「好きなことをして生きよう」「やりたいことを仕事にしよう」。そんな言葉が当たり前になった一方で、選択肢が多すぎるからこそ、「何を選べばいいのかわからない」と迷う人も増えている。
『自由過多 「何でもできる」時代を迷わず生きる技術』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成し、「やりたいことが見つからない」と悩んでいた26歳のカレンさんのエピソードを紹介する。
「いつか100に出会える」と思い続けることが、苦しさの原因だった
「好きなことはいっぱいあるんだけれど、どれも60くらいで100にならないというような感覚なんです」
26歳のカレンさんは、そう言って小さく笑った。
人材に関わる仕事も好き。文章を書くのも読むのも好き。旅も好き。人と話すのも好き。
でも、どれも「これだ!」という感じにはならない。ひとつに突き抜けない。
カレンさんは大学生になって、初めて自分に「やりたいことがないかも」と気づいた。高校までは部活も勉強もゴールが明確で、頑張ればよかった。
けれど大学に入ると、頑張るベクトルを見失ってしまった。
周りを見ると、「これが好き」と明確に言える同世代がいる。
やりたいことをはっきり持っている人たち。地元では、あまり見なかったタイプだ。でも、東京には、自分の「好き」を明確に持っている人がたくさんいた。
刺激を得るために学生団体に入ってみた。旅の魅力を伝える活動。今まで接したことのない世界に触れられることが面白かった。ブログを書き、文章が好きだと気づいた。Facebookで長文の自己紹介を読んだり、文章で表現したりするのが好きだった。人の内面について書かれた文章を読むのも、自分で書いたりするのも好きだとわかった。
でも、どれも「100」ではなかった。
「本当に文章が好きな人は、小説家を目指すし、編集者になる。でも、私はそこまでじゃない。好きだけど、それ一本で生きていくほどじゃない。60くらい」
就職してからも、その感覚は続いた。人の話を聞いて、その人のキャリアを考える。楽しい。文章を書くこととある程度被っている。ゆるやかな満足感がある。
でも、悩む。



