AI

2026.09.18 17:34

応用AIがもたらすリセット、暮らしと働き方を再設計する

stock.adobe.com

stock.adobe.com

今日のヘッドラインは、AIが労働力を解体し、あらゆる資源を消費し、私たちの生活様式に致命的な脅威をもたらしていると信じ込ませようとしている。こうした言説の多くは誇張であるものの、根本的な構造の亀裂に起因している。すなわち、テクノロジーが私たちの制度的・文化的なオペレーティングシステム(OS)を追い越してしまったのだ。私たちは、暮らし、働き、学び、遊ぶ方法における根本的かつ基礎的なシフトを経験している。さらに、デジタルAIとフィジカル(物理的)AI、ロボティクス、そしてエネルギー分野の画期的な進歩がかつてない形で融合し、私たちがまだ目撃し始めたばかりの方法でその変化を加速させている。

歴史が示すように、こうした構造的シフトが完全に定着するには、新しい世紀の最初の約4分の1世紀(25年)を要する。私たちは、19世紀(蒸気機関、工場)と20世紀(電気、標準化、大量生産)の双方において、メディアの狂乱的なパニックを伴う同様の文化的・技術的移行を目撃した。21世紀は2001年に正式に始まったが、21世紀型経済の構成要素が完全に目に見える形になり、もはや否定できなくなる一方で、20世紀型モデルの解体が同時に進むまでには約25年を要した。次の10年間で、私が携わってきた未来構築の大部分が、私たちの日常の仕事や暮らしの中でよりはっきりと見えるようになるだろう。しかし、2026年の現在、私たちは1920年代に工業工場の現場を中心に設計された労働と文化のフレームワークを用いて、デジタルファーストの経済を乗りこなそうとしているのだ。

100年の構造的不一致

周りを見渡してみてほしい。学校のカリキュラム、夏休み、9時から5時までの週5日勤務制、核家族、政府機関の構造、銀行業務から医療機関の予約サービスやスケジュール調整に至るまで、その多くは1920年代初頭の工場や農村の生活に基づいて作られたものだ。例えば、学校に夏休みがあるのは、子どもたちが農作業を手伝うことができるようにするためだった。今日、そのような世界はもはや存在しない。

私たちがこれまで無視してきたあらゆるものに、AIという光が当てられることになる。私たちはこれから起こることへの準備ができておらず、それを日々実感している。私はこの未来の状態で生活し、働いているため、それに名前をつけ、皆さんに解説することが必要だと感じている。この不一致が最も顕著に現れているのが、永続的かつデジタルに移行した、現代のオフィスベースの知識労働(ナレッジワーク)である。企業の構造、階層、そして職場がこの変化とともに進化できなかったため、結果として生じた組織的な緊張や不安は、今や都合よく、そして誤ってAIのせいにされている。AIは、うまく機能しているものと、まったく機能していないものの双方を増幅させるアンプ(増幅器)なのだ。

わかりやすい例は、最高経営責任者(CEO)たちが生産性の向上を目指してチームを対面で集めるためにオフィス回帰(RTO)義務化を称賛する一方で、同時に大量解雇の理由としてAIを挙げることだ。皮肉なことに、RTO義務化は、実際にはスタッフが2019年のように片道約1時間かけて通勤することを強いられることを意味する。しかし、今は2026年だ。彼らは自宅で行うのとまったく同じデジタル仕分け作業を、ビデオ通話やSlackのメッセージを通じて行っている。ただ、それが新しいオープンプランのオフィスになり、ヘッドホンをつけ、視線を合わせず、画面を見つめながら行うようになっただけだ。肥大化した採用慣行や、ずさんな管理、不動産資産の保全は不問に付される一方で、テクノロジーがその非難を浴びる。どのような言い訳をしようとも、今日の企業のオフィスという職場の現実は、この茶番を正当化するためにオリンピック級の精神的アクロバットを必要としている。

ガラス画面を超えて物理世界へ

次の10年間で、AIの本当の影響は、ガラス画面上のテキストや動画、ピクセルの生成をはるかに超えて、より深く、広く浸透していくだろう。この渦中にいる一人として、誇張なしに言えば、現状はまだそこに到達しておらず、やるべきことは山積みであり、多くのチームが本質的な課題や限界の解決に取り組んでいる。興味深いのは、応用AIやフィジカル(物理的)AIが、デジタル領域から一歩踏み出し、リアルタイムで私たちと協働する準備がようやく整ったことだ。それは、私たちの間の空間と時間における自らの位置を理解し、素材がどのように機能するかを理解し、世界のデータセット、パターン、システムを統合し、そして最も重要なこととして、これらのシステムやネットワークとどのように対話するかを示しつつある。そしてついに、私たちの物理世界のインフラという、目に見えず、地味ながらも不可欠な基盤を再編成し、再構築するのを支援する有望な兆しが見え始めている。ある意味で、それは21世紀の経済と文化の鋳造所(ファウンドリ)、すなわち中核となる構成要素なのだ。

