アンソロピック(Anthropic)の「Claude」が、金融アドバイザーの業務で使われる既存の金融サービス基盤との接続を広げている。チャールズ・シュワブの顧客口座データに加え、ブラックロックやバンガードが提供する運用関連情報などをClaudeから利用できるようにし、資産運用業務へのAI導入をさらに進める。
AIによる代替懸念で売られたシュワブ、7カ月後にはClaudeの提携先へ
金融アドバイザー向けAIツールへの警戒が広がった2026年2月、シュワブの株価は1日で7.4%下落した。同じ日、独立系金融アドバイザー向け資産管理プラットフォームのAltruistがAIを使った税務計画機能を発表し、Raymond Jamesは8.8%、LPL Financialは8.3%下落した。
投資家が懸念したのは、AIが金融アドバイザー会社の業務を代替し、各社が顧客から受け取る手数料収入を圧迫する可能性だった。
それから7カ月後、状況は異なる方向へ動いた。アンソロピックは金融アドバイザー向けのAI製品を投入し、シュワブはClaudeを金融アドバイザーへ広げる提携先となった。
Claudeが11の金融サービス基盤に接続、面談準備や資産運用業務を支援
アンソロピックは2026年9月14日、金融アドバイザー向けの接続機能と業務用タスクをまとめたClaude for Financial Advisorsを発表した。同社によると、プラグインは同日から利用でき、Enterpriseプランの利用を推奨している。
Claude for Financial Advisorsは、金融アドバイザーが日常業務で使う11のプラットフォームとの接続機能を備える。対象にはシュワブ、ブラックロック、バンガード、Envestnet、SS&C Black Diamondなどが含まれる。
接続先から取得できる情報はサービスによって異なる。Claudeは顧客口座データ、モデルポートフォリオ、ファイナンシャルプラン、顧客との面談記録などを業務に利用できる。
たとえばシュワブとの接続では、顧客口座の残高、保有資産、取引情報などを扱える。Claudeは今回の発表以前から、Microsoft 365、Salesforce、FactSet、S&P Global、Morningstarなどにも接続できた。
用意された業務用タスクには、顧客との面談準備、面談後の記録作成、ポートフォリオのリバランス確認、相続・税務情報の整理、コンプライアンス確認などがある。
アンソロピックはKitcesの調査を引用し、一般的な金融助言会社が顧客との面談に使う時間は、業務時間全体の6分の1にすぎないとしている。それ以外の時間の多くは、面談の準備や記録作成など周辺業務に費やされる。
シュワブは1万6000社超の独立系投資顧問会社への導入を支援
シュワブも同じ2026年9月14日に発表を行った。アンソロピックとシュワブは、顧客資産の保管先としてシュワブを利用する1万6000社超の独立系登録投資顧問会社へClaudeを提供すると説明している。
シュワブによると、Claudeは金融アドバイザー会社がすでに業務基盤として使っているソフトウェアと組み合わせて利用できるよう設計されている。
アンソロピックは、Claude for Financial Advisorsを導入した会社数を明らかにしていない。2026年9月末までに新たなライセンスを申請した会社には、1回限りの利用クレジットが付与される。



