多くの企業は、同じような方法でマネージャーを選んでいる。個人としての業務で優れた成果を上げた人、昇進に自ら名乗りを上げた人、その仕事をこなせる自信を見せた人、あるいはそれらの組み合わせに該当する人を昇進させるのだ。大半の組織が従来からそうしてきた。しかし、マネジメントのリーダーシップ特性に関する新たな研究は、そのアプローチがいかに誤っていることが多いか、そして正しい選択にどれほど大きなものがかかっているかを示している。
適切なリーダーシップ特性を選ぶことが、多くの企業が考える以上に重要な理由
経済学者の国際チームによる「Quarterly Journal of Economics」の2026年の研究では、ランダムに割り当てられたチームでマネージャーを追跡し、どのリーダーシップ特性が実際に優れたマネジメントを予測するのかを特定した。現実のデータに基づく同研究によると、より優れたマネージャーを配置することは、より優れたチームを配置すること(チームの平均生産性水準に基づく)に比べて、チームのパフォーマンスを40%多く改善することがわかった。マネージャーの質は、組織のパフォーマンスと生産性を高めるために企業が動かせる最大級のレバーの1つなのだ。
「自信」はマネジメント能力を示す信頼できるシグナルではない
特に注目すべきは、自ら管理職に志願したマネージャーは、ランダムに割り当てられたマネージャーよりもパフォーマンスが低かったという研究結果だ。研究チームは、企業が過剰な自信(特に自身の対人スキルに対する自信)を持つ人をマネージャーに昇進させがちであることに原因があるとみている。一方で、マネジメント職で同等以上のパフォーマンスを発揮できる人々は、そもそも自ら昇進を申し出る可能性が低かった。言い換えれば、その役割を最も熱望する人が必ずしも最適任者ではなく、リーダーシップに最も適した人ほど手を挙げようとしない傾向があるということだ。
優れたマネージャーを予測する、本物のリーダーシップ特性とは
このパラドックスを踏まえ、研究者らは強いマネジメント成果を予測した要素は何だったのかを調べ、2つの特性に予測力があることを見いだした。1つ目は「経済的意思決定スキル」である。これは、米国とデンマークにおけるこれらのスキルの影響に関する2024年の経済学研究によれば、資源配分について的確な判断を下す能力と定義される。2つ目は「流動性知能」である。流動性知能と心理社会的成果に関する2011年の研究によれば、これは獲得した知識に依存せず、新しい状況で論理的に考え、問題を解決する能力を指す。一方、人口統計学的属性には予測力がなく、自己申告による対人スキルや性格特性はむしろ逆効果だった。
組織にとって朗報なのは、経済的意思決定と流動性知能のどちらも測定できることだ。これは、内向的なリーダーやリーダー志望者、あるいは過剰な自信を演じたり注目の的になったりすることを好まない人にとっても朗報である。
組織が実際に見極めるべきリーダーシップ特性とは
では、組織はこれらのリーダーシップ特性をどのように測定し、選別すべきなのだろうか。ここでは、次の4つの変更が大きな効果を発揮する。第1に、構造化された「ワークサンプル(仕事のサンプル)課題」(候補者に仕事の進め方を説明させるのではなく、実際に業務の一部を行わせるテスト)を採用すること。これにより、候補者が語る意思決定ではなく、実際の意思決定が明らかになる。具体的には、リアルタイムの資源配分課題、観察下でのプロジェクトスプリントの管理、あるいは特定のチーム内対立シナリオへのリアルタイムの対応などを候補者に課すことが考えられる。
第2に、あらかじめ設定した同一の評価基準をすべての候補者に適用し、個人的なバイアスが結果を左右するのを防ぐこと。第3に、能力と「好感度」を別々に採点し、能力の方を重視すること。この研究では、組織は好感度の高い候補者を昇進させがちであるが、そうした人物は昇進後のパフォーマンスが低いことがわかっている。第4に、自ら手を挙げないタイプの人を積極的に勧誘する昇進プロセスを構築すること。なぜなら、最も優秀な候補者の中には、自分から立候補しない人が確実に存在するからだ。
直感ではなく、常にリーダーシップ特性を優先すべき理由
優れたマネージャーを予測する特性、すなわち的確な意思決定と流動性知能は、自信や虚勢に比べて見逃されやすく、従来型の面接プロセスでは見抜きにくい。だからこそ、多くの組織はいまなお、マネージャーを昇進させる際に誤った基準に頼り続けている。しかし、マネージャーの質は、組織がコントロールできるほぼあらゆる単一変数の中でも、成果を大きく動かす要素である。次のマネージャー採用を待つのではなく、今週からこれらのリーダーシップ特性に目を向け始めてはどうだろうか。



