読者が何を考えているかは分かっている。またどこかの創業者がモーニングルーティンについて語っているのだろう、と。5時に冷水浴をし、6時までにジャーナリングを済ませ、大半の人が朝食をとる前に受信トレイを空にする。断言するが、この記事はそうしたものではない。
私は意図的に朝の時間を確保している。1日の雑務に追われ始める前に、朝の最初の時間を心からの内省に充てるのだ。ビジネスにおける現在の立ち位置はどこか。チームは何を必要としているか。自分にしか前に進められない1つか2つの重要なタスクは何か。単純に聞こえるが、これを継続するのは驚くほど難しい。そして、これを怠った日は、少しではなく、明らかに状況が悪化する。
これは生産性向上のためのテクニックではない。ビジネスを「経営している」のか、それともビジネスに「振り回されている」のかという、決定的な違いなのだ。
起業したときに誰も教えてくれないことがある。それは、1日にはそれ自体のスケジュールがあり、こちらの都合などお構いなしに進むということだ。最初のメッセージが届いた瞬間から、つまりメール、Slackの通知、クライアントからの質問、社内で発生する緊急トラブル対応などによって、あなたはすでに受動的になっている。そして、受動的に対応している間は生産的に感じられる。勢いに乗っているように思える。動き、応答し、問題を解決しているからだ。しかし、終始対応に追われて過ごす1日は、ビジネスをただ維持するだけでなく、前進させるための本当の仕事が手付かずのまま終わる1日となる。そして、その損失は多くの創業者が気づくよりも早く蓄積していく。
そうしたことが始まる前の朝こそ、その日を何のために使うのかを自分で決められる唯一の確実な時間帯である。
前述の通り、私はこの時間を使って3つの問いを自分に投げかける。ビジネス上の立ち位置はどうなっており、今日自分が注意を払うべきことはあるか。チームが最高のパフォーマンスを発揮するために、私に何を求めているか。そして、他の誰でもなく、後回しでもなく、「今日、私」がどうしても対応しなければならない1つか2つの事柄は何か。この最後の問いが最も重要であり、同時に多くの創業者が決して問いかけないことでもある。成長中のビジネスを経営していると、すべてに自分の介在が必要であるかのように感じてしまうからだ。特に初期段階では、すべてを把握したいという本能が働く。私にもその本能はよく分かる。それが実際にどれほどのコストを支払うことになっているかを理解するまでに、認めがたいほどの長い時間がかかった。
すべての案件が創業者を経由するようになると、創業者がボトルネックになる。意思決定は滞り、業務は保留される。ビジネスは、その潜在能力ではなく、創業者の空き状況のスピードでしか進まなくなる。朝の時間を確保することは、思考の時間を確保することでもある。それと同時に、本当に自分の関与が必要なものはどれか、そして、手放すのが不安だからという理由だけで抱え込んでいるものはどれかについて、自分自身に正直になることでもあるのだ。
朝の時間はある「より広い視野の問題」に対処するのにも役立つ。創業者の注意を引く日々の大半は緊急の用件だ。そして緊急性は、それ以外のすべてを実際よりも重要でないように思わせる性質がある。クライアントからの問い合わせは、採用の決定よりも差し迫っているように感じられる。日々のオペレーションの問題は、18カ月後にビジネスがどこを目指すべきかという問いよりも即時性があるように思える。しかし、緊急なことと重要なことは同じではない。重要なことのためのスペースを確保しなければ、それは危機的状況になるまで延々と先送りされ続けることになる。
私はこれを「ビジネスの中で実務をこなすこと(working in the business)」と「ビジネスそのものを構築すること(working on it)」の違いとして捉えている。どちらも重要だ。しかし私の経験上、自然と引きずり込まれるのは、ほぼ例外なく前者だ。1日は日々の作業で埋め尽くされ、方向性やカルチャー、将来の展望に関する思考、すなわち真の戦略的思考は片隅に追いやられる。あるいは、全く行われなくなる。朝の時間とは、1日の忙しさに圧倒されて不可能になる前に、この不均衡を修正しようとする時間なのだ。
誤解しないでほしいが、厳格なルーティンや、特定の時間数、あるいは特別なメソッドが必要だと言っているわけではない。これが唯一の正しいやり方だと主張する人には、私は懐疑的だ。私が言いたいのは、1日に主導権を握られる前に時間を確保し、ただ反応するのではなく思考すること、そして単に声の大きいものに対応するのではなく何が重要かを問いかけること。真剣に意図的なビジネスを築こうとするならば、そうした時間の確保は決して選択肢ではなく、必須なのだということだ。
私が最も尊敬する、単に拡大するだけでなく長続きするビジネスを築いている創業者たちは、ほぼ例外なくこの時間を意図的に作っている。それは本で読んだからではなく、完全に受動的になり、コントロールを失っていると感じる時期を経て、ビジネスを実際に率いる唯一の方法は、ビジネスの先手を取ること(たとえそれがわずか数時間であっても)だと身をもって理解したからだ。
朝の時間ですべてが解決するわけではない。始まる前に予定が狂ってしまう日もある。重要なことを特定する余裕もないまま、緊急の用件に押し流されてしまう日もある。しかし、この時間を守るという規律を持ち、1日の最初の部分を真に神聖なものとして扱うことこそが、自分が主導権を握っていると感じる日と、ただ必死についていっているだけだと感じる日を分ける境界線なのだ。
そして成長中のビジネスにおいて、その2つの差こそがすべてである。



