通信アプリのテレグラムにウクライナ国鉄が投稿した逐次分析は、「ウクライナ・ポーランド国境で機関車を攻撃したジェット推進式のドローンは検知され、機関車が被弾するわずか15分前に、列車からの避難指示が出された」と続く。
「ロシア製ドローンの本来の標的は、外交列車であった可能性が極めて高い。ロシアによる絶え間ない攻撃の脅威に応じて運行スケジュールがリアルタイムで調整された結果、この外交列車は予定より早くヤホディン駅を出発していた」
国鉄当局は、走行中の列車がドローンやミサイルの標的となるのを防ぐため、常に運行ダイヤを変更し続けていると説明。「敵による攻撃の試みは後を絶たない」と付け加えている。
プーチンには、政治的に敵対した相手に対し「劇場型の暗殺」を行ってきた長い実績があり、英国に避難して安全を確保したかに思われた人物でさえ、ロシアで開発された特殊な毒物によって標的となった例がある。英キングス・カレッジ・ロンドンの研究者で、ロシアが西側諸国に対して仕掛ける「影の戦争(シャドー・ウォー)」に関する世界有数の専門家であるエレナ・グロスフェルドは、クレムリンの命令で民主主義活動家や亡命者が殺害された事例はシベリアの収容所から英首都ロンドンに至るまで広範囲に及び、プーチンの工作員によって実行されていると述べている。
名門キングス・カレッジのインテリジェンス研究センター(KCSI)に所属するグロスフェルドは以前の筆者とのインタビューで、プーチンの敵対者に対する暗殺は、現場がどこであれ国際的に禁止された化学兵器や放射性毒物を用いて行われ、「諜報機関が国家に代わって遂行する政治手腕の一形態だ」と語っていた。
民間人や外交官を標的とした空爆ならば、戦争犯罪に該当する。ジョンソン元英首相は、鉄道がドローン攻撃を受けた直後にロシアを激しく非難。「けさ、プーチンがポーランド国境で停車中のウクライナの機関車を爆破した動機が、一体どのような歪んだ論理によるものだったのか、私には理解できない」とX(旧ツイッター)上で憤りをあらわにした。
「確実に言えるのは、これがウクライナの人々が毎日耐え忍んでいる、無差別かつ無意味な攻撃の一例だということだ。民間鉄道でさえも標的となっている」とジョンソンは続け、「いつになったら、われわれは彼らに必要な防空システムを提供するつもりなのか。なぜプーチンの資金を凍結解除してウクライナに渡さないのか。ベルギーの銀行口座には1400億ユーロ(約25兆円)以上、ロンドンには約100億ポンド(約2.8兆円)が眠っている」と訴えた。


