衝突で月面に直径6.4kmの「低温域」形成
LROに搭載された赤外線放射計「ディバイナー(DLRE)」による追跡観測の結果、衝突の影響はクレーターそのものをはるかに超えて広がっていることが明らかになった。マクゲッチン・クレーター周辺に、直径約6.4kmの「低温域」が検出されたのである。
この領域は夜間、周囲の地形よりも9度ほど低温になっていた。研究チームは、衝突によって月面を覆うレゴリス(堆積層)の地盤が緩くなり乱されたことで、その密度と保温性が低下したためだと考えている。これは、大規模な衝突により、目に見えるクレーターにとどまらない物理的な変化が月面に起こる可能性があることを示す証拠だ。
NASAの月面基地計画において重要な発見
NASAの目標が短期的な月面訪問から、月面での持続的な活動へと移行するにつれ、衝突による月面変化を理解する重要性はますます高まっている。
NASAの「アルテミス計画」では、さらに野心的な月面ミッションや、最終的には月面基地の建設支援を目指している。衝突が月の土壌の密度、温度、機械的特性をどのように変化させるかを理解することは、将来の居住施設の立地選定や、月面探査車の運用見通しにおいて、実用的な意義を持つ。


