マーケット

2026.09.17 17:30

ナイキ株はアクティビストの「格好の標的」、だが乗り越えるべき壁がある

ThamKC - stock.adobe.com

ナイキ株には、アクティビストが通常求める要素がある

わかりやすいアクティビスト向けのプレゼンテーションなら、株価チャートから始まり、市場シェアの喪失と中国に話を移し、最後に資本配分に着地するだろう。ナイキの取締役会は2022年、180億ドル(約2兆7900億円)の自社株買いプログラムを承認した。2026会計年度末までに、同社は1億2440万株を平均97.57ドル、総額約121億ドルで買い戻した。その後、取締役会は有効期限を定めずに残りの授権枠を再承認した。

advertisement

株価が30ドル台後半近辺にあるのを見ると、こうした買い戻しを振り返るのは痛みを伴う。ただし、私は後知恵を軸にアクティビストの論陣を組み立てるつもりはない。失われた資金は戻らない。有益な問いは、ナイキが今後の追加資本をどう配分・活用していくかである。優れたアクティビスト・キャンペーンは通常、そこから始まる。

ナイキは株価が大幅に安くなったから余剰資本を自社株買いに使うべきなのか。製品イノベーション、アスリートとの関係、中国、店舗、卸売支援、テクノロジーにより多くを振り向けるべきなのか。経営陣は堀を再構築するために十分に投資しているのか、それとも、もはや存在しない成長を守るために過剰に費やしているのか。ナイキはそれぞれの選択肢にどのようなリターンを見込んでいるのか。そして株主は、事業再生が機能しているかを判断するまで、どれほど待つことを求められているのか。

これらは取締役会に資本配分を抽象論として語るのをやめさせるため、答えにくい問いである。アクティビストは、自社株買いは有害だ、あるいは投資は善だと主張する必要はない。必要なのは、これから先、投入されるすべての資本が最大の投資リターンを生む用途へ振り向けられていることをナイキに証明させることだ。それははるかに厳しい基準だ。

advertisement

ナイキ株にはポートフォリオ上の問いもある

コンバースもまた、注目すべき明らかな対象だろう。ナイキの2026会計年度決算によると、コンバースの売上高は約11億7000万ドル(約1810億円)で、前年から大きく減少し、2024会計年度を大きく下回った。

私は、ナイキが明日にでもコンバースを売却すべきだと主張しているわけではない。アクティビストは、活動と改善を混同すると価値を破壊しかねない。弱った資産を売ればプレゼンテーションはすっきり見えるかもしれないが、それが自動的に賢明な資本配分になるわけではない。だが、ヒルの戦略がナイキをスポーツへ回帰させることを軸にしているなら、コンバースは歴史的にそこに属しているからという理由で維持されるのではなく、ポートフォリオ内で自らの居場所を獲得しなければならない。

次ページ > 問題を見つけることが難しいわけではない

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事