最近、多くの優秀でポテンシャルの高い従業員が、リーダー職への就任を辞退、あるいは敬遠する動きが顕著になっている。
この傾向は主に、若年層(Z世代やミレニアル世代)の間で見られるものであり、調査でもその広がりが裏付けられている。デロイトによる2026年のレポートによると、これら2つの世代を対象とした調査において、「リーダーの地位に就くことが最大のキャリア目標である」と回答した人はわずか6%だった。その一方で、「大半の人が、ペースの速い昇進よりも、着実な進歩を好む」としている。「急速な昇進や肩書の変化を好む」とするZ世代とミレニアル世代の割合は、それぞれ25%と21%にとどまった。
これらの統計は重要な問いを投げかけている。多くのZ世代とミレニアル世代がリーダー職に就きたがらないのであれば、今後数十年にわたり誰がその役割を担うのだろうか。
次世代のリーダー職を敬遠させる要因とは
多くのZ世代やミレニアル世代が将来のリーダー職から退く背景には、いくつかの要因がある。
デロイトのレポートによれば、「最も多く挙げられた障壁は、ストレスや燃え尽きに対する認識、過度な責任、ワークライフバランスへの懸念」である。
私の見方では、もう1つの要因は起業の魅力だ。ウェルズ・ファーゴによる2026年のマネースタディでは、「事業を所有することが、米国人、特に若い世代がアメリカン・ドリームの概念を再定義する上での中心的な要素となっている」ことが明らかになった。具体的には、「事業を所有していない人のうち、Z世代の成人の4分の3にあたる74%、ミレニアル世代の半数を超える58%が、いつか事業を持ちたいと考えている」という結果が出ている。
もちろん、理由はこれらだけではない。だが、これらの要因の根底には、さらに2つの深い理由があると考えている。それは、従来の雇用形態に対する不信感と、リーダー職におけるROI(投資対効果)の低さだ。
Z世代やミレニアル世代の一部は、親や親戚が人生の大半を仕事に捧げながらも、結果的に解雇される姿を見て育った可能性がある。リーダーになることには価値がないと考え、経済的な自衛を図りつつ自己の可能性を最大限に引き出すためには、副業やポッドキャストなどの個人メディア発信を含め、自力でキャリアを切り開く方がよいと考えるのも無理はない。彼らにとって、リーダーシップは、かつての世代ほど魅力的なものには映らないのだ。



