経営・戦略

2026.09.17 15:46

自動化が進むほど、対面の価値が増す──B2B時代の信頼構築論

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企業が顧客とのコミュニケーションを自動化するとき——かつては電話をかけるきっかけとなっていた見積もりや、いまではチャットボットが対応する問い合わせなど——コスト削減効果はすぐに、そして明確に現れる。しかし本当のコストは、もっと遅れて顕在化する。小さなやり取りこそが、サプライヤーが顧客の信頼を勝ち取る場だったからだ。とりわけB2B市場において、予算上には現れないその信頼こそが、プロジェクトの最も重要な局面で関係を支えている。

顧客とのコミュニケーションの自動化を承認する経営幹部は、そうしたやり取りが失われた後、自社の信頼がどこから生まれてくるのかも決めておく必要がある。

大きな決断は何によって支えられるのか

B2C市場では、信頼は薄いままでも構わない。明確な返品規定さえあれば、見知らぬ者同士の間で初回購入は成立する。B2Bはその逆をいき、その違いは大きなコミットメントの瞬間に最もはっきりと表れる。ある企業が新しい生産ラインを購入するかどうかを検討している場面を考えてみよう。この選択は一見、技術的かつ財務的なものに見える。だが最終的には、より数値化しにくいものに左右される——すなわち、そのサプライヤーは、据え付けが必ずぶつかる問題、マニュアルに書かれておらず契約書もカバーしきれないような問題が起きたとき、なお連絡がつき、道理をわきまえた対応をしてくれるのか、という点だ。買い手はそれを、デューデリジェンスの資料からではなく記憶から判断する——面倒なく処理された小さな注文、紛争になる前に電話一本で解決された不具合、といった記憶からだ。ささやかな仕事をきちんとやり遂げたサプライヤーは、より大きな仕事を任される。

ただし、これがどれほど重要かは事業によって異なる。単純な製品を大量に販売する企業は、まったく実感しないかもしれない。一方、プロジェクトが何年にもわたって続き、評判が口コミで広がっていくような企業は、信頼のわずかな摩耗を、しかも最悪のタイミングで痛切に感じることになる。

対面接触に予算を投じる価値

多くの企業にとって、対面での顧客接触は明らかな節約対象になってきた。効果を測るのが難しく、予算が厳しくなれば削りやすい。営業チームが日常的な接触の流れの中で信頼を築いている間は、顧客訪問や展示会出展を控えてもコストはほとんど発生しなかった。だが、それは変わった。まさにその「日常的な接触の流れ」こそが、今まさに自動化によって奪われようとしているからだ。

だからこそ、計画され予算化された機会——展示会での会話や、わずかに良好な仕事上の関係以外には測定可能な成果を生まない会食——は、企業がかつては意識せずとも得られていたものを、意図的に代替する場となる。難航しがちなプロジェクトの円滑な進行を期待しながらこうした機会を削る企業は、そもそもその円滑さがどこから来ていたのかを忘れてしまっている。

個人的なコミュニケーションを通じて信頼を築く上で、経営幹部は特に重要な役割を果たす。取締役、あるいはオーナー自身が顧客のもとに直接足を運ぶとき、その訪問は営業チームからのどんなメッセージにも勝る重みを持つ。その場にいる誰もが、その人物の時間がどれほど貴重かを知っているからだ。市場全体で日常的なコミュニケーションがソフトウェアへ移行するにつれ、そうした訪問はかつてよりも際立った意味を持つようになる。なぜなら、それ以外の多くのことが、もはや人間を必要としなくなったからにほかならない。

自動化前に決めておくべきこと

顧客対応プロセスを自動化する前に、あらかじめ整理しておくべきことが3つある。

1つ目は、自動化によって実際に何が失われるのかということだ。誰も価値を見出していない事務的な作業なら、判断は容易だ。しかし、たまたま顧客が自社の担当者と話す数少ない接点となっている短いやり取りは、より難しい判断となる。両者を同じ理屈で削るべきではない。

2つ目は、代わりにどこで関係を築くのかということだ。営業チームが「関係構築に注力する」と言うだけでは計画にならない。計画とは、具体的な場を指定するものだ——共同でのプロジェクトレビュー、あるいは実際のプレッシャーの下で互いの動きを見合える程度の小規模なパイロットプロジェクトなど——そしてそれをカレンダーに書き込むことだ。

3つ目は、自動化が及ばない、プロセスの縁で何が起こるかということだ。その縁にたどり着いた顧客が見出すべきなのは、判断を下せる人間であって、システムへと再び戻されるループではない。問題が起きる前にその人物が誰であるかを知っていること——それ自体が関係の一部なのだ。

自動化では代替できないもの

これらは自動化に反対する議論ではない。効率化には価値があり、それを取り込む企業はより優れた経営を実現するだろう。だが効率性は、大規模かつ複数年にわたるプロジェクトへ顧客がコミットする前に必要とする信頼を、生み出すことはできない。その信頼はかつて、いま機械に取って代わられつつある日常的な人間同士の接触から生まれていた。だからこそ今後は、意図的に、人によって、なお人間のために残された数少ない機会の中で築いていかなければならない。このことを理解する企業は、そうした機会を意義ある投資と捉え、それを支える予算を守るはずだ。

オラフ・プレットナーはESMTベルリンの経営実務教授であり、同校のブリンギング・テクノロジー・トゥ・マーケット(BTM)センターのディレクターを務める。研究および教育の焦点は、グローバルB2B市場における戦略経営。2010年から2017年までESMTのエグゼクティブ教育担当ディーンを務め、以前はボストン コンサルティング グループでコンサルタント、シーメンス(Siemens AG)でディレクターとして勤務した。

forbes.com 原文

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