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2026.10.23 11:00

KKR・大和証券の両トップが語る 日本が「世界有数の成長市場」になる未来

デフレからの脱却、企業改革の進展、新たな成長への期待。日本経済が大きな転換点を迎えるなか、世界有数の投資会社であるKKRと、日本を代表する証券グループである大和証券グループは、日本の構造変化をどうとらえているのか。KKR共同CEOのジョセフ・ベイと、大和証券グループ本社 代表執行役社長 CEOの荻野明彦に聞く。


——グローバル投資家としてKKRは日本市場の変化をどうとらえていますか。

ジョセフ・ベイ(写真左。以下、べイ):KKRが東京オフィスを開設した20年前、私たちは長期的な視点と謙虚な姿勢で日本市場に参入しました。その姿勢は今も変わりません。

一方、日本は大きく変わりました。デフレから「金利のある世界」への転換に加え、コーポレートガバナンス・コードの改訂などを契機とした企業改革を背景に、日本経済は新たな成長局面を迎えています。

世界経済の不確実性が高まるなか、日本は世界でも有数の安定性と魅力を備えた投資先として、あらためて注目されていると認識しています。

——証券会社の立場では、日本市場の変化はどうとらえられますか。

荻野明彦(写真右。以下、荻野):長らくデフレ環境が続いた日本ですが、足元では賃金と物価の好循環が生まれつつあり、企業の成長投資への姿勢や、家計における金融資産の活用意識にも変化が見られます。

新NISAなどの政策的な後押しもあり「貯蓄から投資へ」の流れが加速しています。こうした変化は、より多くの個人が資本市場に参加する契機となり、成長に必要な資金が循環する環境を後押ししています。日本経済と資本市場は、新たな成長ステージに入りつつあると考えています。

荻野明彦 大和証券グループ本社 代表執行役社長 CEO
荻野明彦 大和証券グループ本社 代表執行役社長 CEO

日本で進む企業改革
次の成長へ重要な局面

——AIの導入など日本では企業改革も盛んです。この変化は資本市場にどう影響していると考えますか。

ベイ:日本企業の改革は着実に進んでいますが、この変革はまだ始まったばかりです。東京証券取引所には200社超※1の上場子会社が存在し、多くは独立企業として世界で通用する可能性を秘めています。

KKRでは、この20年以上にわたり、PHCホールディングスやKOKUSAI ELECTRICをはじめ日本の優れた企業が独立し、本来の力を発揮できるよう支援してきました。投資家として経営・ガバナンス・戦略面から企業価値向上を支援しています。

今、日本企業は改革の成果を次の成長につなげる重要な局面を迎えており、私たちはそこに大きな可能性を感じています。

荻野:近年、日本企業ではコーポレートガバナンス改革や資本効率向上への取り組みが着実に進展しています。資本コストや資本効率を意識した事業ポートフォリオの見直しや資本政策・株主還元など、企業価値向上に向けた施策も拡大しています。

また、AIをはじめとする技術活用や人的資本への投資が進み、生産性や競争力の向上への期待も高まっています。これらのコーポレート・アクションにおいて、資本市場との対話は必要不可欠であり、資本市場はそうした企業の挑戦を支える役割を一段と高めていると考えています。

——企業が改革により価値向上を目指すなか、プライベート市場(非上場市場)はどう変わっていきましたか。

ベイ:企業変革の過程には、長期的な視点をもつ投資家にとって上場市場だけではとらえきれない魅力的な投資機会が存在します。これは長年米国で見られてきたことですが、日本でも同様の変化が進んでいます。

東証上場企業数※2は2023年末の3,843社をピークに減少に転じています。企業が四半期ではなく数年単位で変革を進めるなか、プライベート市場(非上場市場)は上場市場を補完する重要な役割を担っています。

真の変革には、長期資本に加え、経営陣と密接に協働するパートナーシップが欠かせません。それこそがプライベート市場の本質であり、KKRが50年以上、追求してきた投資哲学です。KKRは長期的価値に着目し、短期的な市場環境に左右されず一貫した投資を続けてきました。また、経営陣だけでなく従業員とも価値創造の成果を共有する仕組みづくりを通じて、企業の持続的な成長を支援しています。

ジョセフ・ベイ KKR共同CEO
ジョセフ・ベイ KKR共同CEO

日本の成長と企業価値向上へ
「貯蓄から投資へ」を加速

——個人投資家は長期・分散投資機会をどのようにとらえるべきでしょうか。

荻野:「貯蓄から投資へ」の流れが進むなか、個人投資家にとって重要なのは、短期的な値動きだけにとらわれず、長期・分散の視点で資産形成に取り組むことです。

日本企業の改革や世界経済の成長による恩恵は、上場市場だけにとどまらず、プライベート市場を含む多様な投資機会を通じても享受できる時代になっています。プライベート市場はこれまで主に機関投資家が活用してきましたが、近年は個人投資家にもアクセスの機会が広がりつつあります。資産運用手法は多様化し、投資家はそれぞれの資産がもつ特性やリスクを踏まえながら、自らの目的に応じた資産形成を行うことが可能になっています。

世界の成長機会と日本企業の価値向上の恩恵をともに取り込んでいくことが、これからの資産形成において一層重要になると考えています。大和証券グループは、グループミッションである「お客様の資産価値最大化」のもと、お客様一人ひとりに寄り添いながら、中長期的な資産形成を支援してまいります。

——これまでのお話を踏まえ、日本の未来像をどう考えますか。

ベイ:今後10年、日本は改革とイノベーション、長期資本が好循環を生み、持続的な繁栄につながる世界有数の成長市場になるでしょう。個人の金融資産が生産的な投資へと循環し、企業の挑戦を支え、その成果が再び投資家へと還元される——。そうした好循環こそが、日本の持続的な成長を支える原動力になっていくでしょう。

荻野:本対談を通じて浮かび上がったのは、日本経済が新たな成長局面に入りつつあるという共通認識です。日本の成長と企業価値向上に向け、「貯蓄から投資へ」をさらに加速していくことが重要です。

大和証券グループとKKRは、それぞれの強みを生かしながら、この変化を支え、投資家の皆様とともに日本の未来を築いていきます。


ジョセフ・ベイ◎1996年にKKR入社。2017年から共同社長兼共同COOに就任。21年から共同CEO。KKRのアジア事業拡大を主導し、プライベート市場全体の事業構築にも携わる。

おぎの・あきひこ◎1989年に大和証券入社。法務、海外、企画、人事などで要職を歴任し、2024年より大和証券グループ本社 代表執行役社長 CEOを務める。

重要情報
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※1 2025年7月時点で215社(出所:東京証券取引所)
※2 TOKYO PRO Market上場企業を除く。(出所:日本取引所グループ)

KKR
https://www.kkr.com/jp/ja

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