マーケティング

2026.09.18 09:41

リブランディングはビジョンを「置き換える」のではなく「際立たせる」ために行うべきだ

Adobe Stock

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2025年にクラッカー・バレルがリブランディングを実施した際、同社は即座に強い反発を受けた。顧客も投資家も動揺した。ロゴを変えるという一見単純な行為が、結果的に同社の株価を9400万ドル(約146億円)分も下落させることになった。これこそが、企業のビジョンを見失ったままリブランディングを行うことの危険性である。

業界の変化に伴い、多くの企業がリブランディングへのプレッシャーを感じている。新たなテクノロジーへの移行もまた、企業に対してより現代的なアプローチやデザインを取り入れるよう圧力をかける。筆者も最近、自社でこれを経験した。しかし、我々には9400万ドル(約146億円)を失う余裕はなかった。旧来のデザインが、我々が構築していた新しい先進的なテクノロジープラットフォームの影に隠れてしまったため、リブランディングが必要であることは分かっていた。企業のビジョンに焦点を当て続けることで、我々は現実を見失わずにすみ、自分たちが何者であるかを忠実に保つことができた。

リブランディングのタイミングを見極める

ビジネスが長く存続すれば、いずれは誰もが恐れるリブランディングを経験することになるかもしれない。自社にとってその時が来たと気づく理由は無数にある。ブランドが時代遅れに感じられること、ビジネスモデルが変化したと気づくこと、あるいは現在の戦術では企業の独自性が伝わっていないと知ることなどはすべて、変革の時が来たことを示すシグナルとなり得る。大まかな目安として、ビジネスが大きく進化していると感じられるなら、ブランドもそれに合わせて進化させるべきだ。そうすることで、企業の信頼性を高めることができる。

私の会社では、ビジネスモデルが進化したため、変革の時が来たと認識した。我々の戦略はテクノロジーと精度に根ざしたものとなったが、ウェブサイトにはそれが反映されていなかった。顧客に提案している内容がウェブサイトに反映されていなければ、信頼や信用を失いかねない。顧客は往々にして外見で判断するものだ。だからこそ、その「表紙」が何を語っているのか、そして何よりも、そこに何を語らせたいのかを決める必要がある。

正しい理由でリブランディングを行う

企業のリブランディングに取り組む際、その「理由」を考慮することが不可欠だ。単に企業の見た目を取り繕うためだけにリブランディングを行うと、逆効果になることがある。2009年のトロピカーナに何が起きたかを見てみよう。同ブランドは、より現代的に見せるために象徴的なパッケージのデザインを変更したが、猛反発と売上の大幅な落ち込みにより、わずか1カ月余りで元のデザインに戻す計画を発表した。現代的に見せようと急ぐあまり、ブランドのリーダーたちは顧客にとって何が最も重要であるかを十分に考えていなかったようだ。顧客はパッケージに対して「深い情緒的な結びつき」を感じており、この突然の変更に不意を突かれた。中には、新しい外観のせいでスーパーマーケットの棚でその飲料を見つけられない人さえいた。

今日、ブランドは現代的であり続け、人工知能(AI)の活用を取り入れるよう、これまで以上に強い圧力にさらされている。しかし、顧客や自社のミッション、ビジョンを考慮せずにブランドを完全に変えてしまえば、混乱を招き、信頼に影響を及ぼしかねない。デザインの変更に着手する前に、なぜ変えるのかという根本的な理由、そして何より、何を変えずに残すのかを必ず見極めるべきである。

私の会社では、ファミリーストーリーが自分たちのアイデンティティにとって極めて重要であり、顧客が我々を信頼し、共に仕事をすることを楽しんでくれる理由の一部でもある。独自のプラットフォーム「ABEL」を立ち上げた際、私の曾祖父であるエイベル・ライスにちなんで名付けた。テクノロジー重視の姿勢を強める一方で、家族の遺産が確実に受け継がれ、人間味という要素を失わないようにしたかったのだ。

ビジョンを軸に据え、見失わないようにする

壊れていないものは直すな。企業のビジョンが強固であるなら、リブランディングにおいてそれを見失ってはならない。それを導きの力とするべきだ。企業が行うすべての活動は、ビジョンの実現へと近づけるものでなければならない。リブランディングの要素がビジョンから遠ざかっていると気づいたなら、軌道修正して元の道に戻るべきだ。

自らのビジョンをあらゆる活動のアンカーとして活用する企業は、目標を達成できる可能性が高くなる。リブランディングを成功させるには、競合他社と自社を明確に区別する要素を強調しながら、自社のビジョンを浮き彫りにする必要がある。そうすることで顧客との信頼関係が築かれ、確固たる信頼性が伝わる。単に見た目を取り繕うためだけにリブランディングを行う企業は、スマートに見える一方で、競争力を失うリスクを負うことになる。

リブランディングを戦略として捉える

リブランディングは、多くの企業がいずれ経験する困難な課題だが、すべてが成功するわけではない。企業がリブランディングを、単に派手な新しいロゴやデザインの変化として捉えると、失敗することが多い。ビジョンを強化するためのより大きな戦略の一部としてリブランディングに取り組む企業のほうが、成功する可能性は高い。

forbes.com 原文

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