経営・戦略

2026.09.18 23:22

「より良い資本主義」がビジネスにもたらす価値

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拡大する経済的不平等は、資本主義の失敗ではない。それは、現在の資本主義の実践方法がもたらした結果である。

今日私たちが目の当たりにしているのは、リーダーたちが資本主義の背後に隠れながら、搾取を行っている結果だと考えている。私の見解では、多くの企業が市場や効率、成長といった言葉を盾にして、ビジネスを存続させているシステムへの再投資を行わずに、労働者、地域社会、サプライヤー、そしてエコシステムから価値を搾り取る決定を正当化しているように見える。

資本主義はツールにすぎない。重要なのは、誰がそれを使い、何を最適化しようとしているのか、そしてそのシステムが機会を拡大するために使われているのか、あるいは既得権益を守るために使われているのか、ということだ。

ビジネスリーダーが自問すべきは、資本主義が良いか悪いかではない。自分たちがどのような資本主義を実践しているか、ということだ。

約束とその崩壊

アメリカ型資本主義の約束は、ある魅力的なアイデアに基づいている。それは、人々が価値を創造し、市場がその価値に報い、インセンティブが一致することで相互の利益が生まれる、というものだ。このアイデアは、世界中から創業者や労働者、起業家、課題解決者を惹きつけてきた。そして、世界に影響力を持つ企業を生み出し、人々が先代から受け継いだものよりも豊かな人生を築くための道を切り開いてきた。

市場は常に異なる結果を生み出す。しかし、資本主義が機能するために、固定化された勝者と敗者が必要なわけでも、搾取が必要なわけでもない。

しかし、資本主義には社会的契約が必要だ。労働者、消費者、企業、地域社会のすべてが、価値を創造し、自らが創出に貢献した価値から利益を得る有意義な機会を持たなければならないと、私は考えている。

その契約の形骸化は、経済的移動性(モビリティ)の低下に表れている。調査機関オポチュニティ・インサイツ(Opportunity Insights)によると、1940年代に生まれた子どもの90%以上が、成長して親よりも多くの収入を得るようになった。これに対し、現在その割合は約半分にとどまっている。

このことは、アメリカが約束してきた移動性が弱まっていることを示唆しており、ビジネスに関心を持つすべての人が懸念すべき事態だ。富を築ける人が減れば、家を購入し、会社を立ち上げ、教育に投資し、起業というリスクを取り、経済に全面的に参加できる人が減ることになる。排除は、単なる社会的インパクトの失敗にとどまらない。経済の低迷を招く要因にもなり得るのだ。

排除が価値の損失につながる理由

ビジネスリーダーは往々にして、不平等を経済の周辺にある社会問題として扱いがちだ。しかし、それは違う。不平等は経済設計上の欠陥であり、リーダーが無視すれば大きな代償を払うことになる。

ブルッキングス研究所の『黒人ビジネス・パリティ・ダッシュボード』によると、黒人が所有する従業員雇用の企業数は2017年から2023年の間に62%増加し、20万社を超えた。2023年、これらの企業は2490億ドル(約39兆3000億円)の売上高を創出し、180万人以上の雇用を支え、約700億ドル(約11兆1000億円)の給与を支払った。それにもかかわらず、米国の全人口に占める黒人の割合が14.4%であるのに対し、従業員雇用の企業オーナーに占める黒人の割合はわずか3.4%にすぎなかった。

ブルッキングス研究所はまた、南部の大都市圏だけでも、黒人の企業オーナーの割合が黒人の人口比率と同等になれば、「200万以上の雇用、700億ドル(約11兆1000億円)の追加給与、そして2630億ドル(約41兆5000億円)以上の売上高が新たに創出されるだろう」と指摘している。

より良い資本主義を実践するための3つの方法

資本主義の社会的契約を再構築するには、ビジネスリーダーが意志を持ってそれを実践する必要がある。

1. 「不足」から「豊かさ」への転換

あまりにも多くの組織が、機会は有限であるかのように活動している。彼らは、あるグループの利益は別のグループの損失を意味すると考えている。このような考え方は成長を制限する。リーダーたちが、未開拓の才能、サービスが十分に行き届いていない顧客、投資が不足している市場を見過ごす原因となるのだ。そうではなく、機会を拡大することが市場そのものを拡大することにつながるのだと、リーダーは認識すべきである。

2. 「英雄的個人主義」から「相互につながるコミュニティ」への転換

ビジネス界は、無一文から自力で這い上がった並外れたリーダーのストーリーを好む。しかし、誰も1人では築き上げることはできない。

企業は、労働者、サプライヤー、顧客、インフラ、公共システム、そして地域社会に支えられている。リーダーがそのことを理解すれば、社会的インパクトを単なる慈善活動として扱うのをやめ、それを持続可能な価値を創造するためのプロセスの一部として認識するようになるだろう。

3. 「ゼロサム競争」から「協働」への転換

競争は重要だ。競争はアイデアを研ぎ澄まし、製品を向上させ、卓越性に報いることができる。しかし、協働も同様に重要だ。

今日、企業が直面している最も複雑な課題は、1社だけで解決できるものではない。労働力の確保、資本へのアクセス、強靭なサプライチェーン、気候変動への適応、そしてインクルーシブな成長には、すべてセクター、業界、機関を超えた協働が必要となる。

何を測定し評価するかを決めるのはビジネスリーダーだ。誰を雇用し、資金を提供し、メンターとなって昇進させるかを決めるのもリーダーだ。調達が新たな扉を開くか、それとも古いネットワークを強化するかを決めるのも、労働者を最小化すべきコストとして扱うか、育成すべき資産として扱うかを決めるのもリーダーだ。そして、成長が搾取によってもたらされるのか、それとも相互利益という強固なシステムによってもたらされるのかを決めるのも、彼ら自身なのだ。

資本主義はリーダーに対し、人生や市場、コミュニティを形作るほど強力なツールを与えている。それをより良く実践するとは、持続可能な成長を可能にする社会的契約を強化するために、その力を活用することを意味するのだ。


Forbes Business Councilは、ビジネスオーナーとリーダーのための主要な成長・ネットワーキング組織である。参加資格はあるだろうか。


forbes.com 原文

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