2年以上の開発期間を経て、ACIは現在、半導体メーカーのルネサスやSiTimeを含む40件以上のプロジェクトで稼働している。初期の顧客の成功事例は、物理モデルアプローチの優位性を示している。あるベンチマークテストでは、大手半導体企業の1人のエンジニアがACIを使用して55ページの仕様書を処理し、マイクロアーキテクチャ、RTL設計、機能検証、およびPPA(電力・性能・面積)の最適化をわずか数日で完了させた。この作業は通常、フロントエンド設計チーム全体を編成し、完了までに約4〜5カ月を要するものだ。
ACIにおけるエンタープライズ機能
「ACI Enterprise」には、現代の設計環境での使用を可能にする多くの機能が搭載されており、企業レベルのセキュリティとコンプライアンスを提供する。AIモデルはホスト型クラウドで実行されるが、重要なデータは顧客のデータセンター内で安全に保護されたままだ。
・ゼロトラストIP保護
半導体メーカーに競争優位性をもたらす独自のアーキテクチャ上の直感である、企業の設計「アルファ」は、サードパーティのトレーニングパイプラインに渡されることなく、顧客のファイアウォールの内側に厳格に維持される。
・エンタープライズグレードのコンプライアンスと保証
独立したSOC 2 Type II監査によって検証されており、厳格な企業監査基準を満たす継続的な統制モニタリングとゼロトラストアクセス制御(SSO/MFA)を備えている。
・きめ細かなクライアント側のデータ主権
デフォルトでの強固なマルチテナント分離と継続的なワークロード監視により、エンジニアリングチームがデータの可視性を制限できるようにする。
フィジカルAI向けのACIとFPGA
フィジカルAIの導入事例の多くでは、FPGA(Field Programmable Gate Array:製造後に構成を書き換えられる集積回路)が使用されている。エッジデバイスが新しい現実に直面した際に、その場で再構成できるからだ。しかし、FPGAのプログラミングには多大な時間がかかることがあり、希少なスキルを必要とする。そのため、CognichipはACIによるFPGA開発の高速化に大きな機会を見出している。
Cognichip ACIを使用すれば、ホワイトボードでの構想から、実際に動作するFPGAコードの作成までを数時間で完了できる。FPGA設計を高速化することで、開発者は5Gインフラ、自動運転の車載システム、産業用IoTなど、どのような分野でも、FPGA設計における従来の急な学習曲線に妨げられることなく、アプリケーションの開発に集中できるようになる。
今後の展望
業界が成熟するにつれ、企業はアーキテクチャの革新により多くの時間を費やせるようになり、新しい半導体の開発期間が短縮されて、特定の用途向けに2〜3倍の数の半導体を開発できるようになる時期が近づいている。まだその域には達していないが、私たちは今、実用化というゴールへの到達が間近に迫っている。


