同社は、1株当たり利益を当初のアナリスト予想4ドル09セントを大きく下回る2ドル45セント~2ドル85セントと下方修正し、既存店ベースの売上高も前年比8~11%減の大幅減収となる見通しを明らかにした。来年の売上についても、集団食中毒の影響で「先行きが見えない」としている。
当局への報告書によると、11月は既存店売上高が16%の減収、米疾病管理予防センター(CDC)が感染拡大を宣言した同月20日以降は22%減と最悪の結果となった。
さらに先日、投資家らに追い打ちをかけるような悪い報せがもたらされた。チポトレが発生元と疑われる大腸菌による集団食中毒が、更に3つの州へと広がったとCDCが発表したのだ。感染者は、ワシントン州を皮切りに、オレゴン、カリフォルニア、ミネソタ、ニューヨーク、オハイオ、イリノイ、メリーランド、ペンシルベニアの9州で52人に上り、うち47人が発症する前の週にチポトレで食事をしたと言っている。
新たに報告された7人については、5人が11月に、後の2人は10月に発症したとされる。最も最近発症した3人の患者のひとりは、11月10日に具合が悪くなり、その日から逆のぼって1週間以内にチポトレで食事をしていたという。発症者全体で20人が医療機関に入院しており、今のところ死者は報告されていない。
大腸菌による集団食中毒は、最初に10月にワシントン州シアトルとオレゴン州ポートランドで報告され、保健当局はこれらのケースにチポトレの11店舗が関与しているとした、チポトレは、その時点で該当地域のレストラン43店を自主的に営業停止にしたが、その後、店舗の営業を再開している。
同社の共同創業者スティーブ・エルスCEOは述べた。「この度、感染が確認された方々には深くお詫びを申し上げます。今後このような事態が二度と起こることのないよう、全力で食の安全に努めていく所存です」
チポトレは、同社における食の安全を厳重に管理するため外部からコンサルタントを招いて独自のプログラムをつくり、CDCとFDA(米食品医薬品局)による徹底的な調査にも対応している。
下落する株価に歯止めをかけるため、同社は先日3億ドルの自社株買戻しを承認した。12月4日の時間外取引で、チポトレの株価は6%下落して561ドル20セントで取引を終え、年初来23%の下落となった。