ジョンソンが言及したのは、ロシアが国連憲章第2条に違反してウクライナに侵攻したことを受けて西側諸国の金融機関が凍結したロシア政府の資金のことだ。
「ウクライナは勝利するだろう」。首相在任中もそれ以降もウクライナの民主主義と独立を支持してきたジョンソンはそう断言し、「だがわれわれ全員が真剣に取り組んで、彼らが必要とし、当然受け取るべきものを提供すれば、この恐ろしい戦争をはるかに早く終結させることができるだろう」と投稿を締めくくっている。
現職のアンディ・バーナム英首相も同様に、民主的なウクライナの防衛を推進し、反民主的な侵略者との対峙を力強く支援する姿勢を打ち出している。
ロシアがウクライナへの攻撃ドローン供与をめぐって英国への報復をほのめかした数日後、バーナムはロシアのロケット弾攻撃が激化するウクライナを訪問して長距離巡航ミサイルの組み立て設計図を自ら手渡すと発表。8月末に今回のジョンソンと同じ鉄道経路でキーウを訪れ、英仏が共同開発した巡航ミサイル「ストームシャドー(フランス名:スカルプ)」をウクライナと共同生産する計画を提示した。公式発表では、バンカーバスター(地中貫通団)の破壊力を備えるストームシャドーの「現地組立ラインをウクライナ国内に確立する」のをフランスが支援すると明らかにした。
バーナムのキーウ訪問に先立ち、在英ロシア大使館は、英国全土を標的とする脅しと受け止められる内容の投稿を行っていた。
テレグラムに投稿された挑発的なメッセージは、「キエフ政権が英国製ドローンを用いてロシア領土の深部を攻撃しているとの報道は、ロンドン(英国政府)が意図的にウクライナ危機の激化を選択していることの裏付けだ」と主張。「英国は、ウクライナのネオナチによる血なまぐさい犯罪やテロ攻撃の共犯者・共同実行者として振る舞い、代理勢力を通じてロシアを封じ込め、最大限の損害を与えようとしている」と断じたうえで、「ロンドンの行動は必然的な結果を招き、責任を問われることになるだろう。紛争への関与が深まり、キエフのテロ機構への支援が大きくなればなるほど、支払う代償も高くなる」と警告していた。
「リベラルなウクライナ」と「独裁的なロシア」が対立する戦争の指導者と戦略に詳しいアトランティック・カウンシルのディキンソンは、この新たな脅威について、欧州全域のウクライナ同盟国を対象としてプーチンが拡大したハイブリッド戦争の一環だと語る。
そして、この「影の戦争」の激化には、爆発物を搭載したドローンをドイツの空港に送り込んで西側諸国やウクライナの軍用機の近くに配置したことや、ミサイルをポーランド領内100km地点付近まで飛ばしたことも含まれると説明。一連の挑発行為はすべて北大西洋条約機構(NATO)の結束の破壊を目的としているが、NATO軍との全面戦争を誘発することまでは狙っていないとの見解を示した。