しかし現実を見よう。現在、私たちは私が「イノベーション・シアター(形ばかりの革新)」と呼ぶものに溢れている。20世紀の多段階のプロセスに自動化を急ごしらえで適用し、それを「AI」と呼んでいるのだ。こうした取り組みの多くが失敗するのも無理はない。この移行期を効果的に乗り切るためには、「第一原理思考」を適用する必要がある。これは、私が政府の指導的な役割や、世界で最も知名度の高い検索エンジン企業内にある、おそらく最も革新的なテック研究所で学んだアプローチである。

イノベーション・シアターの終焉:10倍の変革を目指す

イノベーション・シアター(目に見える実質的な影響をもたらさない漸進的な革新)は、漸進的な改善による効率化に執着する。他から切り離された空間で効率を求めることは価値ある追求だが、今日の競争環境においては、他者もすべて同じ最適化を追求している。業界全体が10%の効率向上を達成した瞬間、市場は再びゼロにリセットされ、その利益は単なる参加資格(テーブルステークス)にすぎなくなる。

競争に勝ち抜くためには、10%の効率化から、10倍の変革を目指すムーンショットの原則(大胆で野心的な目標)へとマインドセットをシフトすることが極めて重要だ。1000人の労働力からさらに10%の生産性を絞り出す方法を問うのではなく、リーダーは核心となる問いを再定義しなければならない。すなわち、「1000人の労働者が新しい応用AIを活用し、同じ予算で1万人の組織に匹敵するインパクトをもたらすにはどうすればよいか?」「そのパフォーマンスレベルで、どのような新しいフロンティアを構築し、発見し、スケールさせることができるか?」ということだ。それこそが真のゲームチェンジャーである。現在の通用価値(カレンシー)は「学習」だが、企業には実際の財務という収支(ボトムライン)があるため、企業のムーンショット・プロセスは、私たちが研究所で取り組んだものとは大きく異なる。

そこに到達するために、私たちは根本的な問いから始める。「もし今日、このシステムをゼロから設計するとしたら、こうしたレガシーなステップを一つでも含めるだろうか?」。もし答えが「ノー」であれば、それらを存続させているのは文化的な慣性と組織的な自己保全にすぎない。摩擦の多い官僚的なプロセスを自動化したところで、自動化された混乱が生じるだけであり、誤った決定をより迅速かつ低コストで実行することになる。

現代インフラにおける5つの基盤分野

私はいくつかの主要な基盤分野を選定した(今後の個別記事でそれぞれ詳しく説明する)。新しく編成されたチームの協力を得て、応用AIを活用することで、私たちの基本構造を改革できると信じている分野だ。先見の明のあるスタートアップ企業は、すでにこれらの分野で構築を始めているが、テクノロジーだけでは十分ではない。政府はこれらのサービスを取り入れるために、新たな政策枠組みを用いてこれらの現代的なツールを利用・適用する必要があり、企業はこれらを地球規模で効果的にスケールさせるために、安全で、常に正確かつ信頼できる実用的なモデルを構築しなければならない。

これら5つのコア領域は、私たちの21世紀型OSが最も緊急に焦点を当てるべき場所であり、長期的な社会全体の利益を構築するための、現代における唯一最大の機会を提供する。あらゆる領域において、20世紀型の運用レイヤーが最大の弱点(アキレス腱)となっている。これらのシステムを再構築するには、移行を管理・統制するために、応用AIを活用するさまざまなスキルを持ったデジタルおよび物理労働のチームが必要となる。

1. エネルギーとAIコンピュート

1920年代の中央集権型モデルに基づいて構築された送電網は、現代のAIコンピュート、デジタル金融、あるいは産業の電化を支えることはできない。クリックベイト(釣りの見出し)のヘッドラインはデータセンターを目の敵にするが、老朽化したインフラは毎日、それをはるかに上回るエネルギーや水を漏出させている。未来のエネルギーおよびコンピュートチームは、コンピュートをクリーン電力のファウンドリと直接組み合わせ、マイクログリッドをリアルタイムでバランスさせ、物理的な公益事業ネットワークを管理するためにフィールドロボティクスを配備することによって、フィジカルAIを用いたこの基盤の再構築を行うだろう。

2. グローバルな不動産

世界最大の資産クラスは、依然として断片的な引き継ぎの中に囚われており、それが住宅費を膨らませ、都市開発を失速させている。メディアは都市やデベロッパーを非難するが、双方のチームは、用途地域規制、建築設計、財務見通し、環境的制約をインタラクティブで協働的なプラットフォームに取り込む、グラウンディング(根拠付け)された空間AIを活用することになる。都市計画チームは、既存のエリアに対するさまざまな都市シナリオ(住宅目標の引き上げ、税収増、新しいインフラなど)をリアルタイムで評価できる。これが適切に行われれば、何段階にもわたる実現可能性(フィジビリティ)の検証、設計、承認のプロセスを数分に圧縮でき、地方自治体、地域住民、建築家、金融機関がリアルタイムでトレードオフを共同評価し、開発前段階の処理を数年ではなく数日で完了できるようになる。

