組織図の頂点に立ち、自分の下に多くの名前が並んでいるのを見ると、力を持っているように感じるかもしれない。しかし、それは誤解かもしれない。私が学んだのは、CEOに対して指示や承認を待つ直属の部下が多ければ多いほど、そのCEOは日常業務に気を取られてしまうということだ。それはつまり、すべてのCEOの第一の仕事である「大局を見失わないこと」への集中力が削がれることを意味する。
あまりにも多くのCEOがこれとは逆の方向に進んでしまう。彼らはあらゆることに関与しなければならないと考え、結果的にビジネスのあらゆる側面で細部に埋没してしまう――なぜなら、それができるからだ。しかし、何かを「できる」からといって、それを「すべき」だとは限らない。
父と私が創業した会社の経営を初めて任されたとき、私には15人の直属の部下がいた。現在、私が率いる会社は単一のフランチャイズブランドから多数のブランドへと拡大したにもかかわらず、直属の部下はわずか4人だ。私は日常業務をチームに委ねることを学び、会社のビジョンの構築と実行において彼らを率いることに専念できるようになった。
経営コンサルタントであり著述家でもあるトレイ・テイラーも、シニアリーダーに対して「カルチャー、人材、数字」の3つにフォーカスを絞るよう促している。長年にわたる私自身の経験に基づき、すべてのCEOがこれをどのように実現できるかについて、私の視点を紹介する。
1. 望ましいカルチャーを自ら体現する
私にとって、カルチャーはCEOの第一の仕事だ。「カルチャーは戦略を朝食に食べる(優れた企業文化は優れた戦略に勝る)」という有名な言葉がある。どれほど素晴らしい戦略を立てても、社員がビジョンを受け入れ、それを実現するために一丸となって働く職場環境を作らなければ、決して実行に移すことはできない。
私の会社では、目標志向で達成に向けて熱心に働きながらも、互いを家族のように思いやる環境を作ることに注力してきた。こうした価値観に忠実であり続けることは、採用プロセスから始まる。かつて、私たちが求めていたあらゆる資格を備えた人物を面接したことがある。しかし、面接を行った4人のうち2人が、当社の社風に合うかどうかわからないと答えたため、採用を見送った。
価値観に関して言えば、CEO自身が望ましい行動を体現することで、社員に影響を与えることができる。父が教えてくれたように、すべては細部に宿るのだ。父はオフィスに到着すると、駐車場に落ちているゴミを拾い集めていた。ゴミ拾いをするために雇われている人がいたにもかかわらずだ。父は、アルバイト社員であろうと組織のトップであろうと、拾うことができるゴミを無視して通り過ぎることに意味を見出さなかった。やがて、当社の従業員たちも同じようにゴミを拾うようになった。
望む行動を自ら手本となって示すことでチームを導けば、求めている結果を得られる可能性が高くなる。
2. 人材の活躍を後押しする
チームに力を発揮する機会を与えれば、多くのメンバーはその期待に応える。人を適切に率いれば、彼らは期待を裏切りたくないと考え、求められる存在になろうとするものだ。
同時に、適材適所を徹底しなければならない。テイラーはかつて、「誤った人物を採用すれば、士気は低下し、業績は悪化する。しかし、適切な人材を迎え入れれば、業績は向上し、成長は加速する」と書いている。昨年、私はブランドの社長になりたいと希望する人物と話し合いをしなければならなかった。彼は別の役員ポジションで素晴らしい成果を上げていたが、ブランドの「顔」として求められる特定の業務を嫌っていたため、トップの座には適していなかった。私たちは、彼の強みが活きない役割につけるよりも、彼が活躍している現在のポジションに留めておく方が賢明だと判断した。
時には、問題がチームメンバー自身ではなく、新しい役割についての知識不足にあることもある。多くのCEOは、新しい社長をただその役に就かせるだけで、その役員は何に時間を使うべきかを把握できず、結果として業績に結びつかない些細なことに集中してしまう。誰かを新しい役職に就かせる際のアドバイスは、彼らがなすべきこと、そしてフォーカスしてほしいことを明確に示すことだ。
3. 数字を把握する。ただし、マイクロマネジメントはしない
テイラーが提唱するCEOの方程式における3つ目の要素は、数字だ。私の経験上、会社の数字(財務状況)を管理する上で、財務や会計の経歴があるとしても、マイクロマネジメント(過度な管理)を行うことはCEOにトラブルをもたらしかねない。しかし、だからといってすべての財務情報から手を引いていいわけではない。会社が何を得て、何を支出しているのかを常に把握しておく必要はある。
同時に、特にお金が絡む場合、人は誇張することがあるという点に留意してほしい。私は自分のチームを信頼しているが、提出される数字やデータには常に疑問を持つようにしている。なぜならCEOとして、誰であっても意図的かどうかにかかわらず、数字をいかようにも操作できるという事実を理解しておく必要があるからだ。
最後に、数字にフォーカスすることは、単にビジネスの財務を把握するだけでなく、従業員に「当事者意識(オーナーシップ・シンキング)」を持たせ、会社の効果的な管理者として行動するよう動機づけることでもある。従業員がビジネスにもたらす価値に対して報いることで、彼らは会社を自分のものとして扱い、より良くしたいと思うようになる。
結論
カルチャー、人材、数字にフォーカスを絞り込むと、これらが連携して機能し、採用した人材に特定の価値観や行動を促すようになる。これらを統合的な方法で機能させることで、現場の細部に埋没することなく、ビジョンを明確に保ち続けることができる。
CEOにとって「わずか」3つのことだけに集中するのが簡単だと思ったなら、軌道を外れないようにするためにはそれだけで十分すぎるほどであることを、すぐに実感するはずだ。



