼働状態にしてしまうのではなく、その手前にとどめておける可能性を高められる。



