この成長を大きく担うのは何といっても放映権料をはじめとするライセンスビジネスだ。高騰するメディア放映権料バブルがはじけたとしても、放映料の支払いは続く。フィラデルフィア・フィリーズの放映権料収入は、昨年コムサット・スポーツネットと結んだ新たな契約で、年間2,500万ドルから一気に1億ドルに跳ね上がった。
また、ライセンスビジネスに関する情報を提供する米「The Licensing Letter」は、MLB関連のアパレル商品の売上げが、年間で30億ドルを超えたとしている。今年、MLBが新たに獲得したスポンサー契約料は、契約期間満了までに2億2,500万ドルから2億7,500万ドルをもたらすことになる。
30球団のオーナーが共同出資で設立したオンラインビジネス運営会社「MLB アドバンスト・メディア」は、「MLVテレビ」や「MLB.com At Bat」のオンラインサービスで350万人を超えるユーザーを数える。中でもiPhoneやiPadで使えるスポーツアプリとして最高売上を叩き出す「MLB.com At Bat」は、2013年の1,000万ダウンロードという記録を更新し、昨年は1,100万回ダウンロードされた。
観戦者数は、昨年の約7,400万人が大リーグ史上7番目に多い数字になった。MLBの歴史においても、過去10年は、観客動員数の最も多い10年だった。
2016年がMLBにとってバラ色の1年になることに、疑いの余地はない。FOXスポーツ・アリゾナと契約したアリゾナ・ダイヤモンドバックスは、2015年までの8年間で2億5,000万ドルという契約期間の満了後、新たな契約で2016年以降の5年間で、15億ドルの放映権料を得ることになる。
地元のスポーツをネットワークでサポートする各地のFOXスポーツが流す映像の放映権料は15のクラブチームに分配される。また、MLBは、MLBアドバンスト・メディアから新たにスピンオフしたIT・情報サービスの米BAM Techとのパートナーシップを間もなく発表する。