テクノロジー、モビリティ、通信の分野でキャリアを重ねる中で、私は一貫して同じ傾向を目の当たりにしてきた。テクノロジーを最も必要としていることが多い組織ほど、それを管理する体制が最も整っていないことが少なくない。
私はKBS Internationalを通じて、このことを直接経験してきた。同社では、デバイス、接続性、導入、セキュリティ、サポート、ライフサイクル管理を単一のサービス関係の下に統合するConnected Technology as a Solution(CTaaS、サービスとしてのコネクテッドテクノロジー)モデルを構築し、運用してきた。中小企業、公的機関、非営利団体、現場業務を担う組織にサービスを提供してきた経験から、課題はテクノロジーの不在であることはほとんどないと分かった。エンタープライズITのリソースを持たない組織にとって、テクノロジーをシンプルで手頃かつ持続可能なものにする提供モデルを構築することこそが課題なのである。
従来のエンタープライズの基準に満たない数百万の組織にサービスを提供している、または提供を検討しているビジネステクノロジー事業者、モビリティ事業者、マネージドサービスプロバイダー、チャネルパートナーに向けて、私の目的は、このモデルを構築する中で得た知見を共有することだ。さらに、十分なサービスが行き届いていない市場に対して、事業者が同様のアプローチをどのように構築できるかを示したい。
中小企業の経営者、地方の在宅医療機関、非営利団体、オーナーオペレーターが必要とする基盤は同じかもしれない。信頼できるデバイス、接続性、迅速なサポート、そしてハードウェアが摩耗した際の計画である。しかし、こうした組織は、それらを1つのソリューションとして調達できないことが多い。その理由はテクノロジーが存在しないからではなく、従来のテクノロジー市場が彼らのニーズを中心に設計されていなかったからである。
そのギャップこそが、新たなカテゴリーが生まれる場になり得る。ただし、カテゴリー創出には、顧客の課題をどう定義し、市場にどうサービスを提供するかを根本的に変えることが求められる。
真のギャップはどこにあるのか
最も大きなギャップは、個々の取引が小さすぎたり分散しすぎたりするため、従来のエンタープライズ営業モデルでは大手ベンダーが採算を合わせることが困難なセグメントに存在することが多い。
機会は大きい。米中小企業庁によると、米国には3620万を超える中小企業があり、これは米国企業全体の99.9%を占め、6230万人を雇用している。在宅医療市場には、メディケアへの参加認定を受けた機関が1万2000以上ある。一方、米国トラック協会によると、米国の自動車運送事業者のおよそ91.5%は10台以下のトラックで運営している。
個別に見れば、これらの組織はニッチ市場のように見えるかもしれない。だが全体としては、信頼できるデバイス、接続性、サポートを必要としながら、IT部門や従来型のエンタープライズ契約を交渉できる購買力を持たない数百万のテクノロジーユーザーを形成している。
地方の在宅医療機関を考えてみよう。現場の看護師は、患者記録へのアクセス、情報送信、ケアの調整にタブレットを頼りにしているかもしれない。デバイスの接続が失われたり故障したりしても、その看護師はITヘルプデスクに駆け込むといった簡単な解決策をとることはできない。
その代わり、組織はハードウェアメーカー、ソフトウェアプロバイダー、無線通信事業者など、複数のベンダーを相手にしなければならない。各ベンダーは1つの構成要素にしか責任を負わないが、顧客は運用プロセス全体の責任を負うことになる。
デバイスが古くなるにつれ、問題は大きくなる。タブレットが耐用年数の終わりを迎えたり、重要なセキュリティ更新を受けられなくなったりする一方で、小規模な組織には保証、更新サイクル、機器の退役を管理する専任担当者がいない場合がある。
その結果、個々のベンダーが「自社の責任は果たした」と言い張る一方で、顧客が抱える本質的な課題は未解決のまま残されるという、分断されたテクノロジー体験が生じることになる。
既存モデルの改修ではなくゼロから構築する
ここで、ビジネステクノロジー事業者は発想を変える必要がある。ディスラプションは多くの場合、既存製品に機能を1つ追加することではなく、顧客を中心にアーキテクチャを見直すことから生まれる。
新たな顧客カテゴリーに対しては、誰か別の顧客のために作られたエンタープライズモデルを転用するのではなく、十分なサービスが行き届いていない市場の具体的ニーズを出発点として設計されたソリューションの方が適していることが多い。
テクノロジー事業者が問うべきことは、「どうすればより多くのデバイスを販売できるか」ではなく、「顧客が実際に達成しようとしているテクノロジー上の成果に、どうすれば責任を持てるか」である。
見過ごされてきた層のために作られたカテゴリー
ここにCTaaSの可能性が開ける。CTaaSは、デバイス、接続性、導入、セキュリティ、サポート、交換を別々の取引として扱うのではなく、それらを単一の関係に統合する。
ビジネステクノロジー事業者にとっての機会は、製品を販売することから、単一窓口のサポート、予測可能な価格設定、エンドツーエンドの責任を通じて、顧客のテクノロジーライフサイクルを統括することへ移行する点にある。
KBS Internationalのモデルは、シンプルな原則に従っている。テクノロジーは取引としてではなく、ライフサイクルとして管理されるべきだという原則である。
私たちは、そのライフサイクルを6つの相互に結びついた段階として捉えている。
調達: 適切なデバイス、接続性、テクノロジーを選定する
在庫管理: 在庫を導入ニーズに合わせる
ステージング: デバイスを箱から出してすぐ使える状態に構成する
セキュリティ確保: デバイス、接続、データを保護する
サポート: 継続的な単一窓口のサポートを提供する
持続可能性: 更新、退役、再整備、再利用を管理する
最後の段階は、十分なサービスが行き届いていない市場にとって極めて重要である。こうした組織は、デバイスの更新、返却、安全な退役を管理するリソースを欠いている場合がある。CTaaS事業者は、ライフサイクル全体を担うことができる。
持続可能性は、デジタル包摂も前進させる。NTIA(米電気通信情報庁)のデータによると、2023年には米国人の15%超がインターネットを利用せずに生活しており、とりわけ低所得地域、部族居住地、有色人種のコミュニティ、地方コミュニティでその傾向が顕著だった。アクセスにはブロードバンドだけでなく、使えるデバイス、手頃な接続性、サポートが欠かせない。EPA(米環境保護庁)が指摘するように、再整備されたテクノロジーはデバイスのライフサイクルを延ばし、新たな資源への需要を減らしながら、こうしたデジタル格差を埋める一助となり得る。
賭ける価値のある機会
ビジネステクノロジー事業者にとっての機会は、ハードウェア、接続性、マネージドサービスを単により多く売ることではなく、顧客が実際に何を購入しているのかを再考することにある。
次の機会は、分断された取引型モデルを通じてサービスを受けることが多い組織に、エンタープライズ級の規律をもたらすことだ。これは、成果を中心にテクノロジーをパッケージ化し、継続的な関係を構築し、テクノロジーライフサイクル全体を担うことを意味する。
サービスが行き届いていないからといって、重要度が低いわけではない。分断され、価格に敏感な市場は、適切なモデルを構築する意思のある事業者にとって大きな機会となり得る。
次の大きなテクノロジーカテゴリーは、エンタープライズ市場の中にはないかもしれない。他の誰もが見過ごしてきた数百万の顧客の中に隠れている可能性がある。



