「自分に合う選択肢を、ちゃんと選びたい」。そう思うほど、かえって何を選べばいいのかわからなくなってしまうことがある。博報堂若者研究所の山崎茜研究員とボヴェ啓吾所長は、「ちゃんと選べば、正解にたどり着ける」と思い込んでしまう、現代の落とし穴を指摘する。
『自由過多 「何でもできる」時代を迷わず生きる技術』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成し、AIが「正解」を返してくれる時代に気をつけるべきことを解説する。
「自分のことを自分で決められる」快適さとしんどさ
これまでは、うまくいかなければ「時代のせい」「環境のせい」「家族のせい」にできる部分があった。
会社が傾いても、婚期が遅れても、自分だけですべての責任を負うものではなかった。
その「失敗」に対して家族や、周りの人も当人と一緒に責任を負い、共に解決を目指していくような感覚があった。
だが今はそうではない。
「自分で選べる時代」だからこそ、うまくいかなかったときの矛先が、まっすぐ自分に向く。
「自分は自分、他人は他人」「自分の道は、自分で探すしかない」という意識が高まっているのだ。
しかし今は情報があふれる時代。「より良い選択」のヒントはいくらでも手に入る。
セオリーや診断コンテンツから始まり、成功者の体験談、初心者向けマニュアルなど様々だ。
診断に基づいた美しさ・かわいさの理想像と、それを手に入れるための手段があふれかえっている。
その〝正解〟を手に入れていないと「自己責任」や「努力不足」になってしまう。



