リーダーシップ

2026.09.17 15:38

不確実な時代、リーダーはどうすれば「部下のモチベーション」を再考できるか

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絶え間なく変化する現代のビジネス環境において、不確実性は「新たな常態(ニューノーマル)」となっている。人工知能(AI)、組織再編計画、市場のボラティリティ(変動性)は、組織とその従業員に混乱をもたらしている。しかし、調査機関ワイリー・ワークプレイス・インテリジェンス(Wiley Workplace Intelligence)の調査によると、モチベーションは不確実な時代にあっても消失するわけではない。むしろ、変化するのだという。

「従業員は出社し、貢献し続け、適切な条件下では卓越した成果さえ上げる。しかし、その理由はリーダーが予期しているものとは異なる」とワイリー・ワークプレイス・インテリジェンスは指摘する。同調査によると、不確実な状況下における従業員のモチベーション要因の上位3つは、「学習と向上の機会」「チームの成功へのコミットメント」「自分の仕事が違いを生み出しているという実感」だった。さらに、回答者の93%が、リーダーが従業員の実際の経験(従業員体験)を把握していない場合、モチベーションが低下すると報告している。

この調査が浮き彫りにしているように、モチベーションを理解し、それを維持する方法を再考することは、組織の成功に不可欠だ。では、リーダーはどのようにして、従業員が変化の中でモチベーションを維持し、最高のパフォーマンスを発揮し続けられるよう支援すればよいのだろうか。

1. 本音で話せる場をつくる

リーダーシップコーチであり、著書『Contagious Confidence(伝染する自信)』の著者であるジュリー・スミスは、リーダーが状況の変動に対して「確実性」を提供しようとするとき、調査で指摘されているような「乖離(ディスコネクト)」が生じると指摘する。「従業員は、リーダーの言葉と自分自身が体験している現実との間のギャップに敏感だ」と彼女は語る。「誤った安心感を与えることは、信頼を損なう。善意からであっても、逆効果なのだ」

スミスは、変動の中でもモチベーションを維持できるチームとそうでないチームの違いを説明するために、「安全ではない不確実性」と「安全な不確実性」の区別を提示している。「安全ではない不確実性は恐ろしいものだ。行く先が見えず、不安に苛まれる」と彼女は言う。「一方で、不確実だが安全な状態は異なる。行く先は見えないが、次に起こるかもしれないことを前向きに受け入れられる」。後者の状態こそが、先行きが不透明なときに従業員のモチベーションを維持させるものだという。「不確実性を排除することはできない。しかし、それが原因で従業員が心ここにあらずな状態になるのを防ぐことはできる」と彼女は主張する。

では、リーダーは具体的にどのようにして「安全な不確実性」の環境をつくり出せばよいのだろうか。スミスのアドバイスは、本音で話せる場をつくることだ。それは「不安を共有し、不確実性を認め、可能性を共に模索する会話」の場である。

2. リーダー依存を避ける

コーチング会社ランスストーン(Lancestone)の創業者であり、著書『Breaking Out Of Founders’ Prison(創業者の牢獄からの脱出)』の著者であるデニス・カイパースは、不確実な時代には、リーダーに依存している組織と、その依存がチームに与える影響にスポットライトが当たると指摘する。「すべての意思決定、プロセス、説明責任がトップに集約される構造は、困難な時期にさらに強化される可能性がある」とカイパースは言う。「その結果、チームから主体性と信頼のレイヤーが奪われ、問題解決の場に参加できなくなってしまうのだ」

ワイリー・ワークプレイス・インテリジェンスの調査によると、従業員の90%が、自分の働き方を自分でコントロールできることがモチベーション維持につながると回答している。リーダーに依存する構造は、チームのモチベーションを低下させるだけでなく、メンバーが問題解決、コラボレーション、イノベーションのための独自の能力を培う機会をも阻害するとカイパースは指摘する。さらに彼はこう付け加える。「このようなプロセスは、リーダー自身のモチベーションにも悪影響を及ぼす。トップへのプレッシャーが重なることで、孤立やボトルネックが生じるからだ」

困難な時期にチームのモチベーションとパフォーマンスを維持するために、リーダーは意思決定を分散させ、信頼を構築し、チーム全体の主体性を高めるプロセス主導型の構造を構築しなければならない、とカイパースは主張する。

3. 実験の機会を提供する

変革ストラテジストであり、著書『Experimental(実験的)』の著者であるアメール・ハルブーニは、不確実性が新しいことに挑戦しようとする個人の意欲にどのように影響するかを強調している。「人は通常、一晩で怠惰になったり、やる気を失ったりするわけではない」と彼女は言う。「むしろ、状況が不確実になると、身を守る傾向が強まるのだ。身を潜め、リスクを避け、より明確な指示を待つ。私はこれを『大凍結(ビッグフリーズ)』と呼んでいる。脅威のレベルが高く、主体性のレベルが低い空間のことだ」

ハルブーニは、チームのモチベーションを高めたいリーダーは、まず従業員が実験できると感じられる環境を育む必要があると強調する。「従業員に大胆さ、創造性、レジリエンス(回復力)を求める前に、脅威のレベルを下げ、チームの主体性を取り戻さなければならない。それは、より明確なガイドライン(ガードレール)を与え、より多くの裁量権を与え、リスクとみなされかねないことに挑戦するための、より安全な方法を提供することを意味する」

実験は、従業員が不確実性に対処するための実践的な方法を提供する、とハルブーニは考えている。「チームが検証し、学び、適応できるようになると、不確実性によって奪われていたコントロール感、自信、勢いを取り戻し始める。モチベーションはそこから生まれるのだ」

4. 内発的動機づけに火をつける

オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクールのジェネレーショナル・サクセス・ラボ(Generational Success Lab)創設者であり、レガシーの専門家であるシャラス・ジーヴァン(OBE:大英帝国勲章受章者)によると、「モチベーションとパーパス(目的意識)の危機」への対処は、今日のリーダーにとって重要な関心事だという。彼は2つの問題が絡み合っていると主張する。1つは、働く大半の人々がそもそも自身の目的を定義できていないこと、もう1つは、その人々が自分を最も深く動機づけるものに時間を費やせていないことだ。

不確実な時代には、金銭的な報酬や昇進、さらには雇用の安定に対する信頼といった外発的な動機づけ要因は信頼性が低くなる。「だからこそ、チームのパフォーマンスを維持できるかどうかは、リーダーがモチベーションを外発的な要因から内発的な要因へとシフトさせられるかにかかっている。つまり、人々が目的を見出したり再確認したりするのを助け、好奇心を育み、マスタリー(習熟)を追求できるようにすることだ」とジーヴァンは言う。

不確実な時代におけるモチベーション

ワイリー・ワークプレイス・インテリジェンスの調査は、今日の複雑な経営環境において、リーダーは優先事項や方針の変化、さらには不安定な経済状況の中で決断を下さなければならないことを認めている。そして、その結果として生まれるのが「人々が自然に快適だと感じるレベルを超えるほど、アジャイルな(機敏な対応を求められる)労働環境」であると指摘している。

こうした状況を考慮すると、リーダーがより共感的なチームを構築することが極めて重要になる。また、将来がどうなろうとも、チームが適応し繁栄していけるように、必要なスキルセットやマインドセットを備えられるよう、人材開発への投資を行う必要がある。

forbes.com 原文

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