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2026.09.17 08:29

ビジネスではなく「システム」をスケールさせる

Adobe Stock

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成長はしばしば、ビジネスの成功を測る指標とみなされる。企業は従業員数を増やし、新しいソフトウェアに投資し、事業を拡大する。しかし、ある時点でその成長は失速し始める。成長が困難になると、多くの場合は「もっと多くのもの」――人員、ソフトウェア、テクノロジーなど――が必要なのだと考えてしまいがちだ。これらはキャパシティの拡大には役立つかもしれないが、なぜ成長が困難になったのかという根本的な問題の解決には必ずしもつながらない。

実際、成長は一種のストレステストとして機能する。ビジネスが拡大するにつれ、規模が小さかった頃には何とか管理できていた非効率なワークフローや一貫性のないプロセスといった問題が、成長によって浮き彫りになるからだ。

ビジネスは、成長するから非効率になるのではない。筆者の経験から言えば、非効率さが無視できないレベルに達するからこそ、成長に苦しむことになるのだ。

成長:オペレーティング・システムへのストレステスト

スケール(規模拡大)するのはビジネスそのものではなく、企業のオペレーティング・システム(業務遂行の仕組み)である。企業への要求が高まるにつれ、業務システムの弱点が浮き彫りになりやすい。これはいくつかの形で現れる。

・手作業による場当たり的な対応:例えば、システムが統合されていないために、物件情報が変更されるたびにエージェントがスプレッドシートやCRM(顧客関係管理)ツール、マーケティングプラットフォームを手作業で更新している不動産会社を考えてみよう。手作業によるその場しのぎの対応が増えれば、ミスの発生や一貫性のない情報が共有されるリスクも高まる。

・不明確な責任の所在:医療現場において、看護師、医師、事務職員がそれぞれ「別のチームが退院後のケアを調整しているだろう」と思い込んでいると、患者の退院が遅れる原因になる。これにより病床の稼働率が低下し、患者の待ち時間が増加するなど、患者の受け入れの流れに悪影響を及ぼす。

・一貫性のないプロセス:例えば、ある企業のファイナンシャルアドバイザーがそれぞれ異なる手順で顧客のオンボーディング(新規顧客の受け入れプロセス)を行っているとする。時間が経ち、複数のアドバイザーの間でその差異が拡大すると、コンプライアンス関連文書や顧客体験にばらつきが生じることになる。

さまざまな業界の組織を支援してきた中で、筆者は各業界に固有の課題がある一方で、成長期に発生する業務上の問題は驚くほど共通していることに気づいた。使われる用語こそ違えど、その根底にあるパターンが異なることはめったにない。

クライアントが5社の段階では気にならなかった場当たり的な対応も、50社になれば日々の業務運営に重大な影響を及ぼすようになるのだ。

「業務上の備え」の真の姿

スケールアップを目指す経営者と話す際、筆者が注目するビジネスプロセスの特徴がいくつかある。「業務上の備え(オペレーショナル・レディネス)」と聞くと、十分に文書化されたプロセスや最新のテクノロジーを思い浮かべがちだ。

しかし、業務上の備えとは本来、業務がいかに滞りなく、かつ一貫して組織内を流れるかということである。筆者が重視するのは、主に以下のような点だ。

・摩擦を減らすシステム:業務システムやテクノロジーは、ワークフローを支援するために設計されるべきであり、余計な仕事を増やすものであってはならない。先ほどの不動産の例であれば、正確性と一貫性を保つために、すべてのプラットフォーム間で情報が自動的に同期される統合システムが必要だ。物件の詳細は1度入力するだけで、CRMや企業のウェブサイト、その他のマーケティングチャネルに即座に反映されるべきである。

・明確な責任の所在:すべてのプロセスには、明確に定義された責任者(オーナー)が存在しなければならない。各プロセスのステップにおいて、誰が決定や承認に責任を持つのかをチーム全員が把握している必要がある。医療の現場であれば、患者の退院プロセスの各ステップに担当者を割り当てることに相当する。医療的な退院判断の確認、退院指導書の作成から、退院後のケアの調整に至るまで、看護師、医師、事務職員の間で責任と引き継ぎのプロセスが明確に定義されていなければならない。

・再現可能なプロセス:業務は、毎回同じ流れで実行される標準化されたプロセスに沿って完了されるべきである。すべてのファイナンシャルアドバイザーが文書化された手順に従って顧客のオンボーディングを行えば、どのアドバイザーが担当しても、すべての顧客に企業が目指す一貫した高品質な体験を提供できるようになる。

目的は、単に画一的で硬直化したプロセスを導入することではない。可能な限り一貫性を持たせることで、不必要な摩擦を生むことなく、ビジネスが成長に容易に適応できるようにすることだ。

AIが果たす役割

戦略的に活用すれば、AIはビジネスの成長に大きく貢献する。鍵となるのは、AIを「解決策」そのものとしてではなく、「増幅器」として捉えることだ。

業務フローが適切に設計されていれば、タスクを迅速かつ正確に完了するAIの能力によって、一貫性と効率性をさらに高めることができる。しかし、業務フローが断片化していれば、AIは単に、一貫性のない誤った作業を高速化するだけの道具になってしまう。

クライアントと話していると、本来は適切に設計された業務戦略の「成果」の一部であるべきAIが、議論の「出発点」になっているケースが目立つ。ビジネスが成長するにつれ、経営陣は需要に対応するために、早急にAIを導入しようとする。彼らはまず「増大する需要に対して業務をどのように流すべきか」ではなく、「このタスクをAIでどう自動化できるか」を問いかけてしまうのだ。

筆者の経験上、これこそがAI導入の取り組みが失速する原因である。リーダーたちはシステム全体をまず見渡すことなく、特定のタスクの自動化にいきなり飛びついてしまう。この基礎的なステップを省いてしまうと、AIはビジネスを効率的にスケールさせるための手段ではなく、孤立したツールになってしまう。

AIがどれほどタスクの高速化に優れていようとも、ビジネスは個々のタスクの集合体として動いているわけではない。人、プロセス、意思決定、および情報が相互に連携し、価値を生み出すシステムを通じて機能しているのだ。AIが最適化できるのはタスクだが、ビジネスの成果を生み出すのはシステムである。

個々のタスクの自動化ばかりに目を向けていると、孤立した課題を解決するための複数のAIツールが乱立する結果になりかねない。それぞれのツールが特定のタスクを改善したとしても、プロセス全体は断片化し、成長期にその複雑さが露呈することになる。しかし、まずは根底にあるシステムに焦点を当て、適切に設計されたプロセスを優先すれば、AIはすでに効果を上げている業務のやり方をさらに強化してくれる。一貫性のある業務運営と、より効率的なスケールアップを両立できるようになるため、AIの価値も高まるのだ。

スケール:業務システムの成果

スケールアップを、売上の増加やチームの拡大といった「成長」と同一視しがちだが、成長が拡張性(スケーラビリティ)を生み出すわけではない。単なる成長にとどまらず、「持続可能な成長」を実現できる企業とは、まず「実際の業務がどのように行われているか」に投資する企業であると確信している。

複雑さが増しても一貫性を維持できるシステムに投資することで、企業は成長に伴う変化や複雑な状況に、より容易に適応できる環境を整えられる。ビジネスがスケールするのは、その背後にあるシステムが、次に来るものに対応できるように構築されているからだ。

forbes.com 原文

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