経営・戦略

2026.09.18 09:16

シャープを率いる女性社長が語る、組織再生の本質

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私は1980年代に子供時代を過ごした。マイケル・ジャクソン、MTV、エディ・マーフィ、アタリ、バート・シンプソン、土曜朝のアニメなど、この10年間に生み出された文化的産物は、どれを挙げても私の人格形成期の懐かしい思い出を呼び起こす。頭に浮かぶ明確な「遺物」の一つが、モンタージュ(短いショットを組み合わせたシーン)だ。これは間違いなく、80年代映画における最高の90秒間と言えるだろう。誰もが諦めていたヒーローが、完璧でアップテンポなサウンドトラックをバックに、特訓、失敗、調整、そして再挑戦という目まぐるしい一連の流れを経て、形勢を逆転させる。そして、この反復プロセスによって、私たちのヒーローは見事に変身を遂げ、自らのポテンシャルを発揮できるようになるのだ。空手を学ぶことであれ(『ベスト・キッド』のダニエル・ラルーソー)、イメチェンによってスクールカーストを駆け上がることであれ(『キャント・バイ・ミー・ラブ』のロナルド・ミラー)、私は優れたモンタージュが大好きだが、グレース・ドーランはそれ以上に執着している。しかし、彼女がこの変身手法を好むのは単に娯楽としてではない。むしろ、モンタージュが約束するもの、すなわち、その登場人物の中にすでに存在していたポテンシャルの開花に惹かれているのだ。キャラクターに欠けているように見えたスキルや美しさ、その他のものは常にそこにあったのであり、それを引き出すために努力が必要だっただけだという考え方を、彼女は好んでいる。そして、この視点こそが、現在の彼女が組織と関わる際のアプローチのベースになっている。

ドーランはシャープ・ホーム・エレクトロニクス・カンパニー・オブ・アメリカの社長であり、サムスン、フロンティア・コミュニケーションズ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、そして現在のシャープにおいて、20年近くにわたり組織の立て直しに取り組んできた。私は、ドーランが90秒ではなく20年間をかけて、彼女自身のバージョンの「モンタージュ」を実行するのを見てきた。彼女がアメリカのビジネス界を席巻する前、私たちはミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスのMBAプログラムの同級生だった。そこで私たちは、ポッドキャスト番組「FROM THE CULTURE」に彼女を招き、組織の立て直しに何が必要で、どのように成功させるのか、その舞台裏、いわば「ディレクターズ・カット版」を語ってもらった。

ドーランは自身を「根っからの楽観主義者」と表現しており、その楽観主義こそが、彼女が組織の立て直しを進める際に行路を照らす光となっている。彼女が企業に加わるのは、その組織やブランド、製品に「何か良いもの」が宿っていると信じているからだ。立て直しは、完璧さの確信ではなく、ポテンシャルを信じることから始まる。ドーランは一度ポテンシャルを見出すと、真実に目を向ける。あまりにも多くの企業が、実際の問題を診断することなく、対症療法にエネルギーを注ぎ込んでいると彼女は主張する。例えばシャープでは、彼女が詳しく調査するまで、チームは予測精度の低さを営業部門のせいにし続けていた。しかし実際には、人材の問題ではなく、コミュニケーションのギャップが原因だった。予測精度の低さは症状にすぎず、コミュニケーションこそが真の問題だったのだ。症状だけを治療していると、次の四半期にもまた同じ問題に不満を漏らすことになる。

ドーランにとって、立て直しが本当に始まるのは、どれほど不快なことであっても、すべてをテーブルの上に並べ、自分たちの現在の立ち位置という真実を直視したときだけだ。しかし、ここに秘訣がある。何かが機能していないとき、ドーランの最初の本能は、それを単に切り捨てることではない(少なくとも最初は)。代わりに彼女が取るアプローチは、そこにあるもの(良いものも壊れているものも含めて)の棚卸しを行い、既存の強みを最大限に活かすためのさまざまな可能性の組み合わせを検討することだ。これは、レゴブロックの異なる組み合わせ(その組み合わせは9億1510万3765通りにのぼる)を再構想するのに似ている。シャープにおいてそれは、同社の並外れたイノベーションの歴史(例えば同社はシャープペンシルを発明したが、ドーランによれば、これこそが文字通り「シャープ」という社名の由来である)に立ち返り、その歴史を現代的な枠組みの中でどのように刷新できるかを自問することを意味した。このレンズを通せば、過去はノスタルジーではなくコンテキスト(文脈)となり、このコンテキストこそが、企業が可能性を再構想することを可能にするのだ。

しかし、これらはすべて、人々が安心して真実を語ることができる組織文化がなければ不可能だ。ドーランは、自身のキャリアにおけるこの不変の教訓は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「我が信条(Credo)」のおかげであるとしている。これは、同社の共同創業者であるロバート・ウッド・ジョンソンによって執筆された、会社の倫理と優先事項を定めた文書だ。彼女はポッドキャストの回で、ジョンソン・エンド・ジョンソン在籍時の極めて重要な会議において、若手社員が「我が信条(クレド)に反する」と感じられる決定について懸念を表明したことを振り返った。ドーランの回想によれば、即座にその場にいた全員が議論を止め、指摘された不一致の分析を始めた。彼の発言を遮る者や、若者の青臭い意見として片付ける者は誰もいなかった。全員が真剣に向き合ったのだ。それこそが、組織の立て直しが起こり得る文化的な環境なのだと彼女は実感した。人々が誠実であることを奨励されるとき、良い変化が生まれる。なお、近年、ジョンソン・エンド・ジョンソンが「我が信条(クレド)」に反すると思われる決定による製品への懸念から窮地に立たされていることは注目に値する。この事実は、組織の文化的環境が静的なものではなく、動的なものであることを強調している。注意を怠れば、自分たちをつなぎ留めている大黒柱のような信念から離れていってしまう可能性がある。

これは極めて重要な点である。なぜなら、組織の立て直しにおいて、すべてのものが変わるわけではないからだ。実際、一部のものは変わらずに残り続けることが極めて重要である。ジョンソン・エンド・ジョンソンにとっては、同社の「我が信条(クレド)」だった。シャープにとっては、イノベーションへのコミットメントかもしれない。どのようなケースであれ、これらは状況やタイムラインに関係なく、立て直しの過程において組織内で維持される部分である。ドーランの立て直しへのアプローチは、新しいスキルやテクノロジーに関するものではない。少なくとも最初はそうだ。彼女のアプローチは、視点と方向性に関するものである。組織の信念という不変の特徴が、組織の方向性を導く視点を提供し、そこにスキルやテクノロジーを割り当てたり、レベルアップさせたりすることができる。真実(真の問題)を見極め、組織の信念を適用してその問題を解釈した上で、組織のエネルギーをそこに投入していくのだ。

ドーランの定義によれば、立て直しとは、何かを崖っぷちから救い出すことというよりも、組織が自らの姿を完全に見出せるよう加速させることである。彼女が就任したとき、シャープが破綻しかけていたわけではない。ただ、そのポテンシャルを十分に発揮できていなかっただけだ。優れたモンタージュで解決できないことなど何もない。

ポッドキャスト番組「FROM THE CULTURE」の最新エピソードで、グレース・ドーランとの対談の全編をチェックしてほしい。

forbes.com 原文

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