サウジアラビアは中国製の弾道ミサイルをイエメンに向けて発射したもようだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルが16日、ソーシャルメディアに投稿された映像や、イエメン政府とイエメンの反政府勢力「フーシ」(正式名「アンサール・アッラー」)双方の当局者らの話をもとに報じた。確実に裏づけられれば、サウジアラビアが弾道ミサイルを実戦使用した初の事例になる。
BREAKING: For the first time in history, the Royal Saudi Strategic Missile Force (RSSMF) has used one of its Chinese-made DF-15A short range ballistic missiles in combat against the Houthis in Yemen.
— Babak Taghvaee - The Crisis Watch (@BabakTaghvaee1) September 14, 2026
Saudi Arabia procured these ballistic missiles from China in the 1990s, and… pic.twitter.com/DyqJ0GuI8N
サウジアラビアとフーシの間ではここ数週間、衝突が激化しているが、サウジアラビアがこのミサイルを発射したのは、フーシの最大の後ろ盾であるイランにメッセージを送るためだった可能性がある。
「東風-15A」を使用か
イエメン人が携帯電話で撮影し、ソーシャルメディアで共有した動画には、中国製の短距離弾道ミサイル「東風-15(DF-15)」の胴体や部品とみられる残骸が映っている。胴体には「DF-15A」というという識別表示が確認できる。DF-15Aの弾頭は飛行中に分離するように設計されているため、最終的にそれがどこに着弾したのかは不明である。目標は固定目標だったと推測されるが、具体的に何だったのかもわかっていない。
サウジアラビアがDF-15を取得したことは、これまで知られていなかった。もっとも、取得していても驚くにはあたらない。サウジアラビアは西側のパートナー諸国から弾道ミサイルの売却を拒まれる一方で、1980年代から中国に弾道ミサイルの供与を求めてきた経緯があるからだ。すでに1980年代、サウジアラビアは中国から液体燃料式の中距離弾道ミサイル「東風-3A(DF-3A)」を取得している。発注が行われた時期は、血みどろのイラン・イラク戦争の後半にあたる。この戦争では、両国が互いの都市を攻撃するため、弾道ミサイル戦力を増強していた。
サウジアラビアがそのDF-3Aを初めて公の場で披露したのは、2014年になってからのことである。長年、弾道ミサイル戦力を優先してきたイランと異なり、サウジアラビアを含む中東の大半の国は、自国の弾道ミサイル戦力について公表することにもっと慎重だ。
DF-3Aの射程は3000kmほどあるが、命中精度はそれほど高くない。核弾頭を搭載できるように設計されたミサイルであることを考えれば、それも当然だ。サウジアラビアは2007年、より射程が短く精度は高い準中距離弾道ミサイル「東風-21(DF-21)」を中国から購入したと報じられている。そのDF-21は、いまでも約1600km先までの目標を攻撃できるだろう。サウジアラビアが今回使用したらしいDF-15Aの射程は約600kmと、もっと短い。



