経営・戦略

2026.09.17 08:49

AI時代に事業開発チームが見直すべき10の優先事項

Adobe Stock

Adobe Stock

事業開発チームは、より厳しい購買環境に直面している。見込み客が割いてくれる時間は減り、手元にある情報は増え、最終決定を下すまでの期間は長期化している。AIがリサーチを加速させたことで、購買担当者が売り手と接触するタイミングが変化し、最初の意味のある対話は意思決定プロセスの後半へと押し流される傾向にある。

その結果、事業開発の優先順位は、単にアウトリーチを増やして情報を提供することから、長期化する購買ジャーニー全体を通じて即座に価値を創出し、信頼性を高め、信用を獲得することへと移行している。ここでは、Forbes Business Development Council(フォーブス・ビジネスデベロップメント・カウンシル)のメンバーが、集中持続時間の短縮、AIによるリサーチ、そして購買サイクルの長期化が、企業の見込み客へのアプローチ方法をどのように変えているかについて解説する。

1. 強力なストーリーテリングが関心を引きつけ、維持する

人々の集中持続時間が短くなるなか、ストーリーテリングの重要性はかつてないほど高まっている。鍵となるのは、本物志向の、ペインポイント(悩みの種)に焦点を当てたナラティブによって、見込み客を素早く引きつけることだ。その上で、長期化する購買サイクルの間に、長文のテキストや動画コンテンツを用いて信頼関係を築いていく。AIが情報発見のあり方を再構築するにつれ、人々の心に最も深く響くブランドこそが、アルゴリズムによって適切なオーディエンスに最も推薦されやすいブランドとなるだろう。 ── ジョナサン・ブリエールGTIF Capital

2. AIがリサーチを終えた後、購買担当者が必要とするのは「インサイト」

リサーチは、最初の会話が交わされる前にすでに終わっている。購買担当者はあらかじめ情報を得て、ベンダーを把握し、多くの場合、すでに懐疑的な見方を持った状態で現れる。AIはこの変化を加速させたが、信頼を築くことも、不確実性を解消することも、相手の特定のビジネスニーズを理解していると証明することもできない。高額なエンタープライズセールスにおいて、今や勝負の分かれ目はそこにある。勝ち残っている企業は、より早い段階から関係構築に投資し、あらゆる対話を情報ではなくインサイト(洞察)によってリードしている。 ── シャリク・レーマンVisionet Systems Inc.

3. AIを活用したリサーチにおいて「発見される」存在になる必要がある

最大の変化は、必ずしも人々の集中持続時間の短縮ではない。関心が「どこで」生まれるかだ。現在では、購買担当者が企業のウェブサイトを訪れたり営業担当者に連絡したりする前に、AIを用いたリサーチが行われるケースが増えている。頭一つ抜け出す企業とは、AIツールでも営業現場での会話でも同じように効果を発揮する一貫したメッセージを備え、信頼性が高く、AIによって発見されやすいコンテンツを作成する企業だろう。 ── ローレン・ニューマンButton


Forbes Business Development Council(フォーブス・ビジネスデベロップメント・カウンシル)は、営業および事業開発担当幹部のための招待制コミュニティである。参加資格の確認はこちら


4. 事業開発は「知識の定着」に集中すべき

私にとって最も重要なのは、情報を獲得する作業がすでに代行されているなかで、いかに「知識を定着させるか」という能力だ。私たちはこれまで、情報を探すためのリサーチを行うことで専門知識を身につけることに慣れていた。しかし、リサーチ作業が自動化された今、事業開発は調べることから離れ、知識を定着・記憶させる技術に焦点を移す必要がある。 ── セス・マーズSandler

5. 量重視のアウトリーチに代わり、戦略的関係が主流に

人々の集中持続時間が短くなっているため、簡潔でパーソナライズされ、即座に価値を提供するアウトリーチが必要となる。AIはプロスペクティング(見込み客開拓)とリサーチを向上させる一方で、購買担当者が売り手に求めるインサイトのハードルを上げている。セールスサイクルの長期化は、一貫したエンゲージメント、ステークホルダーとの合意形成、そして信頼構築を要求する。事業開発は、量に依存したアウトリーチから、データを活用した戦略的な関係構築へと移行しつつある。 ── ダミニ・スードKBS International LLC

6. 情報が溢れる時代だからこそ「判断力」が重要となる

事業開発は、より早い段階で価値を生み出し、より迅速に信頼を獲得しなければならない。購買担当者は以前よりも情報を持って現れるが、その情報が常に正しいとは限らない。そのため、売り手の役割は情報の共有から、判断の提示へと移行している。実際のビジネス課題の解決に注力し、測定可能な価値を示し、長期化する購買サイクルの間、常に関わりを維持し続けることだ。 ── マイケル・フリッチ(PMP)Confoe

7. あらゆる顧客接点で、AIには提供できないものを届ける

集中持続時間の短縮とAIによるリサーチは、事業開発チームにとって諸刃の剣となっている。購買担当者はより多くの情報を得ているが、売り手と接触する前に選択肢をリサーチする時間も増えている。だからこそ、あらゆる対話が重要になる。チームは、本物の関係を築き、自らの専門知識に基づいたインサイトを提供し、AIが提供できる範囲を超えた高価値な対話を生み出すことに集中すべきだ。 ── マット・バーテルズAlexander Group

8. 露出の多さよりも「信頼性」が重要になりつつある

AIによって情報は検索しやすくなったが、信頼することは難しくなった。そのため、優先順位はコンテンツを増やすことから、より高い信頼性を築くことへと移行している。今や、単にオンライン上での露出が多いことよりも、第三者メディア、実際のクライアントの実績、そして本物の専門知識が購買決定を左右するようになっている。 ── ヴァレリー・マンジュクUFIRST Production

9. 「AIに発見されること」が事業開発の新たな優先事項に

AIがリサーチの手法を一変させたことで、有能なプロフェッショナルは即座の回答を期待するようになっている。有効な解決策に対する好奇心は、素早く探求され、検証される。事業開発の第一歩は、自社のブランドがLLM(大規模言語モデル)の検索結果で目立つ位置に表示され、その結果が信頼性、関連性、そして信用を強化するものにすることだ。AIは単に人々の集中持続時間を縮めているだけでなく、あらゆる対話に対する期待値を高めている。 ── クリス・ヴリアヴァスpharosIQ

10. 購買担当者は対話を「情報発見」ではなく「精査」のために利用している

人々の集中持続時間が短くなったことで、信頼を獲得するまでにより長い時間がかかるようになっている。これは、ほんの2、3年前と比較しても大きな変化だ。LLMの存在により、購買担当者はあなたと話す前に、ものの数分で予備調査を終えているという事実を認識することが極めて重要だ。彼らがコンタクトを取ってくる頃には、すでに「情報発見」の段階を終え、あなたを「精査」しようとしている。 ── ウェイン・エルジーFunds2Orgs

forbes.com 原文

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事