カナダのボンバルディア社の「チャレンジャー」が、多くのプライベートジェット運行会社によって続々と採用されている。富裕層向けの会員制サービス(ジェットカード)や、共同所有(フラクショナル・サービス)の対象機材として、スーパーミッドサイズクラス(超中型機)に分類されるチャレンジャーを導入する企業が相次いでいるのだ。直近の数週間で、2つの新サービスへの採用が発表されたほか、2027年初頭にはさらにもう1つの新プログラムの開始が予定されている。同機の新造価格は約2700万ドル(約40億5000円)とされる。
プライベートジェット会社からの引き合いが急増中
9月2日、ラスベガスを拠点とするThrive Aviation(スライブ・アビエーション)は、ベリーライトジェット(小型ジェット機)である「ホンダジェットHA-420」(最大乗客7名)とともに、ボンバルディアの「チャレンジャー3500」(最大乗客10名)を選定し、共同所有サービス向けの機材として導入すると発表した。今後はチャレンジャー3500を年間2〜4機のペースで追加していく見通しであり、すでにその初号機を受領している。同社はホンダジェットを開発・製造するホンダ・エアクラフト カンパニーから出資を受け、その子会社Arulean Air(アルリアン・エアー)と長期的な戦略的パートナーシップを組む企業だ。
メンフィスを拠点とするAB Jets(エービー・ジェッツ)は、すでに3機のチャレンジャーを運用しているが、同モデルに特化した会員制サービスを立ち上げるため、さらに2機を追加発注したことを8月に明らかにした。また、来年サービスを開始するスタートアップのBond(ボンド)の場合は、ボンバルディアと包括的な契約を交わしており、同社から総額50億ドル(約7500億円)分におよぶ大量の機材を購入する予定だが、その一環としてチャレンジャー3500を選定した。
AB Jetsでは、これまで中型機である「リアジェット60」(ボンバルディア・最大乗客8名)を主要な機材として運用してきた。今後はより航続距離が長くて座席数が多い、スーパーミッドサイズクラスのチャレンジャー3500をラインナップに加え、事業のステップアップを図る。一方、Bond社は、チャレンジャーの導入を皮切りに、将来的にはボンバルディアのウルトラ・ロングレンジ・クラス(超長距離ジェット機)である『グローバル』シリーズ(最大乗客19名)へのステップアップを目指す。つまり同社にとって今回のチャレンジャーの導入は、その序章という位置づけになる。
ボンバルディアは先日、 チャレンジャー3500の200機目の納入を記念し、その機体はフェラーリ社の副会長であるピエロ・フェラーリ氏に引き渡された。しかし、この機種に対する最大の引き合いは個人の富裕層ではなく、チャーター便や共同所有の機材を大規模に運用するプライベートジェット会社においてだといえる。



