自分を責めない
誰だって食べ過ぎることはある。ほとんどの人は、わざと食べ過ぎるわけではない(ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権に出場しているのであれば、話は別だが)。
食べ過ぎは、アダム・サンドラーの映画を観ることに似て、そのつもりがなくてもやってしまうことなのだ。実際、人は自分で考えているほどには食事をコントロールできない。いつ、何を、どれくらい食べるかということは、一緒にいる人や環境などの要因によって大きく変わってくる。
感謝祭の期間中、ダイエットし続けることは、きわめて難しいことなのである。食べ過ぎたことは、グレービーソースやパンプキンパイと一夜限りの関係を結んだに過ぎないと考えよう。時計の針を巻き戻して、食べ過ぎを消してしまうことはできない以上、起こったことを受け止めて前に進もう。それに後悔の念に浸り続けることは、体を動かして以下の対策に乗り出すことの障害になるかもしれない。
パニックしない
パニックが役に立つのは…いや、パニックが役に立つ場面などないし、むしろ状況を悪化させるだけかもしれない。ストレスは飢餓感に繋がりかねず、さらに食べてしまう恐れがある。パニックすると、判断力も鈍ることがある。大幅な体重増と肥満は、たった1日の大食いからではなく大食いが習慣化したことによって起きる。もし感謝祭の食事を1カ月間毎日続けたら…問題になるかもしれない。
運動し過ぎない
食べ過ぎると、その分を過剰な運動で相殺したくなるかもしれない。普段以上の運動に突然挑むと、怪我をしたり、心臓病のような重大な結果を招く恐れがある。何事も、ほどほどが肝心だ。子犬であれ、チョコレートであれ、食物繊維であれ、猫の動画であれ。
すぐに体重を量る必要はない
獲物を呑み込んだ直後のニシキヘビを見たことはあるだろうか? 呑み込んだ直後は、丸々と太って重そうに見える。人も同じで、何キロも食べると、完全に消化されて排泄される(具体的にどのように排泄されるかについては、説明すまい)までは、摂取した食べ物と水分は、一時的にあなたの体重となる。そもそも、体重は1日の中でも毎日上下している。重要なのは、ある日の体重ではなく、長期にわたる体重だ。
特別な薬やサプリメントを摂取しない
食べ過ぎの影響を安全に解消できる薬やサプリメントがあったら、誰もが競って買っているはずではないだろうか? 食べ過ぎに役立つと宣伝している商品は、警戒してほしい。
食事を抜かない
食べ過ぎた後で食事を抜くことは、食べ過ぎと断食というサイクルを生み出しかねない。食事を抜くと、余計に腹が減って、その結果、食べ過ぎてしまうことがある。また、断食をすると代謝が変化して、以前ほど多くのカロリーを燃やせなくなることがある。体がエネルギーを節約しようとするからだ。
食事を抜く代わりにすべきことは…。
できるだけ早く普段の食生活に戻ろう
1日のドカ食いは、普段は面白いテレビドラマのつまらない1話のようなものだ。早く普段の調子に戻れば戻るほど、つまらない1話のインパクトは薄れる。問題となるのは、どか食いをきっかけに、悪い方へと転がっていった場合だ(『ハッピーデイズ』でフォンジーがサメを飛び越えたシーンのように)。長い間避けることができていた悪習慣に、1度の食べ過ぎによって、再び陥ってしまうことがある。
従って、元に戻るのは早ければ早いほうがいい。また、急にたくさん食べると、矛盾するようだが、翌朝に普段より強い空腹感を覚えることがある。翌日は、食べる物に注意しよう。1夜限りの関係を結んだ翌日に、また1夜限りの情事に耽ったりしないように。
翌日からの数日間、少し食事を減らして、増えてしまった体重を落とそうとするのはかまわないが、極端に食事を減らしたりしないように。そういった食生活は長続きしないのだから。
体を動かそう
活発に体を動かすと、食べた物が下りて排泄しやすくなる。カロリーも燃焼できる。ただし、やり過ぎないように。
過剰な運動よりもむしろ…。
普段のエクササイズへ戻ろう
食べ過ぎると、体がだるくなって、食べ物の二日酔いのような症状に陥ることがある。体は、予想外の食べ物の洪水に懸命に対処しているのだ。その体でジムへ行ったり、普段通りのエクササイズをしたりするのは難しいかもしれないが、できるだけ普段通りに体を動かそう。
夜はゆっくり寝よう
パンパンに詰まったクッションになったように感じている時は、なかなか眠れないかもしれないが、睡眠は食べ物の消化と代謝を助け、不健康な食欲を抑えてくれる。
水をたくさん飲もう
水は代謝を助け、食べ物を下へ動かして体から出してくれる。塩分をたくさん摂ったなら――人は自覚している以上に塩分を摂っていることが多い――水を飲むことは、体のバランスを取り戻すのに役立つ。ジュースや炭酸飲料など、水以外の飲み物には、カロリーが多く含まれている場合があることに注意しよう。
前に進もう
今回のドカ食いと、それに伴う後悔の念や罪悪感、自己嫌悪、あるいはもう一度食べたいという欲求を、あなたはいずれ乗り越えることができるだろう。どか食いを習慣にしない限り、適量を食べるという、慣れ親しんできた食習慣へ戻れるはずだ。あなたが羽目をはずさない限り、普段の食習慣は、両手を広げてあなたを受け入れてくれるだろう。多分、来年の感謝祭までは…。