3. エンタープライズAIにおけるトークン投資対効果(ROI)

企業経営は依然として1920年代の工場現場の階層構造に囚われており、不動産の肥大化、送電網への負荷、あるいは労働者の燃え尽き症候群を引き起こしている。世間の怒りを煽る言説はAIソフトウェアを「失敗した投資」と主張するが、実際に資金を浪費しているのは、誤った管理や無駄な多段階のワークフローである。応用AIは、安全なマルチエージェントのハーネス(性能面で言えば、ロバから競走馬へのアップグレードをイメージしてほしい)を通じて、この肥大化を排除する必要がある。部門間での手作業によるデータ仕分けを置き換えることで、社内の少人数のAIネイティブチームは、市場が単なるAIソフトウェアのラッパーを淘汰していく中で、真のトークンROIを確実に証明できるようになる。

4. 人と貨物の移動

モビリティは依然として、主にデジタル作業を行う人々にピーク時の通勤を強いるシフトスケジュールに囚われており、肥大化した大型車両の走行を促し、スマートフォンなどの操作による注意散漫を招いている。その結果、人間が運転する輸送手段はますます危険になり、都市との不整合を起こしている。クリックベイトの報道は、自動運転車に絶対的な完璧さを求めることで悪者扱いするが、年間120万人の死亡者や毎日何百万件も発生する衝突事故が、人間の行動や時代遅れの道路設計に起因している事実を無視している。応用フィジカルAIを使用する輸送管理者は、生産性を義務的な移動から切り離し、駐車スペースとして無駄にされている敷地面積の50%を新しい開発のために回収し、路肩管理と価格設定に焦点を当てつつ、マルチモーダルな移動のロボット支援運行を統合的に管理することによって、この状況を再設計するだろう。

5. 市民文化における時間的ミスマッチ

市民、退職金、医療、コミュニティの給付制度は、単一の雇用主に紐づく労働者モデルに固定されたままであり、今日増加しているギグワーカーや、複数の仕事を掛け持つポートフォリオワーカーに対応できず、すべての分野で経済的な摩擦を深めている。怒りを煽る言説は、雇用保障を破壊しているとしてAIを非難するが、現実は市場が「大いなる価値の反転(ザ・グレート・プライス・フリップ)」を実行しているのだ。定型的なデジタル仕分け作業の経済価値がゼロに向かって崩壊する一方で、身体的な人間の労働や職人の専門技術の価値は急上昇している。チームは応用AIを使用して、ポートフォリオ契約の自動仲介役として機能し、ポータブルな給付(ポータブル・ベネフィット)を個人に直接ルーティングし、基本的なオフィスミドルウェア(事務職)よりも場所に制約される物理的労働を重視することで、新しい市民向けOSを構築するだろう。

私たちの新たな21世紀の世界は、すでに始まっている

今日、社会全体が抱く不安の核心には、極端な断絶が存在する。すなわち、デジタルの処理コストがゼロに向かって暴落する一方で、物理的に生き残るための基本コスト(住宅、医療、エネルギー、食料、教育)は上昇し続けているのだ。実質賃金は停滞し、企業のレイオフが不安を煽り、人口統計学者は出生率の低下にパニックを起こしている。しかし、一般の市民が「現実世界で暮らすこと自体が経済的に手の届かないことのように感じられるとき、一体何を期待しているのか?」と疑問を呈するのは当然のことだ。

私たちは1世紀前にも、こうした制度的な遅れに直面した。過去のリセットにおいては、私たちの筋肉の代わりとなり、物理的な労働を肩代わりする機械を構築した。今日、応用AIの真の目標は、単にソフトウェアを合理化することではなく、物理的な生活コストを押し下げ、人々が最終的に必要に迫られてではなく、自らの選択によって人生を築く自由を得られるようにすることだ。1920年代の行政・管理スタックはその役割を果たしたが、運用の寿命(エンド・オブ・ライフ)を迎えている。2020年代にキャリアやコミュニティを築こうとしながら、1920年代に生き続けることはもはやできない。労働を自らのアイデンティティから切り離すことは恐ろしく感じられるかもしれないが、ダイナミックなポートフォリオキャリアへと移行しつつある人々にとっては、極めて解放的なことなのだ。

21世紀の運用フレームワークを設計する時が来た。この構造的シフトは、人類がある世紀から次の世紀へと移行する際の、時代を超えたパターンを反映している。私たちはこの瞬間を、混乱に満ちた移行と破壊の物語と捉えることもできれば、私たちの集団的なOSをシステム全体で刷新し、再起動するための記念碑的な機会と捉えることもできる。

これはほんの始まりにすぎない。この旅路に加わることができるとは、なんと素晴らしい瞬間なのだろう。

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事