ビジネス

2015.12.11

ビッグデータから知るべき事を抽出

Desiree Walstra / shutterstock

今の時代、欲しいものをすぐに手に入れるのは、とても簡単だ。携帯電話をさっと取り出して、アプリを使って、タクシーからピザまで注文できる。
しかしながら、「欲しいもの」と「必要なもの」の間には、大きな違いがある。ローリングストーンズの歌で有名なように、「いつも欲しいものが手に入るわけではないけれど、時々頑張ってみれば、必要なものを見つけて、手に入れられるかもしれない。」

企業は今日、沢山のデータと分析を「欲しがる」が、彼らに本当に「必要」なのは、適切なデータである。それは、企業が顧客のニーズにより良く応え、収益を増やすようにするものである。
以下の3社は、データを使って、顧客が本当に「必要」なものを手に入れられるようにしている。

Jobspotting – データを使って、雇主と求職者をマッチング
職探しは、時間のかかる思い通りにならないプロセスであり、しばしば、合わない職につくことになる。
Jobspottingは、雇用推薦エンジンであり、スマート・テクノロジーを使って、求職者と雇主の間で完璧なマッチングを探す。ありきたりの求職プラットフォームとは異なり、Jobspottingは、採用候補者に対して、会社、企業文化、過去の雇用その他の情報を提供している。

Jobspottingの会社プロフィールを使って、ユーザーは、どの企業が採用を行っているか、空いているポストの具体的内容、その企業が過去に採用した者について、定期的に最新情報を受け取るだけではなく、競合他社との比較もできる。加えて、企業は、リクエストして自社のプロフィールをカスタマイズできるので、求職者は、応募する前に、雇主のブランドや企業文化について、明確に理解することができる。

会社プロフィールに加えて、Jobspottingは、分析的ダッシュボードを開始しており、企業に対して、詳細ではあるものの識別できない形で、求職者の人口統計データ、態度、スキル、関心事項を提供している。

Jobspotting のCEOで共同創設者のヘサム・ラビは、次のように説明している。
現在の求職プラットフォームの多くは、時代遅れで最低限の機能しか提供していません。キーワード検索に基づいて、募集のリストを提供しているだけなのです。これに対して、Jobspotting は、独自のマッチング・アルゴリズムを使って、ユーザーの行動とフィードバックを分析することにより、それぞれのユーザーに適応しているのです。
データが豊富な会社プロフィールと新しい分析ダッシュボードにより、Jobspottingは、職探しを合理化しています。候補者が職探しを最適化し、焦点を絞れるようにして、自分にぴったりの仕事、雇主、会社を簡単に見つけられるようにします。

Taste Analytics – 過剰なデータの意味を理解する
大量のデータが即座に利用可能になるので、多くの会社が専門家の助けを借りて、全てにフィルターをかけている。
Taste Analyticsは、最近、Signalsを発売した。これは、新しいテキスト分析ツールで、どんな規模の企業でも、データ・サイエンティストやIT専門家の助け無しに、広範なデータを分析出来るようにしている。

Taste Analytics社が目指しているのは、主なパターンと動作を素早く可視化して、リアルタイムで、ユーザーが戦略を予測し洗練させることができるようにすることである。
マーケター、ビジネス・アナリスト、カスタマー・ケア・チームをターゲットにして、Signalsは、電子メール、チャット・セッション、WordやEvernoteからのテキスト・ファイル、ブログ・ポスト、アプリ・レビュー、ソーシャル・メディアなどからの構造化されていないデータと構造化されているデータを大量に処理するように設計されている。

このクラウド・ベースのツールのダッシュボードは、ドラッグ・アンド・ドロップのデータ取り入れとドリル・ダウンのオプションとして、傾向分析、カテゴリー概観、バズワードおよび地理空間分析などを提供している。Signalsプラットフォームは、予測モデリング、機械学習、強力な統計的自然言語処理アルゴリズムなどの技術を取り入れ、行動共同体、形動、パターン、周辺テーマの可視化を行う。
 
Amino – はい、自宅にドクターがいます
保険の請求は、退屈で、間違え易く、処理が終われば、誰も気にしない。しかしながら、医療情報の素晴らしいクラウド・ソーシングのリソースでもある。全体としてみれば、産婦人科がどの位の頻度で帝王切開をやっているのか、ある整形外科医がどの程度人工股関節置換手術の実際の経験があるか示すことが出来る。

2012年以降に米国で現役の医師から申請された約40億通の請求を集めて、個人情報を非特定にした後、新しい無料の医療アプリAminoは、適切な医師を選ぶのに必要な情報を提供する。
例えば、アプリにあなたの地域の乳ガンの医師を尋ねるとリストが提供され、それを見て何回マンモグラム検査をしているか、バイオプシーを何回行っているかを知ることが出来る。

もし、あなたの症状があまり一般的でない場合には、Aminoは、近くにいる同様な患者を治療したことがある医師を探す手助けをできる。医師のオフィス、クリニック、研究室で起こったことを把握して、データは、最近の数年間の何百万人もの人と医師による決定を知ることを可能にする。

仕事を探している求職者であれ、大量のデータをフィルターしている小企業であれ、最高の医師を探しているだけにせよ、データがは成功の手助けになる。

一つ忘れないで欲しいのは、これは、欲しいものを得るためではなくて、必要なものを得るためだということだ。

あなた自身はどうですか。あなたが何かをやり遂げるのに役立っている、データを活用している企業はありますか。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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