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2026.09.19 11:00

新興TypeSafe AIが放つ新AI「Jev」、ハルシネーションなしは本当か?

(C)TypeSafe AI

確率付きの回答は、LLMとは別の専用AIモデルに任せる方法もある

例えば、以前から欲しかった新車を買うべきか生成AIに相談したとする。LLMは利用者に車の好みや家計状況などを質問するかもしれない。その情報を基に、購入すべきかを「はい」または「いいえ」で答える。回答が二択だけなら、AIがその答えをどの程度確実だとみているのかは分からない。

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確信度を数値で示すと、同じ回答でも受け取り方が変わる

利用者が確信度も表示するよう指示すれば、LLMは「はい」が80%、「いいえ」が20%と示すかもしれない。当初の回答が単に「はい」だったなら、利用者は100%確実な答えだと思っていた可能性がある。実際の確信度が80%なら、回答の受け取り方は変わる。

LLM自身にこうした確率を計算させるには追加処理が必要で、消費するトークンが増え、回答にも少し時間がかかる。一般的なLLMは確率計算に特化していない。そこでLLMから、確率や確信度の算出に特化した外部アプリやAIモデルを呼び出し、処理を任せる方法がある。

Jevはソフトウェア内部の意思決定向けに作られたAIモデル

Jevは、ソフトウェア内部で意思決定するために開発されたAIモデルである。通常のソフトウェアに組み込める他、既存のAIシステムから呼び出して使うこともできる。

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Jevには、文章など形式があらかじめ決まっていない情報を渡すことができる。Jevを呼び出すAIやソフトウェア側は、どのような形式で結果を受け取るかを事前に指定する。Jevはその指定に沿って結果を返し、それぞれに確率や確信度を付ける。

TypeSafe AIはJevを、ソフトウェアから関数のように呼び出せるAI機能と説明している。一般的なLLMが自由な文章を生成するのに対し、Jevではソフトウェア側が回答候補とデータ形式をあらかじめ指定する。

例えば、回答を「はい/いいえ」の二択と確率で返すよう設定した場合、Jevは自由な説明文など、指定されていない形式では回答しない。TypeSafe AIは、このようにソフトウェアが想定していない種類や形式のデータを返す「型エラー」は起こさないとしている。

すべての回答には、実際の正解率と対応するよう調整された確率と確信度スコアが付くという。TypeSafe AIはJevを学習させる手法としてRLCDを使っているが、RLCDの詳しい仕組みは公開していない。そのため、2026年9月時点では具体的な内部処理を外部から確認できない。

DOOMのデモでは、ゲーム内の状態から次の行動を決める

TypeSafe AIのサイトにはJevを使ったデモ動画がある。ゲーム「DOOM」を自動でプレーするボットの例では、Jevが示した確率を基に、ボットがどこで、いつ撃つかを決めているように見える。

TypeSafe AIによると、このデモでJevへの入力に使うのは画像そのものではない。ゲーム内の状態を、文章を含む整理されたデータとしてJevへ渡している。

同社は、同じ作業を一般的な生成AIに任せるより、Jevの方が高速で低コストだと強調している。ここでは、その主張が正しいものとして話を進めよう。特定の処理だけを担う専用AIモデルなら、汎用的な生成AIで同じ作業をこなすより速く、安くなると期待するのは自然だ。特定の穴あけ作業に特化したドリルなら、一般的なドリルで同じ作業をするより、速く低コストで済むと期待するのと同じだ。

次ページ > Jevが自由な文章を出さなくても、誤った答えを選ぶ可能性は残る

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