多様性は政治的な対立の火種であり続けている
多様な人材を抱える企業ほど革新的な製品を生み出していると考える割合を党派別に見ると、民主党支持層では94%に上ったのに対し、共和党支持層では46%にとどまった。
多様性やDEIプログラムは政治的な対立の火種であり続けているが、今回の調査結果は、従業員の多様性に対する受け止め方が党派を問わず肯定的なものになりつつあることを示している。米国企業における現代の多様性推進プログラムは、公民権法や1960年代のアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)の義務化に端を発している。しかし、ビジネス界がDEIを重要視するようになったのは2010年代に入ってからのことだ。2020年のジョージ・フロイド殺害事件をきっかけに、DEI推進の宣言や、職場の「公平性」に関する目標を設定する企業が急増した。
トランプ政権が連邦機関で廃止、大手企業は2024年からDEI縮小
しかしその後、企業のDEIプログラムに対する法的な異議申し立てや監視の目が強まり、2025年にはドナルド・トランプ大統領が連邦機関におけるDEI関連の政策、プログラム、役職をすべて廃止する大統領令に署名するに至った。この大統領令は、多様性や環境正義に関する業務に携わる従業員を報告することも各機関に義務付けている。
2024年頃から米国の主要企業は保守派が主導する不買運動をきっかけにDEIプログラムの縮小を始め、その動きは2025年に入ってさらに加速した。全米で2500店舗近くを展開するトラクター・サプライは、顧客からのフィードバックを理由にすべてのDEI関連職を廃止し、Pride Festivalなどに対するスポンサーシップを打ち切った。
また、ビジネス上もしくは政治状況の変化を理由に、ジョン・ディア、ハーレーダビッドソン、ロウズ、ターゲット、フォード、ウォルマートなどの企業もこれに続いた。メタやアマゾンもアファーマティブ・アクションに関する連邦最高裁の判決や新たな政府の指針を受けてDEI専任の従業員数を減らし、マイノリティが主導する特定のサプライヤーへの資金援助も段階的に廃止した。


